ネコネココネコ 1
昔の話、猫魔ヶ岳(ねこまがたけ)と呼ばれる大きな山があった。その山にはたくさんの猫が住んでいた。その猫の多さから、あそこには猫叉がいる、猫娘がいる、などと言われていた。だから、その土地の子ども達は化け猫の話を幼い頃からたくさん聞かされていた。しかし、そんな猫魔ヶ岳も時代と共に開発が進み、昔ほど猫を見なくなった。
猫魔ヶ岳の隣には鼠入ヶ丘(そいりがおか)と呼ばれるなだらかな丘があった。この丘にはたくさんの鼠が出没した。鼠が食べ物を食い荒らす。その鼠を食べるために猫魔ヶ岳からたくさんの猫達がやってくる。この土地には猫叉が年に何回か鼠を食べに一族を連れてやってくる、というような話が残っている。しかし、そんな鼠入ヶ丘も時代が進むと共に、昔ほど鼠を見なくなった。
ある時、鼠入ヶ丘の小学校に猫魔ヶ岳から転校生が来た。ちょっと猫背でツインテールの女の子だった。彼女が通っていた猫魔ヶ岳の小学校は少子化の影響で廃校になってしまったそうだ。そこで、家から一番近かったこの小学校に転校して来たそうだ。彼女が転校して少し経った頃、彼女の内気な性格と急に変わった環境、余所者意識などが合わさってその小学校では少々浮いた存在になってしまっていた。
ある日、その女の子が学校から一人で帰る途中のことだった。彼女は道のわきに黒いフードをかぶった男とも女とも分からない人を見つけた。その人の前には白い布をかぶせた机があり、その上には透明な筒状の箱があった。箱の中には赤くて小さな飴のような物が入っていた。どうやらこれを売っているらしい。机のそばにはカセットテープが置いてあり、そこから古臭い音楽と歌と雑音が流れていた。その歌はどこかの民謡のような感じだった。
『…ネコネココネコ、ソノネココネコ?ソノネココネコ、鼠ヲ見ツケタ。
…ネコネココネコ、ソノネコ何ネコ?ソノネココネコ、鼠ヲ食ベタ。
…ネコネココネコ、ソノネコネコカ?ソノネココネコ、ネコネコ遊ンダ。
…ネコネココネコ、ソノネコ化ケ猫?ソノネココネコ、ネコノコ産ンダ。
…ネコネココネコ、ソノネコ娘?ソノネココネコ、コネコヲ――――。』
女の子がその歌に聞き入っているとフードの人が声をかけてきた。
「いらっしゃい。」
声からして男性だと思われる。
「買うかい?」
男はそう言って小さな赤い粒の入った小瓶を差し出した。
猫魔ヶ岳の隣には鼠入ヶ丘(そいりがおか)と呼ばれるなだらかな丘があった。この丘にはたくさんの鼠が出没した。鼠が食べ物を食い荒らす。その鼠を食べるために猫魔ヶ岳からたくさんの猫達がやってくる。この土地には猫叉が年に何回か鼠を食べに一族を連れてやってくる、というような話が残っている。しかし、そんな鼠入ヶ丘も時代が進むと共に、昔ほど鼠を見なくなった。
ある時、鼠入ヶ丘の小学校に猫魔ヶ岳から転校生が来た。ちょっと猫背でツインテールの女の子だった。彼女が通っていた猫魔ヶ岳の小学校は少子化の影響で廃校になってしまったそうだ。そこで、家から一番近かったこの小学校に転校して来たそうだ。彼女が転校して少し経った頃、彼女の内気な性格と急に変わった環境、余所者意識などが合わさってその小学校では少々浮いた存在になってしまっていた。
ある日、その女の子が学校から一人で帰る途中のことだった。彼女は道のわきに黒いフードをかぶった男とも女とも分からない人を見つけた。その人の前には白い布をかぶせた机があり、その上には透明な筒状の箱があった。箱の中には赤くて小さな飴のような物が入っていた。どうやらこれを売っているらしい。机のそばにはカセットテープが置いてあり、そこから古臭い音楽と歌と雑音が流れていた。その歌はどこかの民謡のような感じだった。
『…ネコネココネコ、ソノネココネコ?ソノネココネコ、鼠ヲ見ツケタ。
…ネコネココネコ、ソノネコ何ネコ?ソノネココネコ、鼠ヲ食ベタ。
…ネコネココネコ、ソノネコネコカ?ソノネココネコ、ネコネコ遊ンダ。
…ネコネココネコ、ソノネコ化ケ猫?ソノネココネコ、ネコノコ産ンダ。
…ネコネココネコ、ソノネコ娘?ソノネココネコ、コネコヲ――――。』
女の子がその歌に聞き入っているとフードの人が声をかけてきた。
