英雄再来 第十一話 ソルディエル23

小粒ばかりで困るわい。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

老人はしばらく技術部の者達がうろたえ、謝罪の言葉を述べるのを聞いていた。そして、頃合を見て再び喋り出した。
「普通さあ、悪いことしたら謝るのが先だよねぇ?なんでえ~、今頃になって謝罪の言葉が聞けるのぉ?本当に反省してるのぉ?」

「は、はい!もちろんです!大いに反省しています!」
「だから実験体だけはご勘弁を!」
「申し訳なく思っています!今後は心を入れ替えますので、どうか…!」

「反省してるって~?本当にぃ~?反省するだけなら猿でも出来るよ~?」
老人は片方の眉を釣り上げて、全員を見回した。

「ん?」
その顔ぶれの中に老人はアウトマの姿を発見した。
「アウトマぁ、お前もかあ~。情けな~。こりゃ個別説教じゃなぁ…。」

老人は大きな溜息を吐いた後、全員に向かって唾を飛ばしながら叫んだ。
「お前らぁ、ほんと、馬鹿!揃いも揃って馬鹿!大馬鹿!もう、バツ!超バツ!バツバツのバツ!駄目駄目!全っ然、駄目!安いんよ、薄っぺらいんよ、だからいつまで経っても馬鹿なんよ!!カー、もう駄目!お前ら駄目!今日から自宅謹慎!!明日の王道具の一斉点検はワシだけでやるから、お前らは明日一日、部屋の中でずっと反省!以上!分かった!?」

「は、はいっ…!」

「返事、小さい!!分かった、か!?」

「「「「「「「「「はい!!!!」」」」」」」」」

「はい、解散。アウトマ以外、さっさと出て、家帰れ~。」
老人がピラピラと手を振るのに合わせて、技術部の者達は蜘蛛の子を散らすように霊安室から出て行った。





霊安室に残ってうつむいているアウトマに対して老人は冷たい視線を送る。
「あー、ジェー、こいつには反省活動させるから。赤ん坊を墓地の一番奥に丁寧に埋めてちゃんと墓を建てるっていう反省活動。それでいいよね?」

「はい、ボクは構いません。」

「何か言っとくことある?」

「いいえ、もう十分です。」

「そう…。んじゃ、アウトマ。早速、始めて。」

大博士に言われてアウトマは無言のまま行動を始めた。





「全く、アウトマも少し褒めていいかなって思ったらこれだ…。…それでさ、ジェーに聞きたいんだけど…。」
大博士は片眉を釣り上げて、ジェゼナを見た。
「なんでえ~、あいつら殺さなかったの?技術部だから我慢したの?教えて?」

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この記事へのコメント

2015年02月15日 17:56
火剣「技術部たちは嵐か竜巻が過ぎ去るのを待つ思いで生きた心地がしなかっただろうが、殺されなくて良かったと思っているだろう」
コング「怖過ぎる。でも恐怖で言うことを聞いた場合、本当に反省したかどうか」
火剣「反省だけなら猿でも出来る。なぜダメなのか何人が心の底からわかったか」
ゴリーレッド「アウトマもいたとは」
コング「アウトマ以外の言葉に、死を覚悟したか。ぐふふふ」
火剣「代表で泣かされると思ったら、そういうことか。命びろいだ」
ゴリーレッド「そしていよいよジェーと大博士の対話が始まる」
コング「粒チョコで鬼はー外って大博士に投げたらどうなるだろう?」
火剣「その心は? と殺意の笑顔で迫られる」
コング「ぐひひひ」
ゴリーレッド「笑いごとではない」
2015年02月15日 21:33
>火剣獣三郎さん
技術部の者達は本当に生きた心地がしなかったと思います。大博士はやると言ったら本当にやる人なので。日々、死と隣り合わせの特攻隊はジェゼナ管理のために比較的和気あいあいとしていますが、技術部は結構ビクビク、ギスギスしているかもしれません。
さて、恐怖で脅した場合、心の底から反省した者達が何人いたのか。それは不明ですが、反省しきれない者も少なからず出るような気はします。実はアウトマも技術部の一員なので混じっていました。科学者気質なので珍しいものには反応せざるを得ないのです。さて、皆を代表して反省活動に従事するアウトマを他所に大博士がジェゼナに問いかけを。
大博士は、普段は普通のお爺ちゃんなのですが沸点は高くないと思われます。豆なんか投げようものなら…。おお、恐ろしい恐ろしい…。
2015年02月15日 23:34
大博士、アウトマに目をかけていたんですね。反省活動をさせているのも、ちゃんと反省できる人だと見込んだから・・・ソルディエルに謝罪してますし、その見込みは正しかったようです。

佐久間「大博士と聞くと大刃禍是が浮かぶのは私だけではあるまい。」
神邪「僕もです。まさに暴風ですか・・・しかし優しいですね。」
山田「や、優しいか?」
神邪「僕は謝っても許さないのがデフォルトですから。沸点が高い代わりに、溜め込んだエネルギーが抜けないんです。」
八武「ふむ、言われてみれば謹慎だけで解放している。ジェゼナに質問している割には・・・。つまり、この質問は、疑問ではなく純粋な好奇心と見るべきか。」
神邪「技術部の面々も、謝ることが出来るだけ真っ当とも言えます。僕に暴言を吐いた連中は、謝ることすらせずに知らん顔。」
佐久間「そうだな。謝っても許さないからといって謝らないのは、誠意のカケラもありゃしない。」
維澄「そこは同意する。そもそも、許してもらおうって考えが既に駄目なんだよな。大博士の言う通り、本気で済まないという気持ちがあるのなら、それ相応の態度が前提にあって、そこからスタートなんだし。」
神邪「まあ、大博士としては、自分に向けられているのが畏怖と尊敬だから、説教だけで許してあげたんでしょうね。」
山田「そうだ、ジェゼナと大博士では立場が違う。ジェゼナは何と答えるのか・・・?」
2015年02月16日 21:42
>アッキーさん
大博士もだいぶとお年を召しているのでそろそろ後継者が欲しいところ。大博士曰く、一番マシなのがアウトマだそうです。代表で反省活動させているのも、ある意味贔屓なのかも。
さて、私もデュエリストの端くれとして大博士と大刃禍是の語呂が似ているというのはヒシヒシと感じていました。アークV、めっちゃ面白い。
大博士の半分は優しさで出来ているかどうかは分かりませんが、ジェゼナを拾ったのはこの大博士です。暴風を巻き起こす割に技術部のトップに君臨し続けているのは厳しさの中に優しさがあるからかもしれません。殺すとかどうとか物騒なこと言っていますが、その言葉の意図するところは言葉の額面通りかどうかは分かりません。
技術部の者達もどれだけ反省しているかは分かりませんが、謝罪は口にした。後は謹慎中にそれを真の言葉として受け止め、反省出来るかどうか。
謝罪は赦しを得るためのものではない。謝罪とは、取り返しのつかないことをして、謝って済む問題ではないのは分かっているけれども、それでも申し訳ないという自分自身の心からの気持ちが喉を突いてあふれる言葉である。
大博士の場合、これだけ言ってもふざけた態度を取るのなら『脅し』を『本当』にするだけのことなので。表面上なのかもしれないけれども、謝罪の言葉を口にしたので大博士はこれで許しました。さて、一方でジェゼナはどんな気持ちなのか。立場が違えば答えも当然違ってくる。彼女の答えはいかに。

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