脱衣決闘 第二話5

小波が引いたカード
ゾンビ・マスター
効果モンスター
星4/闇属性/アンデット族/攻1800/守 0
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、手札のモンスター1体を墓地へ送る事で、自分または相手の墓地のレベル4以下のアンデット族モンスター1体を選択して特殊召喚する。この効果は1ターンに1度しか使用できない。

7ターン目、小波のメインフェイズ1
リポーターの小波 LP3800
手札:3枚(ゾンビ・マスター、ゾンビキャリア、?(魔法カード))
モンスター:なし
魔法&罠:なし

キャロル・キャロライナ・クリスティーヌ加藤 LP900
手札:1枚
モンスター:神龍トークン(攻3300)、カオス・ソルジャー -開闢の使者-(攻3000)
魔法&罠:伏せカード×1

「ベエルゼウス・・・。今、解放してあげるね・・・。手札より魔法カード、大欲な壺を発動しますぅ。」

大欲な壺
速攻魔法
「大欲な壺」は1ターンに1枚しか発動できない。
(1):除外されている自分及び相手のモンスターの中から合計3体を対象として発動できる。そのモンスター3体を持ち主のデッキに加えてシャッフルする。その後、自分はデッキから1枚ドローする。

「!」

「流石の加藤さんもこれが入っていることには気が付かなかったでしょ?でしょでしょ?だってだってえ、最初のターンからすっとわたしが大切に持ってましたからぁ。ざんねえん。」

小波の除外ゾーンにある馬頭鬼、ゾンビキャリアはデッキに、そして、魔王超龍 ベエルゼウスがエクストラデッキに戻っていく。

「そして、1枚ドロォ。」

引いたカードを見ながら小波は不気味に笑う。

「あっはははははは、ははっははっ!さあ始めるわよ!まずは墓地の馬頭鬼を除外して、ゴブリンゾンビを蘇生!」

馬頭鬼
効果モンスター
星4/地属性/アンデット族/攻1700/守 800
(1):自分メインフェイズに墓地のこのカードを除外し、自分の墓地のアンデット族モンスター1体を対象として発動できる。そのアンデット族モンスターを特殊召喚する。

馬頭鬼(除外)

「なら私は、おジャマデュオを発動するわ。」

おジャマデュオ
通常罠
(1):相手フィールドに「おジャマトークン」(獣族・光・星2・攻0/守1000)2体を守備表示で特殊召喚する。このトークンはアドバンス召喚のためにはリリースできない。「おジャマトークン」が破壊された時にそのコントローラーは1体につき300ダメージを受ける。
(2):墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキからカード名が異なる「おジャマ」モンスター2体を特殊召喚する。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

加藤の美しい声と共に伏せカードが開かれ、小波のゴブリンゾンビの左右におジャマトークンが出現する。

『イヤッハー』
『おジャマするわねん』

「まあそう来ますよね。そうですよねえ。でぇーもぉー。魔法カード、ブラック・ホール発動!ひゃっははー!」

ブラック・ホール
通常魔法
(1):フィールドのモンスターを全て破壊する。

フィールドの中央に黒い穴が出現し、モンスター達を敵味方の区別なく飲み込んだ。

『出てきてすぐにー』
『消されちゃうー』

おジャマトークン×2(破壊)
ゴブリンゾンビ(破壊)
神龍トークン(破壊)
カオス・ソルジャー -開闢の使者-(破壊)

「ふふ、派手にやるじゃない。でも、おジャマトークンが破壊されたことで1体につき300のダメージを受けてもらうわ。」

リポーターの小波 LP3800→3500→3200

「こんなの、ぜんっぜん痛くないよぉ・・・。ゴブリンゾンビの効果、はつどぉー。馬頭鬼で検索ぅ!」

小波の手札に馬頭鬼が加わった。

「さあ、加藤さん・・・。ゾンマスの時間ですよぉ!?」

空っぽになったフィールドにゾンビ・マスターが降り立つ。

ゾンビ・マスター
効果モンスター
星4/闇属性/アンデット族/攻1800/守 0
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、手札のモンスター1体を墓地へ送る事で、自分または相手の墓地のレベル4以下のアンデット族モンスター1体を選択して特殊召喚する。この効果は1ターンに1度しか使用できない。

「ゾンビ・マスターの効果発動!手札の馬頭鬼を捨てて墓地のゾンビ・マスターを蘇生!そして、復活したゾンビ・マスターの効果で手札のゾンビキャリアを捨ててゾンビキャリアを蘇生させます!」

ゾンビ・マスターの恐ろしいところの一つは墓地にアンデット族がいるなら、コストで墓地へ送ったレベル4以下のアンデット族モンスターをそのまま蘇生させることが出来る点だ。

「さあ!さあさあ!刮目せよ!わたしとプロデューサーさんの永遠不滅の愛の結晶を!シーンークーローしょーかん!!地を這いし億万の蛆虫よ!その身をやつし天を埋めよ!!全ての世界は我らの掌中にあり!!再び君臨せよ!!魔王超龍 ベエルゼウス!!!」

