人形遊び プロローグ
世界は一つではない。世界は人間の世界だけではない。人間の世界の他にも、いくつもの世界が存在する。その一つに魔界がある。人間の魂を糧とする、悪魔と呼ばれる者達が住む世界である。魔界の空は常に薄暗く、荒れ果てた大地や険しい山脈などが多数存在する。吹き荒ぶ風は岩を削り、枯れ木を打ち付ける。この世界の一角に魔界でも変わり者として少し有名な悪魔の住処がある。切り立った山の頂上近くにあるそれは、なぜか人間界の家のデザインとそっくりである。二世帯住宅で築二十年という風格を漂わせる灰色ベースの家である。玄関から入ると右手にトイレ、その奥にはシャワー室。真正面にはリビングへと続くドア。左手には二階へと続く階段がある。二階に上がると四つのドアがあり、それぞれが個室になっている。その一番奥の部屋で一匹の悪魔が必死になって紙に文字を書いている。この悪魔の名前はルビデ。この物語はルビデの邪悪な計画から始まる。
この記事へのコメント
これも人間の研究ということでしょうか・・。
果てさて、何が始まるやら。
他の悪魔からも、変な所に住んでいるという目で見られているルビデ。もちろん人間研究の一環であります。
そして間違いなく、よからぬことを企んでいる。