脱衣決闘 第二話2

「はーい、こちら世界デュエル大会一次予選B地区会場です。二日目の今日は前半と後半に分かれて二回のデュエルが行われます。今、前半の試合が終わりまして選手の皆さんが続々とお昼休憩に入っています。前半では注目の加藤選手が4000対0で勝利を収めました。後半のデュエルでは、いかなる活躍を見せてくれるのでしょうか?それではスタジオにお返しします。」

マイクを片手に解説する小波の周りには誰もいない。

「うええ・・・。会場、広過ぎですう・・・。」

結論から言おう。小波はデュエル会場で迷子になってしまったのだ。リポーターごっこで心細さを吹き飛ばそうと頑張ったが余計に悲しくなってしまうだけだった。


~関係者以外立ち入り禁止~


「ここ、どこどこどこどこですか~?けど、道は続いているし、いつかはどこかに出られますよね~。」

幾度目になるか分からない分かれ道の角を左に曲がりながら小波は自分に言い聞かせた。既に気分も顔も俯き加減ではあるが、進む以外に道はない。小波は来た道がどっちだったのかすら分からなくなっているからだ。その時、通路の先からソプラノの声が響いた。

「あらあら・・・。あなたは迷子の迷子の子猫ちゃん、かしら?」

「こ、子猫じゃないです!小波ですう!まあ、迷子ですけど・・・。って、アナタは加藤選手!」

右手に黒手袋を嵌め、左手に黒塗りのデュエルディスクを装備し、黒いドレスを身に纏い、黒い上着を肩で着る金髪の美女がそこにいた。立てばデュエリスト、座れば美人、歩く姿はスーパーモデル。紛れもなくキャロル・キャロライナ・クリスティーヌ加藤本人であった。

(まさかのチャンス・・・!)

小波は迷子だったことも忘れて、リポーターとしての営業スマイルで明るく加藤に話しかける。

「わたしは週刊デュエルジャーナルの小波です。インタビューのためのスピードデュエル、お願いしまーす。先攻後攻はコイントスで決めていいですか?」

小波はデュエルディスクを展開すると共にポケットから10円玉を取り出した。それを見て、加藤はフウッと溜息を吐いた。

「子猫ちゃん・・・。そんなイカサマしなくても好きな方を譲るわ。先攻後攻、どっちが好み?」

「もー、イカサマだなんて酷いですー。って、子猫じゃないです!小波ですう!」

そう言いながら小波は両面とも表の10円玉を、そっとポケットに仕舞った。

(うわあ、やっぱガチ勢かあ・・・。)

「でも、譲ってもらえるなら有り難く先攻をもらいますよ。」

「そう。それから子猫ちゃんは優しく脱がされるのと乱暴に脱がされるの、どっちがお好み?」

「へっ?そ、そりゃあ優しい方ですよ。ムードが大切なんです、ムードが。って!何を言わせるんですか!それに子猫じゃないです、小波です!」

「じゃあ始めましょうか。」

しれっとした態度で加藤は黒塗りのデュエルディスクを展開する。

「ボコボコにしてあげますう!」

小波は脹れっ面で叫んだ。

「「デュエル!!」」


リポーターの小波 LP4000
キャロル・キャロライナ・クリスティーヌ加藤 LP4000


小波の手札は以下の4枚だった。

速攻魔法
「?」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):?


効果モンスター
星4/闇属性/アンデット族/攻1100/守1050
(1):?
(2):?


チューナー・効果モンスター
星2/闇属性/アンデット族/攻 400/守 200
(1):?


通常罠
(1):?

