キングの称号 1

この世界には闇に潜む生き物、悪魔とそれを対峙する人間、エクソシストがいる。

「やれやれ…。今回の仕事は助っ人を付ける、だって。オレ一人で十分だってのに、古蝶(こちょう)さんと来たら…。」
黒いボロ切れに身を包んだ一人の男が小高い丘の上でブツブツと文句を言っている。小高い丘から下を見下ろせば、いくつもの家が緑の木々の中にある。道と道で繋がっているが、それ以外のところは林か草原だった。
「今回の任務は悪魔召喚の失敗で悪魔だらけになった町の悪魔殲滅だろ?調査によれば下級悪魔、それも最低レベルの一つ星かせいぜい二つ星しかいないらしいじゃん。町に人は残ってないみたいだし、数は多いけどDC(ディキューブ)のオレだったら問題ないじゃん…。」

DC(ディキューブ)とは、Dの三乗、DDD、デビルズ デストロイ ドールの略称である。対悪魔用の兵器であり、自立思考と行動を行える貴重な存在でもある。

男が大きなため息を吐いていると、町とは別の方から一人の白髪の少女が歩いてきた。
「おい、お嬢ちゃん。こっちの道は立ち入り禁止って言われなかったか?先で毒ガスが…。」
「初めまして。黒衣(こくい)さんですか?」
オレは一瞬、固まった。何でオレの名前を知っている?
「古蝶さんから話を伺いました。助っ人の白木 翼(しらき つばさ)です。」
「…は?君が?助っ人?」
数秒ほど呆けた後、オレが素直に聞くと、少女はニッコリ微笑んで答えた。
「はい。」
「ちょ!遠足に行くんじゃないんだよ?エクソシストなの?本物?古蝶さんからの紹介状とかあるの?」
「ええ、悪魔退治に行くんですよね。エクソシストではないです。本物というのは実力のことですか?それとも仲間だということですか?古蝶さんからはこれを見せればいいと言われたんですが。」
そう言って少女は首からぶら下げた銀の十字架を取り外して見せた。
「…間違い、ないのか…。でも、ちょっと待て。お前、いくつだよ。」
「九歳です。」
「はあ!?九?正気か、古蝶さん。こんなちびっ子が助っ人とか…どんだけ…。それともあれか?試されてるのオレ。この子、守りきりながら悪魔退治しろって?」
「はい、私の背中は預けます。だから、黒衣さんの背中は私が守ります。」
「いやいやいやいや!相手は悪魔!めっちゃ危険なの!あー、よし、こうしよう。白木 翼だったね。本部にはいいように報告しておくから安全に帰ってよ。元来た道を戻る感じで。行ける?」
「あ、いいように報告していただけるんですか?よかった~。古蝶さんの言う通り融通の効く人で。」
少女はニッコリ笑った。
「じゃあ、始めますか。悪魔退治。」
そう言って少女は町の方に歩き出す。
「…。待って、そっちじゃない。そっちは悪魔がわんさか湧いている町の方!お前が帰るのは反対の街!」
「まあまあ。」
「まあまあ、じゃなくて!」
「そんな大きな声、出したら気付かれますよ?」
しかし手遅れだったようだ。町の家や木々の影、いたる場所から一つ星の下級悪魔共が出てきやがった。町を一望出来るこの丘の上からだと、黒いペンキが広がっていくように見える。
「ち、面倒なことになったな。」
オレは戦闘体勢に入った。悪魔共が周りを囲み、炎を吐いてきやがった。

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この記事へのコメント

2013年01月24日 23:09
小さい翼ちゃん可愛い♪というか今と変わらんね。
翼ちゃんはクイーンだから、黒衣さんがキングなのかな?
2013年01月24日 23:30
キングだからだ!
・・・ベタなセリフはさておき、翼9歳の頃の話ですか。黒衣さんより強そうな雰囲気がありますが、ピンチになるのでしょうか?

シンヤ「キューブと聞いて。」
山田「いや、お前は関係ない。」
シンヤ「まあ、僕はエクソシストではなく悪魔の方だろうね。存在自体が気に食わないって、よく言われるよ。」
山田「よく言われるのか。」
八武「ともかく、翼ちゃんの動向を見守ろう。」
2013年01月25日 19:18
火剣「降りてくるとはスゲーな」
コング「さすがはドラゴン」
火剣「作曲家でもいたな。自然にメロディが聴こえてくると」
コング「僕も自然に水着姿が浮かんでくる」
火剣「それは単なる妄想だ」
コング「新ドラマはコングの称号か」
火剣「キングだ」
コング「白髪の少女というから期待したら翼姫か」
火剣「暴言を吐きに来たのか?」
コング「9歳じゃしょうがない。せめてかごめの15歳じゃないと」
火剣「ピンチにもいろいろあるだろう」
コング「そういえば、また白と黒だ」
火剣「でも今回は強敵そうだから楽しめる。やはり悪役が強いと盛り上がるからな、小説もプロレスも」
コング「善が栄えた試しはなーい!」
火剣「何を言ってるコングー?」
コング「コングー?」
火剣「パルナ姫が命名したニックネームだ。ありがたく頂戴しろ」
コング「・・・・・・」
火剣「でも緊迫した場面で漫才するのはアメリカ映画的で面白い。翼姫の活躍に期待」
コング「悪魔の頑張りに期待」
2013年01月26日 00:00
>表裏さん
現在と全く変わらない可愛い翼ちゃん。実はそれも能力の一部(?)だったり…。
さて、キングの称号を手に入れるのは誰?
2013年01月26日 00:01
>アッキーさん
キングのデュエルはエンターテイメントでなければならない!
さて、エンターテイメントはどう展開するのか。DCより強い九歳って一体…。っていうか九歳ということはミッケタナボッケより前ですね。ピンチシーン…んー。

ツヲ「ピンチと聞いて。」
白龍「まだですよ。」
ツヲ「まだ、ということは…。」
白龍「あまり期待しないでくださいよ。」
ツヲ「しかし、シンヤ君もデュエリストなんだよね。存在自体というか、ひょっとしてデュエリスト能力がひがまれているとか。」
白龍「あの能力は未だに謎ですよね。」
ツヲ「強過ぎる力は、他人から毛嫌いされるものさ。」
白龍「では、翼ちゃんの力は…。」
ツヲ「それはこれから。」
2013年01月26日 00:01
>火剣獣三郎さん
白龍「お褒めに預かり光栄です。ただし、降りてくる時期はバラバラですが…。」
パルナ「突然閃くんだもんね。」
白龍「寝る直前に降りてくることが多い、かな?」
パルナ「パルナは空に浮かんで、降りてくることが多い、かな?」
白龍「なんか違うような…。」
パルナ「さーて、こんぐーの称号は誰の手に~。」
白龍「キングです。」
パルナ「白髪の少女っていったら、はくりゅーの小説の中ではつばさぐらい?」
白龍「んー、今のところそうかも…。」
パルナ「九歳のつばさだけど、どんな困難も吹き飛ばせそう。」
白龍「そう言われるとまたもや白黒。この構図が好きなんだな、と気が付く私。」
パルナ「ところで、今回はこくいーが敵?」
白龍「ある意味対立関係になってますね…。」
パルナ「お、こんぐーが流行っている?」
白龍「定着するかな?」
パルナ「悪魔退治の時でも平常心なつばさ。」
白龍「天然なのか、不思議ちゃんなのか、いつの間にやら漫才に。」
パルナ「つばさと悪魔の頑張りに期待がかかってるね~。」

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