学校脱獄計画 1

『ああ!また日が差し込んでくる!神様神様神様神様!どうして貴方は『朝』というものをお創りになられたのですか!どうして世界を光と闇に分けてしまわれたのですか!今日は木曜日、明日は金曜日、土曜、日曜…。そして月曜日がやって来る!神様、貴方は七日目にしてようやく休まれた!それなのに、わたしは貴方よりも劣る、それなのに!貴方はわたしにどれだけ働かせるというのですか!何故このような仕打ちをなさるのですか!わたしは学校が嫌いです。神様、わたしは学校が嫌いです。神様、わたしは学校が大嫌いです!国語も算数も理科も社会も音楽も体育も家庭も図画工作も道徳も!ありとあらゆる教科が嫌いです!勉強が嫌いです!大嫌いです!学校が大嫌いです!朝の会や終わりの会など吐き気がします!運動会や遠足などの行事での決め事のために、話し合いが長引いた時は気が狂いそうでした!台風で休校になった時は、そのまま学校が吹き飛んでくれることを切実に願い、その日を過ごしました!夏休みや冬休みが待ち遠しくて仕方がありません!祝日で休みの時は魂が救われます!創立記念日で休みだった日は、学校が出来たことに僅かばかりの意味があったのだろうと思いました。それなのに!どうして!神様、貴方は今日もまた太陽を登らせるのですか!学校に行く時間を呼び寄せるのですか!そんな愚行をなさるのですか!神様、貴方はそれほどまでにわたしが憎いのですか!それほどまでにわたしに辛い思いをさせたいのですか!目覚まし時計の秒針の一秒一秒が刻まれるたびに首に縄が食い込むような気分になり、吐きそうです!ナゼ、何故、なぜ、何故!何故わたしは学校に行かないと行けないのでしょう。神様、教えて下さい。』





その日、僕は学校の茂みの中で彼女のノートを拾った。そこらに売っているただのノート。そこに彼女の名前、此花 桜(このはな さくら)と書いてあるだけのノート。拾ったのは放課後だったので次の日に渡せばいいかと思ってランドセルにしまった。けれども次の日、彼女は教室にいなかった。
担任の先生がいつもとは違う雰囲気で朝の会を始めた。今朝から何かおかしい。大抵のことは『事件』にならないこの紋白小学校だけど、今日は何か大きなことがあったんだ。それは皆が薄々感じていたことだった。門の近くに停まっているパトカー。時々見える警察の人。きっと何かあったんだ。
「このクラスの大切な仲間、此花さんが昨日から家に帰っていません。何か知っている人はいませんか?行き先を聞いているという人はいませんか?怪しい人を見たという人はいませんか?どんな小さなことでもいいので先生に教えて下さい。此花さんのお父さんもお母さんもとても心配しています。本当にどんなことでもいいです。思い出したらすぐに教えて下さい。」
担任の先生の話で気が付いた。そうだ、このクラスの一番の優等生、桜さんがまだ学校に来ていないんだ。いつもは必ず一番かそれぐらいに学校に来ているのに。
「それと、今日は集団下校をします。また家に帰っても夜遅くに出かけたり、一人で出かけることのないようにしてください。怪しい人を見たら近寄らないようにしてください。いいですね。」

その日は慌ただしくバタバタと時間が過ぎて、あっという間に放課後。集団下校で弟と一緒に家に帰る。
「兄ちゃん。桜ちゃん、大丈夫かな…。」
「大丈夫、きっと…。」
幼馴染の桜さんのことは心配だ。しかし、小学生の僕に何が出来るという訳でもない。今は警察に任せるしかないんだ。
家に帰ってしばらくは勉強のために机に向かっていた僕だが、やはり桜さんのことが気になる。と同時に僕は彼女のノートを拾ったことを思い出した。今まで忘れていたとは、何て馬鹿なんだろう!もしかしたらこのノートに彼女がいなくなった手がかりがあるのかもしれない!僕はノートを開く。そこには『神様』について書かれていた。

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この記事へのコメント

2013年02月07日 23:35
早速の鬱展開ですね。
神様?私は信じていませんよ。神様が凄い存在だということを信じていません。神様がいるとして、それがなんだと言うのでしょうか。神は神、私は私。神様の意志によって自分が救われるとは思いませんね。
2013年02月08日 00:08
心から共感できるモノローグ。(←おい)
いや、勉強は好きだったんですが、学校は嫌いでした。勉強するなら家でしたかったですねー。

佐久間「小学校なんてもんは、無神経な豚ほど楽しい家畜小屋だからなー。」
山田「サラッと毒舌を・・・。」
2013年02月08日 21:07
>表裏さん
開幕早々の鬱展開。自分で書いておいて何ですが、酷い展開だ…。
なるほど、神様の存在は否定しないけど、全能を肯定はしないという訳ですね。
私は『凄い能力の持ち主』を神と定義することから神の存在を肯定していますが、それが人間的な救済をしてくれるかといえばそうではないと思います。『凄い能力』=全能、となればそれは人間の存在を遥かに超えた存在であり、その『思考』も人間と大きく異なるはず。つまり、神の救済は人間にとっての救済にならないのではないでしょうか。
結局、人間を救えるのは人間であり、機械的な考え方ですが神はあくまで人間から人間への心の受け渡しを円滑に進めるための潤滑油、もしくは補助的、中継的役割を持って人間に創り出された存在なのかもしれません。
2013年02月08日 21:07
>アッキーさん
白龍「うっかり私の本音、心の闇が溢れ出した…。」
パルナ「おーい…。」
白龍「楽しげな学校生活の小説を書いているくせに、こんな小説も同時に書いている私。理想の『小説』と現実の『ダークサイド』ということなのだろうか…。しかし、小学校時代が100%真っ黒だったら翼ちゃんも生まれなかったか?それとも、反動で翼ちゃんが生まれたのか?無神経な豚…小学校時代を思い出すのに苦しみを伴わない私は、その一人だったのかもしれない…。」
パルナ「はくりゅー、帰っておいで~。」

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