英雄再来 第二十話 オネの暇潰し1

新発見。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

ガリゴリガリゴリ。巨大な炎の蜥蜴達が瓦礫を噛み砕いて大地を更地に変えていく。そして、尻尾で地面を掘り返し柔らかくしていく。これら、炎の化け物達は炎精霊(アフレエテ)の一形態であり、召喚した魔法使いであるオネの命令に従い大地を耕していた。

「ん~。もう、十体、二十体は増やそうかなあ…。」
見た目年齢七歳前後の小さな女の子のオネは手を額に当てて遠くを見渡した。


「別にいらないと思う。」
そのオネに上空から声を掛けたのは、腕のないオネの妹のフォウルだった。フォウルは土神霊(グノメ)に乗って周囲の巨大防壁を壁伝いに修理している途中だった。
「今だけでも密集してるし…。」


炎精霊(アフレエテ)達は方向転換の際は少し窮屈そうだった。


「それもそうか…。変に増やして壁を壊してしまってもまずいな。ま、どこかを攻めるなら百体ぐらい追加して高みの見物というのも悪くないんだが。」

「オ姉ちゃんなら自分で戦いたがると思う。」

「かかかっ。」

「…まだ、戦い足りない?」
フォウルはオネの顔を覗き込んだ。


「…。いや?ツヲがいるからな。かかかっ。」
オネは一瞬、真顔になったがすぐに笑った。


「…じゃあ、わたしは壁の修理しとく。」

フォウルが壁際に戻って修復を続けようとした時だった。壁の向こうに妙な違和感を覚えた。
「?」
通常なら分からない。だが、壁に触れたフォウルは土の魔法使いとしての力が最大限発揮され、その違和感に気が付いた。壁の向こうに空洞がある。


「どうした?」
壁をまじまじと見て、手の代わりに額を当てて動かないフォウルの様子に気が付いてオネもやってきた。

「隠し部屋、があると思う。どこかに入り口が―――。」


次の瞬間だった。オネは壁を思いっきり殴り付けた。轟音と共に壁に穴が開き、ボロボロと外壁が崩れ、空洞が出てきた。

「入り口…。」

「ここが入り口だったようだな。かかかっ。」

呆れ顔のフォウルを他所にオネは楽しそうだった。

「さあて、蛇が出るか竜が出るか。罠の一つや二つぐらいあるに違いない。楽しみだな。」

オネは獲物を狩る獣のような目付きで笑った。

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この記事へのコメント

2016年01月07日 07:18
壁の中に隠し部屋!? 何かと「進撃の巨人」テイストな・・・ワクワクしてきます。何があるのでしょうか?

佐久間「カネ。」
八武「封印されし美少女。」
山田「真面目に考えろ。」
八武「考えたさ。」
佐久間「私も真面目だ。普通に考えて、隠すものと言えば財宝とかだろ?」
山田「なるほどな。しかしマチネの性質からして、それは考えにくいと思う。」
神邪「強敵系ですかね。」
維澄「オネが期待しているのは、それ系統だね。」
佐久間「一番ガッカリするのは、特に何も無い場合だ。」
山田「またツヲが瀕死になってしまうな。」
神邪「八つ当たりされるんですか!?」
2016年01月09日 10:55
>アッキーさん
どうやらマチネの人間がこっそり作っていた様子…?戦闘のための道具の格納庫か、はたまた非常時のシェルターか、それとも…。もし、個人が作ったものなら隠し財産とかかもしれませんね。封印されし美少女はこれ以上出てくるのか?オネ、フォウル、フィベ、ゼロ、そしてまだ名前だけのツレエ。当初の案ではツレエの出番がかなり多かったのですが…。ツヲさんのツッコミ役としての座をフォウルに取って代わられたか…。
さて、オネが期待している強敵はいるのか?一番がっかりするパターンだとツヲさんが火消しに追われること間違いなしですね。よし、ツヲさん、がんば。

ツヲ「!?何やら嫌な予感が…?」

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