英雄再来 第二十六話 魔女WW(ダブル)3
それで、ここは一体どこだろうか。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
『そうね、どれから話そうかしら。』
魔女WWの黒い体が蠢く。
『まず、貴方と戦っていたペリドットは死んだわ。貴方が気を失う直前、両手王道具『神すら操る人の糸(ゼウス・エクス・マチネ)』で開いた扉に吸い込まれて、あっちの世界…貴方達の言い方だとあの世、かしらね。そっちに行ったわ。』
それを聞いた瞬間、エクスは安堵した。ペリドットに殺されたマチネの住民達、その住民達を守る為に必死で抵抗したであろうマチネの兵士達や特務隊の班員達、そしてペリドットとの戦いの中で散っていった特務隊の班長達、その者達の仇を討てたことに安堵した。
仇を討っても死んだ者達は帰ってこない。だからこそ、殺された者達の想いを、無念を、全て引き継ぎ、達成せねばならない。全ての魔法使いを殺すことを。そして、特務隊隊長のソルディエルと交わした約束の達成。
―――――――――――――――
「炎の魔法使いはワタシが引き受ける。貴様はその怒りを壁の外の魔法使いにぶつけてこい。最悪の想定通りだ。」
―――――――――――――――
だが、その一方でもう一つの約束をまだ果たしていない。
―――――――――――――――
「隊長。向こうの魔法使いを殺したらすぐに戻ってきます。」
「ワタシもこっちの魔法使いを殺してすぐに向かう。」
―――――――――――――――
エクスは、すぐにでもマチネへ戻りたかった。まだ果たされていない約束を果たすべく、すぐにでも隊長ソルディエルの元へ馳せ参じたかった。
しかし。
「ところで、ここは一体…?」
マチネに戻るためには、この奇妙な場所と向き合わざるを得なかった。
見れば見るほど奇妙な場所だ。薄暗くて、天地が逆で、まるで御伽噺の中に出てくる地獄に似ている気がする場所。果たして、この場所から帰れるのか。それすらも不安になるような闇の中、エクスは魔女WWに問いかけた。
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『そうね、どれから話そうかしら。』
魔女WWの黒い体が蠢く。
『まず、貴方と戦っていたペリドットは死んだわ。貴方が気を失う直前、両手王道具『神すら操る人の糸(ゼウス・エクス・マチネ)』で開いた扉に吸い込まれて、あっちの世界…貴方達の言い方だとあの世、かしらね。そっちに行ったわ。』
それを聞いた瞬間、エクスは安堵した。ペリドットに殺されたマチネの住民達、その住民達を守る為に必死で抵抗したであろうマチネの兵士達や特務隊の班員達、そしてペリドットとの戦いの中で散っていった特務隊の班長達、その者達の仇を討てたことに安堵した。
仇を討っても死んだ者達は帰ってこない。だからこそ、殺された者達の想いを、無念を、全て引き継ぎ、達成せねばならない。全ての魔法使いを殺すことを。そして、特務隊隊長のソルディエルと交わした約束の達成。
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「炎の魔法使いはワタシが引き受ける。貴様はその怒りを壁の外の魔法使いにぶつけてこい。最悪の想定通りだ。」
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だが、その一方でもう一つの約束をまだ果たしていない。
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「隊長。向こうの魔法使いを殺したらすぐに戻ってきます。」
「ワタシもこっちの魔法使いを殺してすぐに向かう。」
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エクスは、すぐにでもマチネへ戻りたかった。まだ果たされていない約束を果たすべく、すぐにでも隊長ソルディエルの元へ馳せ参じたかった。
しかし。
「ところで、ここは一体…?」
マチネに戻るためには、この奇妙な場所と向き合わざるを得なかった。
見れば見るほど奇妙な場所だ。薄暗くて、天地が逆で、まるで御伽噺の中に出てくる地獄に似ている気がする場所。果たして、この場所から帰れるのか。それすらも不安になるような闇の中、エクスは魔女WWに問いかけた。
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