Engagement ring プロローグ

一人の少年が通学路を歩く。制服から学生だと分かるが、彼は勉強道具はおろか荷物を何一つ持たず、その身一つで学校に登校した。教室に入った彼は誰とも話さず、自分の机に突っ伏して時間が経つのを待つ。何人もの子どもが教室に入ってくるが彼に声をかける者は誰もいない。授業開始のチャイムと共に彼は起き上がる。そして申し訳程度に机の中から教科書だけは出す。教師がやって来て授業が始まる。教師は教科書をめくりながら彼を指名した。
「名桜(めいおう)、82ページから読んでみろ。」
彼は誰にも聞こえないぐらいの小声で言った。
「めんどくさい。」

次の瞬間、彼を中心にその場に青白く光る魔法陣が出現した。彼はその魔法陣に吸い込まれる様に消え、魔法陣も役目を終えたと言わんばかりに消滅した。確かなことはたった一つ、一人の人間がこの世界から消えたということだけ。
様々な調査が行われ、聞き取り調査も何度もされたが、この紋白町の紋白小学校における『神隠し事件』は、結局解決することはなかった。

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この記事へのコメント

2012年10月19日 00:27
学園があるということは復興したのか別の国なのかと思っていたら、次の瞬間・・・!
これぞ学園ファンタジー(違
紋白町は特異点なのか。
呵々闘諍
2012年10月19日 01:40
輪廻「新しいシリーズが始まったと思った途端、異次元に!」
愛縷「冥王かぁ…。是非ともお手合わせ願いたいねぇ。」
輪廻「いや、冥王じゃなくて、名桜だから!」
愛縷「名前、もとい、言葉には意味があるんだよ。偽名でない限り、その効果は絶大、運命をも決める。」
輪廻「ただの偶然だと思うんだけどなぁ…。」
2012年10月19日 20:40
>アッキーさん
あちらの世界と思わせて、実はこちらの世界から始まります。梅花さんの時もそうだったように。
学園じゃなくても結果は同じだったのかもしれないけど、学園(で起こった)ファンタジーであります。
紋白町が不思議な場所であることはその通りです。何せトロルさんが住んでますから。
パルナ「そういう問題じゃないよ…。」
2012年10月19日 20:41
>呵々闘諍さん
プロローグは手短にして、本編の舞台である異次元に直行です。
名桜は冥王…何という慧眼。手合わせ出来るかは分かりませんが、彼がめんどくさいと言わなければどうぞ。
小説でも現実でも言葉は言の葉、言霊となる。名前も言霊であるならば、例え偽名ですらも影響を及ぼすのかもしれません。名前は自分が最も多く使うであろう大切な単語ですから。

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