混線世界で遊戯王 ~湖の運命をかけた詰めデュエル編~ その2

パルナちゃんが扉を開けると小さな空間があった。部屋というより、物置ぐらいが近いかもしれない。ある物と言えば目の前にデカデカとある機械だけである。
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「この機械どっかで見たような…。あ、ゲームセンターとかにあるやつだ。」

その巨大な機械は座るところと画面がある。丁度、車のハンドルを操作して一位を目指すレースゲームのようなやつである。ただし、付いているのはハンドルではなくデュエルフィールドであった。

「対戦型の小型デュエルリングってこと?ひょっとして通信対戦機能付きで、全世界のデュエリストと対戦出来るとか?よーし、パルナちゃんにかかってこーい!」

パルナちゃんはひらりと身を翻し、席に座った。そして、機械のスイッチを力強く押す。すると機械は唸り声を上げて起動した。

ザザーッ。

起動したはいいが画面は砂嵐で聞こえてくるのは雑音ばかり。パルナちゃんが首を傾げていると雑音の向こうから声がした。

『(ザザー)おや?(ガー)』

次の瞬間、ゴンッという鈍い音が聞こえたと思ったら、画面に女性のシルエットが映った。そして澄んだ声が聞こえてきた。

『あら?白龍じゃないのね。そうか、貴女はパルナね。』

「そーだよ。えっと、おねーさんは?」

『魔女WW(ダブル)。ダブルと呼んで。』

「うん、よろしく。ダブルー。」

『さて、パルナ。本題に入るぞ。この世界の破壊を食い止めろ。』
突然、WWの声が中年男性の声のように野太くなった。

「えっ?」

パルナちゃんが驚いている間にもWWの声色は次々と変化する。
『世界の境界を超えて出会ったってことで、そこに契約的性質が生まれちゃうんだよね。』
中年男性の声の次は幼い少年の声。更に次の瞬間には老婆の声に変わっていた。
『ゲームで言えば強制バトル展開、じゃ。』

『まあ、問題ないでしょう。勝てばいいのですから。勝てば、ね。』
『勝てば世界同士の衝突が回避されて破壊も免れる。全て万事解決さ。』
『勝てば官軍。勝って兜の緒を締めよ。』

次から次へと変わる声色と口調に気を取られて、パルナちゃんは肝心の内容が頭に入ってこなかった。

「え?え、え?」

『そうね。パルナはそっち方面の細かいことを考えるのは苦手みたいだし、早速ゲームを始めましょう。』
WWは最初の澄んだ声に戻って話を始めた。
『パルナ。今からマスタールール2で詰めデュエルの問題を一問出すわ。間違えられるのは二回まで。三回間違うとゲームオーバーよ。制限時間はないからじっくり考えてね。分からないところは質問してもいいわよ。答えられるものは答えるわ。』

「詰めデュエル…?」

『詰めデュエルは初めて?』

「うん…。ん…?あ!遊戯王5D’sでなんかあったぞ…。確かゲームセンターでアキとゆーせいが詰めデュエルを解いてた!」

『そうよ。知っているのなら話が早いわ。与えられた条件の下、一ターンで勝利するデュエル。それが詰めデュエルよ。では、問題。』


問題:このターン内で勝利せよ。

パルナちゃん LP100
手札5 墓地34
フィールド:モンスター0 魔法&罠1(伏せ) フィールドゾーン0
デッキ0 エクストラデッキ3 除外ゾーン0

魔女WW LP4000
手札0 墓地0
フィールド:モンスター1(裏側守備表示) 魔法&罠3(伏せ、伏せ、伏せ) フィールドゾーン0
デッキ36 エクストラデッキ0 除外ゾーン0



「よーし!やるぞー!まずは手札を確認してっと。ん、モンスターカードがこれ一枚だけか…。でも、可愛くて頼もしそうなカード。」


Kunaiさん、カードをお借りします!