「わたしの先攻ですう!モンスターセット!カードセット!ターンエンド、です!」



「私のターン、ドロー。」

加藤は鮮やかにカードを引くと、そのまま次の動作に移った。

「スナイプストーカーを召喚。」

スナイプストーカー
効果モンスター
星4/闇属性/悪魔族/攻1500/守 600
手札を1枚捨て、フィールド上のカード1枚を選択して発動できる。サイコロを1回振り、1・6以外が出た場合、選択したカードを破壊する。

スナイプストーカーがフィールドに現れた瞬間、待ってたと言わんばかりに小波は叫ぶ。

「トラップカード、オーップン!奈落の落とし穴!」

奈落の落とし穴
通常罠
(1):相手が攻撃力1500以上のモンスターを召喚・反転召喚・特殊召喚した時に発動できる。その攻撃力1500以上のモンスターを破壊し除外する。

スナイプストーカー(除外)

「ふうん・・・。カードを1枚伏せてターンエンドよ。」



「わたしのターン、ドローですう!」

小波はカードを引きつつ、加藤の伏せカードに目をやった。

(あの伏せカードは、おジャマトリオかな。加藤選手が昨日のデュエルで使った罠カードはおジャマトリオのみ。魔法カードも手札抹殺の1枚だけでデッキの多くは墓地発動のモンスターカード。おジャマトリオはこちらの空きが3つないと使えない。次のターンでこちらのモンスターを一掃し、間髪入れず発動して、そのまま連続貫通攻撃で勝つつもりかな。じゃあ、破壊しなきゃ。)

「ゾンビキャリア召喚!」

ゾンビキャリア
チューナー・効果モンスター
星2/闇属性/アンデット族/攻 400/守 200
(1):このカードが墓地に存在する場合、手札を1枚デッキの一番上に戻して発動できる。このカードを墓地から特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。

「セットしていたゴブリンゾンビを反転召喚!」

ゴブリンゾンビ
効果モンスター
星4/闇属性/アンデット族/攻1100/守1050
(1):このカードが相手に戦闘ダメージを与えた場合に発動する。相手のデッキの一番上のカードを墓地へ送る。
(2):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合に発動する。デッキから守備力1200以下のアンデット族モンスター1体を手札に加える。

「そして2体で瑚之龍(コーラル・ドラゴン)をシンクロ召喚!」

昨日、熊平との対戦で加藤が出したシンクロモンスターが小波のフィールドに現れる。

瑚之龍(コーラル・ドラゴン)
シンクロ・チューナー・効果モンスター
星6/水属性/ドラゴン族/攻2400/守 500
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):1ターンに1度、手札を1枚捨て、相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。
(2):S召喚したこのカードが墓地へ送られた場合に発動できる。自分はデッキから1枚ドローする。

「へえ・・・。」

瑚之龍(コーラル・ドラゴン)は加藤選手の専売特許じゃないんですよ。それからゴブリンゾンビがフィールドを離れたので効果発動!馬頭鬼で検索!」

小波が手札に加えたカード
馬頭鬼
効果モンスター
星4/地属性/アンデット族/攻1700/守 800
(1):自分メインフェイズに墓地のこのカードを除外し、自分の墓地のアンデット族モンスター1体を対象として発動できる。そのアンデット族モンスターを特殊召喚する。

瑚之龍(コーラル・ドラゴン)の効果発動!手札の馬頭鬼を捨てて加藤選手の伏せカードを破壊します!」

伏せカード:おジャマデュオ(破壊)

(えっ?おジャマデュオ?)

おジャマデュオ
通常罠
(1):相手フィールドに「おジャマトークン」(獣族・光・星2・攻0/守1000)2体を守備表示で特殊召喚する。このトークンはアドバンス召喚のためにはリリースできない。「おジャマトークン」が破壊された時にそのコントローラーは1体につき300ダメージを受ける。
(2):墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキからカード名が異なる「おジャマ」モンスター2体を特殊召喚する。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

