記憶の海 1

わたしは家に戻った。ああ、これでまた学校に行く日々が始まる。でも、彼がいる。学校には彼がいる。わたしを助けに来てくれた彼がいる。永石(ながいし)君がいる。永石君がいるなら、わたし、頑張れそう。そんな気がする。



「桜!桜!心配したんだぞ!桜!」
「本当に心配したのよ!もう心配かけないで!」
父と母がわたしを抱き締める。そして涙を流し、何度もよかったと呟く。そして、しばらくして、わたしを家の中に入れる。
「桜。今日はゆっくり休んで寝なさい。」
「それともご飯にする?あったかいのを用意するわよ?」
父と母は優しく声をかけてくれる。
「今までごめんな、桜。」
「桜に無理させちゃったわね。」
申し訳なさそうな父と母の顔。
わたしは温かいご飯を食べて、温かいお風呂に入って、温かい布団に入る。そして、月曜日が早く来ないかな、と思う。そしたら永石君に会えるから。

























これは偽物。偽物の記憶。

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この記事へのコメント

2013年02月13日 21:55
!?

本当は両親に散々怒られたとか、そういう・・・?
2013年02月13日 23:40
火剣「魔の月曜日から陽気な月曜日か?」
コング「あんなに月曜日が嫌いだったのに月曜日が待ち遠しいとは」
火剣「永石少年との出会いは桜にとって大きい」
コング「火剣警部。大変なものを発見してしまった」
火剣「何だ?」
コング「これを」
火剣「何? 偽物の記憶? どういう意味だ」
コング「家出をして帰って来た子を叱ってはいけないというのはセオリーだが」
火剣「また出て行ってしまうからな」
コング「難しい年頃だ」
火剣「親は抱きしめてほしいが。親は子に対して絶対的な味方であることを教える必要がある。強い心の持ち主でも支えがないと倒れてしまう」
コング「支えると見せかけてお姫様だっこからベッドに放り投げてルパンダイブ」
火剣「退場」

2013年02月14日 21:11
>アッキーさん
さて、一見温かな家庭ですが…。真実はどこに。
2013年02月14日 21:11
>火剣獣三郎さん
仕事や学校が大好きな人は月曜日が待ち遠しい、なんて思うとか。でも、たいていの人にとって月曜日は憂鬱か?桜さんにとって、それだけ永石君との出会いは大きかった。何せ助けに来てくれた上に自身の『幻想』を破壊してくれたのだから。しかし、奇っ怪な一文が…。

白龍「家出した子どもが戻ってきたらまずは抱き締めよう。温かく、優しく。」
翼「心配したのよ、という台詞も、抱き締められて泣きながら言われるのと、玄関先で怒鳴られるのでは全然違いますからね。」
白龍「自分は心配されている、必要とされている、愛されていると感じれば、叱る言葉も届くというもの。もちろん、それが中々届かない時もあり、難しい年頃、ですかね…。」
翼「私にとってお母さん、お父さんはやっぱり大きな支えですね…。いつまで経ってもそれは変わらないでしょう、永遠に…。」

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  • レイバン ウェイファーラー

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