「よーし!パルナは大鳥獣-ポッポゥを攻撃表示で召喚!」

大鳥獣-ポッポゥ
★2 風・鳥獣族 ATK1700/DEF2750
その名の通り、巨大な鳥だ!!守備力が反則並みに高いぞ。


ポッポゥ『ポッポーウ!』
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大鳥獣-ポッポゥが羽根を広げて勢いよくフィールドに舞い降りた。その威嚇する姿は威嚇する咆哮のイラストに使われていても違和感のないほどであったが、現在表示されているのはイメージ画像である。本物は各人で想像しておいて欲しい。

次の瞬間、WWは無機質な声を発して一枚の伏せカードを開けた。
『トラップカード、オープン。落とし穴、発動。』
その声は何か得体の知れない怖さを伴っていた。

落とし穴:通常罠
相手が攻撃力1000以上のモンスターの召喚・反転召喚に成功した時、そのモンスター1体を対象として発動できる。その攻撃力1000以上のモンスターを破壊する。

なんと大鳥獣-ポッポゥが舞い降りた地面が割れて巨大な穴が出現した!いかに大鳥獣-ポッポゥと言えども着地した瞬間を狙われてはひとたまりもない。というか、この詰めデュエルは王国ルールではないので飛行ユニットとかはここでは関係ない。

「ああ!」

大鳥獣-ポッポゥは破壊された。

「しまった…。でも、パルナは手札から死者蘇生を発動するよ!」

死者蘇生:通常魔法
自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。


すると、WWは再び無機質な声で二枚目の伏せカードを開けた。
『トラップカード、オープン。魔宮の賄賂、発動。』

魔宮の賄賂:カウンター罠
相手の魔法・罠カードの発動を無効にし破壊する。相手はデッキからカードを1枚ドローする。


「ああ!死者蘇生が無効に!」

『更に相手プレイヤーはデッキからカードを一枚ドローする。しかし、デッキ枚数は0である。ドローが出来ないので相手プレイヤーの負けである。』

魔女WWのシルエットがグニャリと歪んだ。よくよく見ればWWの顔はシルエットではなく、真っ黒なヘドロのようなもので出来ていた。黒いヘドロは血液が循環するかのようにゆっくりと蠢いていた。

『さあ、パルナ。後、二回もチャンスがあるわ。』

WWは最初の時の澄んだ声でコンテニューを促した。

「…あれ?ちょっと待って?パルナのデッキは0だから、魔宮の賄賂を使われたら必ず負ける…?しかも手札は…。え?じゃあ、どうやって勝てばいいの!?」

パルナちゃんの表情は一気に強ばった。





問題:このターン内で勝利せよ。(残り挑戦回数二回。)

パルナちゃん LP100
手札5(大鳥獣-ポッポゥ、死者蘇生、?、?、?) 墓地34
フィールド:モンスター0 魔法&罠1(?) フィールドゾーン0
デッキ0 エクストラデッキ3 除外ゾーン0

魔女WW LP4000
手札0 墓地0
フィールド:モンスター1(裏側守備表示) 魔法&罠3(落とし穴、魔宮の賄賂、?) フィールドゾーン0
デッキ36 エクストラデッキ0 除外ゾーン0






『大丈夫よ、パルナ。まだ一回、間違っただけ。制限時間はないからじっくり考えてね。ふふ、ふふ、ふふふふふふふふ…。』

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この記事へのコメント

2015年09月30日 00:33
まさかの魔女WWですが、未確定な部分を自由に出来るなら、墓地に大量のカードがあるおかげで楽勝ですね。
賄賂対策は《ゾンビキャリア》で、伏せは《神の宣告》、手札に《アンデットワールド》2枚を持っていれば墓地の《馬頭鬼》2体からヴァンドラ2体を出して直接攻撃・・・ポッポゥの出番が無いw
パルナちゃんらしさが欠片も無いですし、まず想定解ではないだろうな、と。
条件が絞られてから、また考えます!
2015年09月30日 23:46
>アッキーさん
早速の解答ありがとうございます。未確定の部分の多くは次で判明しますが、賄賂対策はピンポイントでゾンビキャリアです。正解!
そして、それ以外はアッキーさん自身が想定解ではないだろうという予想通りです。これではポッポゥの意味がないので…。パルナちゃんらしさ全開で詰めデュエルが出来るかは分かりませんが、次でグッと条件が絞られるので、よろしくお願いします。恐らく、アッキーさんなら5分以内に正解の道筋を見つけられるだろうと思います。

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