英雄再来 第十四話 エクス12

『化け物』、現れる。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

「魔法使いという化け物を退治して世界に平和を築こう!行くぞ!!」

「「「「「「はいっ!」」」」」」

エクスは班長六人と共に爆煙の向こうにいるペリドットに戦いを挑んだ。だが、爆煙の先から突如、出現した化け物に全員が面食らった。
画像

『ギャギュガギャギャギャアアアア!!!』
爆煙をかき分けて飛び出した、普通の一階建ての家よりも大きな楕円形の体。不自然に飛び出した目玉。いくつか付いている大きな口。六本の長い足の間接と先っぽからは赤っぽい体液が染み出していた。丸くて大きな体には大小様々なイボのようなものがあり、全体として紫色の甲殻類のような殻で覆われていた。これが元はペリドットだったと理解するのは余りにも難しかった。


『?????』が現れてしまった!


「化け物…!」
それでも特務隊のやるべきことは変わらない。目の前に現れたのが精霊でも魔法使いでも化け物でも、今は戦うしか道はなかった。即座にエクスは光子力放射を構えた。アイの治療によって少しは動力が戻ったことにより、エクスの王道具は再び戦える状態にまで回復していた。同時に班長達も攻撃と援護に移る。

だが、それよりも早く、目の前の化け物は空高く跳び上がった。
『ギギギギギギ!!!』
ボンッという音と共に紫の化け物は風船のように膨れ上がった。次の瞬間、化け物の六本の足が急激に伸びて特務隊に襲いかかってきた。
『ギュガギャギャギャアア!!』

一本の足が一人を狙い伸びてくる。足の数が足りなかったためかエクスだけには攻撃が来なかった。エクスはそれを好機と捉え、光子力放射の照準を上空の化け物に定めた。他の特務隊の班長達は全員が散開して、各自で伸びてきた化け物の足を交わす。誰もが油断せず、完璧にその攻撃を交わしていた。

だが。

化け物の足から大量の赤い液体が突如として吹き出した。赤い液体は辺り一帯にまんべんなく振り撒かれ、近くにいた特務隊の班長達がそれを交わすことなど不可能だった。

「うああああああ!!!」
「ぐああああああ!!!」

その赤い液体が触れた場所が即座に溶け出した。

「あああああああ!!!」
「きゃあああああ!!!」

肌が服と共に水に濡れた紙のように溶けて崩れた。

「うわあああああ!!!」
「あああああああ!!!」

この赤い液体のために班長達は一気に重傷に追い込まれた。その班長達に化け物の足が容赦なく突き刺さる。化け物の足は班長達を突き刺したまま一気に縮んだ。そして、その縮まる足の行き先には化け物の口が開いていた。

「止めろオオオオォォォォォォ!!!!!」

エクスの光子力放射が発動する。班長達が化け物の口に運ばれるよりも早く、光線が化け物の腹部に開いた口を貫通した。

『ゴベオオオ!!!』
化け物は腹部の口から大量の赤い液体を吹き出した。だが、同時に他の口が笑った。


バクンッ!


化け物は落下しながら、特務隊の班長達六人を喰らった。

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この記事へのコメント

2015年07月21日 23:33
ゴリーレッド「何だこれは?」
火剣「化け物だ」
コング「エクスの光子力放射は効くか」
火剣「大量の赤い液体?」
ゴリーレッド「まさか」
コング「媚薬か?」
ゴリーレッド「シャラップ」
火剣「溶け出す!」
コング「ストップ、ストップ、それはちょっと残忍過ぎるでしょうに」
ゴリーレッド「危険だ」
火剣「詰みか」
コング「刺したらダメ! 食べる? 食べるのなし、食べるのなし」
ゴリーレッド「まさか万事休すなのか!」
コング「万事休す。万事吸収! ドラゴンボールの」
ゴリーレッド「ドラゴンスクリュー!」
コング「だあああ!」
火剣「まさか何人かここでアウトか?」
2015年07月22日 22:06
ひええええ!!?
いったい何がどうなっているんだ・・・。食われた6人は、まさか・・・?

佐久間「美しい。」
山田「呑気なこと言ってる場合か!」
佐久間「いや、大変な事態なのは承知しているが、ペリドットあらため謎の物体が、あまりにも美しくて。」
山田「お前の前世と若干似てるかな。」
佐久間「そうだな、親近感を覚える。」
八武「佐久間が元はミクモウだったというのも、形状的には理解が難しい。」
維澄「目が11で、足が10だっけ?」
佐久間「どっちかっつーと、イーヴルに似てるかな。私の足はヒョロヒョロで、イーヴルは逞しい足が6つだった。」
山田「なるほど。」
神邪「佐久間さんや山田さんからすれば、この姿の方が見慣れたものですか。」
山田「うーん、美しいとは思わないが、グロテスクだとも思わない感じかな。だが、食べるのはNO!」
佐久間「食人タブーは、現代人に感化されたところだな。」
2015年07月22日 22:46
>火剣獣三郎さん
呑み込まれたペリドットの意識、そして爆煙の中から化け物登場。今まで、人間から離れ始めていたペリドットですが、ここに来て人型ですらない姿に変化しました。エクスの必殺の光子力放射が命中して効いてはいますが、それでも…。赤い液体はこの化け物特有の消化液。化物にとっては血の代わりの体液ですが。
そして、ついに目も当てられない残酷な光景が…。溶かされ、突き刺され、そして…。非常に残念極まりない結末ですが、ここで退場する方々がいます…。退場するのは…。
2015年07月22日 22:47
>アッキーさん
ついに人型ですらなくなったペリドット。その姿は化け物と呼ぶに相応しい姿となりました。食われた六人がどうなったのかというと…。
RPGなどで出てくるモンスター達は、姿が様々で中にはグロテスクな姿の者もいますが、ある種の完成された姿だと、いいデザインなんて思う時があります。ペリドットもついに変化するところまで変化し切ったかも。
そしてモンスターとなると全部が全部といかなくても、人を喰うものが少なくありません。『英雄招来』で出てきた『魔物』達もほとんどが人喰い種でしたから。この化け物も例に漏れず、特務隊の班長達を…!

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