一年の妹達 十五歳の対決 1

わたくしには兄上様がいると、一度だけ聞いたことがある。幼い頃に偶然聞こえてきた祖母と母の会話で。その兄上様なら、わたくしを受け止めて下さるだろうか。血の繋がった兄上様なら、今のわたくしを受け止めて下さるだろうか。
今のわたくしを見たら、きっと祖母も母も助けてはくれないだろう。血が繋がっていなくてもわたくしを引き取って下さったお二方でも、これは流石に手を伸ばすのを躊躇われるだろう。もし、わたくしが反対の立場だったら、おそらくそうだ。とても手を差し出す自信などない。なぜならわたくし自身が今のわたくしに恐怖しているのだから。
辺りが燃える。聞こえる爆発音。ここは戦場か。いや、普通の学校の教室。ただし、さっきまでは。全部わたくしがやったこと。止めれるものなら止めたい。止まれるなら止まりたい。でも、体が言うことを聞かない。助けて…。誰か…。兄上様…!



――――――――――――――――――――――――



紋白町で一番大きな公立高校、紋白高校から火の手が上がったのは何の変哲もない日の午後だった。突然の爆発音。鳴り響く火災報知器。パニックを起こした生徒達が廊下を全速力で走っていく。それを見た他のクラスの生徒達もパニックになり、学校は騒然となった。教師の指示も聞こえず生徒達は我先にと校舎から避難していく。結局最初に何が起こったのか正確に分かっているものは誰もいなかった。
混乱が広がる中でかろうじて何人かの教師が連携を取って生徒達を誘導し、なんとか安全に校庭に避難させようとしている時、一人の男子生徒だけは教室の隅に隠れていた。彼は爆発音に恐怖して隠れている訳でも逃げ遅れた訳でもない。確固たる意志を持ってこの場に留まろうとしていた。誰もが避難していなくなった時点で彼はそこから這い出した。そして、爆発音のする方へと走り出した。

彼の名前は月守 年明(つきもり としあき)。もうすぐ十六歳になろうとしている高校一年生であった。

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この記事へのコメント

2013年03月12日 23:23
年明くんキターーー!!
パニック状態の中で、いきなり登場・・・強キャラの匂いがするクンカクンカ(殴

佐久間「パワーアップ後の泉新一って感じだな。」
山田「しかし身体能力はどうなんだ?」
八武「むしろ出虎一八みたいな戦い方になるのかねぃ。」
佐久間「普通にハグじゃね?」
八武「普通に剥ぐか。胸が熱くなるな。」
山田「殴るぞ。」
佐久間「男の腕の中に収まる心地良さは良いものだ。とても良いものだ。」
2013年03月13日 00:01
コング「16歳。高一か。なら多少は良い」
火剣「何がだ?」
コング「14歳とか聞くと厳しいが、16歳ならかごめよりも年上だし、ジャスミンと同じ年だ」
火剣「だから何だ?」
コング「ヒロインも16歳ってことだ」
火剣「年明の勇敢さを褒めてやれ」
コング「少年に興味はなーい!」
火剣「少しはブレろ」
コング「僕はブレない」
火剣「柔軟性は大事だ」
コング「何、女子をうつ伏せにして背筋?」
火剣「言ってねえ」
コング「それより爆発は少女の仕業か。でも実行犯よりも主犯の月守照が悪い」
火剣「外道科学者とパルナーに名づけられた」
コング「僕は賢者コングー」
火剣「ところで少女は誰だ?」
コング「♪誰だ! 誰だ! 誰だー! 空の彼方に躍るかげー、しーろーいーつーばさーの・・・何、犯人は翼王か!」
火剣「まじめに推理しろ」
コング「しまったあ! ダイワピョンかあ!」
火剣「古い」
コング「タイトルをよく見たら十五歳ではないか」
火剣「それしかないのか?」
コング「なーい!」

2013年03月13日 23:01
>アッキーさん
年明君、参上!かつては何も知らなかった十歳の少年が衝撃的な事件を経て強キャラに!

ルビデ「デコッパアアアアア!!!??!」
白龍「失敬な悪魔だな。彼には月守 年明という名前があるんですよ?」
ツヲ「出虎一八君が登場する『魔人〜DEVIL〜』を知らないと分からないネタだね。」
白龍「助け方ですか。やっぱりハグですかね。」
ツヲ「後ろからそっと抱き締めて呟く。君が好きだ、と。」
白龍「ロマンチック。」
ツヲ「このロマンチックさには佐久間ちゃんもメロメロ。」
白龍「そう…なのかな…?」
2013年03月13日 23:01
>火剣獣三郎さん
十歳になった直後の事件から六年近くの時が流れ、もうすぐ十六歳になろうとしている年明君。となるとヒロインも同い年か。ただ、妹達ということなのでどう見積もっても同い年が限界。つまり十六歳のヒロインは登場しない?

パルナ「とうとう高校一年生だね。」
ツヲ「つまりヒロインも高校一年生か?」
パルナ「爆発は月守 照の仕業かな。」
白龍「まあ、この状況で他の犯人が出てくることはないでしょうが、そう簡単に顔を出す照でもない。」
ツヲ「つまり実行犯は少女の仕業か。もちろん悪いのは全部、月守 照。」
パルナ「そう、外道科学者の照。」
白龍「独白の少女はもちろん翼ちゃんではありません。」
パルナ「新キャラ?」
白龍「まあそうですね。」
ツヲ「きっと十二人の妹達の誰かなんだろう。」
パルナ「なるほど。何月さんなんだろ。」
ツヲ「能力の方も気になるね。」

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