(4枚目以降のおジャマトリオ、か。ゾンビキャリアを先に召喚しといてよかった~。・・・一回戦を見る限り、加藤選手のデッキはおジャマトリオのロックとスナイプストーカーの除去を中心にしている。特におジャマトリオでのロックは必須だけど、初手で1枚以上来る確率は約51%。仮におジャマデュオ3枚投入してロックカードを6枚にすれば、初手の確率は約79%。手札抹殺の存在や後攻になる可能性があることを考えれば安心出来る数値か。
・・・待てよ。加藤選手のデッキの必須カードはおジャマトリオ、スナイプストーカー、ケルベラル、ラクダウン。これらが3枚積みされている場合、デッキ内の詳細不明のカードは2枚だけ。もし、それが全ておジャマデュオだとする。すると昨日のデュエルは・・・。)

「・・・墓地の馬頭鬼の効果発動。自身を除外してゴブリンゾンビを特殊召喚。瑚之龍(コーラル・ドラゴン)と合わせて神樹の守護獣-牙王をシンクロ召喚!」

今度は、昨日の対戦で熊平が出した切り札のモンスターが小波のフィールドに現れる。

神樹の守護獣-牙王
シンクロ・効果モンスター
星10/地属性/獣族/攻3100/守1900
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードは、自分のメインフェイズ2以外では相手のカードの効果の対象にならない。

「!」

「ゴブリンゾンビの効果発動。ゾンマスで検索ぅ!加藤さん。ゾンマスですよ、ゾンマス。」

「はいはい、確認したわ。」

小波が手札に加えたカード
ゾンビ・マスター
効果モンスター
星4/闇属性/アンデット族/攻1800/守 0
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、手札のモンスター1体を墓地へ送る事で、自分または相手の墓地のレベル4以下のアンデット族モンスター1体を選択して特殊召喚する。この効果は1ターンに1度しか使用できない。

瑚之龍(コーラル・ドラゴン)の効果で1枚ドロー!それからカードを1枚伏せます!」

(これで準備完了。さて・・・。)


コホン、と咳払いを一つして小波は加藤を見つめる。

「加藤選手。わたし、昨日の加藤選手と熊平選手の試合、生では見れなかったんですけど録画のを見ました。で、今朝のニュースで、お二人の対戦のことを報道してたんですけどね。」


次のニュースです。昨日始まりました世界デュエル大会の一次予選で、女性デュエリストのキャロル・キャロライナ・クリスティーヌ加藤選手が一回戦を突破しました。対戦したのはダンディ岸本が一目を置いている新人、ブレイズ熊平選手です。熊平選手は切り札の神樹の守護獣-牙王を召喚しましたが、加藤選手は臆することなく立ち向かい、攻撃を上手く交わしてカオス・ソルジャー -開闢の使者-で反撃し、ライフポイント1900対0の余裕の勝利を飾りました。

「って報道してました。」

「そう。」

「思いましたよお、わたし。なんて嘘っぱちなんだろうって。」

ピクリ。加藤の片眉が反応した。

「あんな、いい加減なニュースを流すだなんて同じ報道関係者として恥ずかしいですよ。臆することなく?余裕の勝利?・・・とんでもない。加藤選手、アナタは牙王が出た時、とてつもない恐怖を感じていたはずです。何故なら、あの瞬間・・・加藤選手の負けが確定してたんですから。」


創造神からの出題5
以下の3つの選択肢から現状に不足しているものを選べ。
1.脱衣成分
2.ラブコメ成分
3.ギャグ成分

直感で構わないので画面に向かって「1」か「2」か「3」か、を叫んでみよう。
叫んだ君も叫ばなかった君も、今日から脱衣決闘だ!
(この出題の解答は読者の心の中にある。)



3ターン目、小波のバトルフェイズ前

リポーターの小波 LP4000
手札:3枚(ゾンビ・マスター、?(魔法カード?)、?(詳細不明))
モンスター:神樹の守護獣-牙王(攻3100)
魔法&罠:伏せカード×1(魔法カード?)

キャロル・キャロライナ・クリスティーヌ加藤 LP4000
手札:3枚
モンスター:なし
魔法&罠:なし

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