「いらっしゃい。」
声からして男性だと思われる。
「買うかい?」
男はそう言って小さな赤い粒の入った小瓶を差し出した。
この記事へのコメント
呵々「やめてくれよ…。」
輪廻「あ、呵々は飼い猫にいじめられてるんだっけ?」
呵々「もう手がボロボロだー!俺は犬に逃げるぜ!」
輪廻「そうやって飼い犬ばかり愛でるから嫌われるんだよ。」
呵々「このお話の猫は可愛いといいな。」
輪廻「ダークサイドって書いてるね。」
呵々「……やばい。」
火剣「何を歌ってる?」
コング「パンダコなのか、パンダなのか、コパンダなのか歌ってるとわからなくなる」
火剣「ネコネココネコ、ソノネココネコ・・・あんまし関係ないと思うが」
コング「大いに関係ある。賢者コングーの言うことに誤りはなーい! 今週もなーい!」
火剣「それにしてもSFチックな匂いがするな」
コング「できればエスエ・・・」
火剣「ストップ。またNGボックスに直行したいのか」
コング「あそこは窮屈だ。あの豚箱に入ったらドラゴンも翼王もパルナーも気づいてくれない」
火剣「自業自得だが」
コング「で、この少女は猫か?」
火剣「まだわからねえ」
コング「小学生に興味はない」
火剣「またそれか」
コング「猫又?」
火剣「言ってねえ」
コング「猫娘? おい鬼太郎!」
火剣「久々登場で何でもアリだな」
コング「ゲ、ゲ、ゲゲゲのゲー」
火剣「歌わなくていい」
コング「ソノネコ化け猫? ソノネココネコ、ネコノコ産んだ? ある意味『ねないこだれだ』レベルに怖いストーリーだったりして」
火剣「ホラーか。ヤバイな」
・・・とでもいうような雰囲気の恐さが漂ってきます。コミカルなのに不気味な・・・この画像もですが・・・。
佐久間「かーごのなーかのとーりーはー♪いーつーいーつーJR?」
山田「おいやめろ。雰囲気が壊れる。」
佐久間「しかし、この不気味な唄に聞き入るあたり、この少女は只者ではない。」
山田「買ったら駄目だ。たぶん恐ろしいことになる。」
ルビデ「ネコネココネコ、ネコネココネコ。」
白龍「呪文かい?」
ルビデ「悪意を込めた言葉は『大好き』であっても呪いとなる。ダークサイドへようこそ。」
白龍「何か輝いてるな…。」
ルビデ「ヤバイ雰囲気が漂っているからな。クックックッ。」
プリスター「猫派と犬派の対立は永遠に無くならないわ。ちなみにワタシは猫派。ニャンニャンしてあげる。代金は魂よ。」
ルビデ「それでいくと、メフィスト様は犬派なのか…?」
白龍「歌っているうちにどっちがどっちだったか分からなくなることってありますよね。」
パルナ「早口言葉とか、○○を十回言ってみてとかもそんな感じ。」
白龍「さて、SFチックな感じ、になるのかどうかは分かりませんが、メルヘンな感じはしませんね。」
ツヲ「NGボックスは言葉の監獄。誰にも分からないまま、この世界から消えるのさ。」
白龍「何かありましたか?」
ツヲ「それよりも猫の少女とニャンニャンしたいなあ。小学生大歓迎。」
白龍「そんなんだからNGボックスに行くんだよ…。」
ツヲ「小学生をよしよしすることが犯罪なら、この世界が間違っているんだ!」
白龍「ツヲさんが言うといかがわしく聞こえることを自覚してください。」
ツヲ「そんな!紳士なのに!」
白龍「はいはい、変態紳士ですね。」
ツヲ「で、彼女は猫娘なのかい?」
白龍「さあ、どうでしょう。世の中は分からないことの方が多いんですよ。」
ツヲ「ねないこだれだには救いはなかった。この物語にはあるのかな?」
ルビデ「クックックッ。大丈夫、怪しい食べ物じゃないよ。」
白龍「説得力の欠片すらない…。」
ルビデ「漂っているのはただの音楽だよ。」
白龍「一緒に不気味な雰囲気も漂ってるんですけど。」
ルビデ「聞き入っているということは波長が合ったということだろう。」
白龍「それはそうかも。しかし、惹かれるものが安全とは限らない。ここは踏みとどまるべき。」
ルビデ「それは本人が決めるべき。」
白龍「本音は?」
ルビデ「大概の小学生じゃ危険かどうかなんて分かんないよね、それがいい。」
白龍「退場。火炎放射。」
ルビデ「アチャー!!!!」