闇の波動を引っさげて再び魔龍が姿を現す。

魔王超龍 ベエルゼウス
シンクロ・効果モンスター
星10/闇属性/ドラゴン族/攻4000/守4000
闇属性チューナー+チューナー以外のモンスター2体以上
(1):このカードは戦闘・効果では破壊されない。
(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、このカード以外の自分のモンスターは攻撃できない。
(3):1ターンに1度、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの攻撃力を0にし、その元々の攻撃力分だけ自分はLPを回復する。また、このターンこのカードの戦闘によって発生する相手プレイヤーへの戦闘ダメージは半分になる。

「くたばれえ・・・!魔王超龍 ベエルゼウスでプレイヤーにダイレクトアタック!蠅王殲滅覇軍(ベエルゼウス・ジェノサイダー)!!」

「残念ね。」

加藤には手札が1枚だけ残っている。

「・・・あっ!」

「手札からバトルフェーダーの効果発動。」

バトルフェーダー
効果モンスター
星1/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0
(1):相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。このカードを手札から特殊召喚し、その後バトルフェイズを終了する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。

「あなたのバトルフェイズはここで終了よ。」

その光景に、小波は見覚えがあった。昨日の熊平と加藤のデュエルの最終局面と同じ構図だった。

「・・・。・・・・・・。・・・・・・・・・クッ。・・・ターンエンド。」



「私のターン、ドロー。」

加藤は微笑んだ。

「ありがとう、子猫ちゃん。おかげで昨日のデュエルの続きが出来たわ。」

「へ・・・?」

「バトルフェーダーを攻撃表示に変更。」

「ひょっ?」

小波は思わず素っ頓狂な声を出してしまった。

バトルフェーダー 攻0

「攻撃力0のモンスターを攻撃表示・・・?」

「無謀でしょ。普通ならね。でも、このカードと組み合わせればそうでもないのよ。魔法カード、強制転移発動。」

強制転移
通常魔法
お互いはそれぞれ自分フィールド上のモンスター1体を選び、そのモンスターのコントロールを入れ替える。そのモンスターはこのターン表示形式を変更できない。

「あ!あ!あ!あ!あ!!!」

加藤のフィールドには攻撃表示のバトルフェーダーが1体だけ。小波のフィールドには攻撃表示の魔王超龍 ベエルゼウスが1体だけ。選択肢など、ない。

「やめてぇ・・・!取らないでぇ・・・!プロデューサーさんのカードぉ・・・!」

小波がどんなに泣きじゃくろうとも強制転移の効果は止められない。魔王超龍 ベエルゼウスは加藤のフィールドへと移っていく。

「バトル。ベエルゼウスでバトルフェーダーを攻撃。」

バトルフェーダー(破壊)→(除外)

リポーターの小波 LP3200→0

魔王超龍 ベエルゼウスの一撃で勝負は決した。



「うええええええええ・・・。取らないでぇ・・・。わたしのプロデューサーさんを取らないでえええ・・・!」

小波は泣きながら服を脱ぎ始めた。

「プロデューサーさんはいつもいっつも加藤選手のことばっかり話すの・・・。いついつの時の加藤選手のデュエルがどうだったとか、どこどこの大会で優勝した時はこうだったとか・・・。」

リポーターとしてフォーマルであっても堅苦し過ぎず、カジュアルであっても砕け過ぎないように考えたコーデ。それらを泣きながら一枚ずつ脱いでいく。

「何でアナタなんですかぉ・・・。何でわたしじゃないんですかぁ・・・。プロデューサーさんのばかぁ・・・。」

耳に付けた金色のイヤリングは、ちょっぴり見え隠れすることで大人っぽさを演出。薄いピンク色の半袖は、桜の花をイメージ。その下には水玉模様のキャミソール。子どもっぽいと言われても小波のお気に入りの一枚だ。スカートは白を背景に、サクランボの柄が散りばめられて上下合わせて春の訪れを思わせる。
それらがどんどん小波から離れ、冷たい床へと追いやられていく。気が付けば小波は小並みな胸をあらわにせざるを得ない状況になっていた。オパーイは大きくとも小さくともそれ自体が尊いものだとは思わんかね?最後の言葉はちっぱいちっぱい。―――――おや、こんな夜更けに誰か来(略


その時、曲がり角の向こうから足音が聞こえてきた。

(えっ・・・!?)

「ようやく交代かー。」
「昼飯しっか食って次に備えよーぜ。」

どうやら大会運営のスタッフが休憩のためにこっちに来ているようだ。

(嘘っ・・・嘘嘘!どうしよう!?今、わたし脱いでる途中なんだよ!?こんなところ、男の人に見られるなんて絶対に嫌!速攻脱いで速攻着るしかない!)

そう思って小波は大慌てで最後の一枚(パンツ!パンツです!)を脱ごうとする。しかし、慌てた為にバランスを崩してこけてしまった。ドスン、と尻餅の音が廊下に響く。

「ん?」
「誰かいるのか?」

その音でスタッフ達がこちらに近付いてくる。

(もう駄目!お嫁に行けない!)

小波は目を瞑った。

本当に世話の焼ける子猫ちゃんね。

瞬間、加藤は自分の上着を小波に被せて、サッと角を曲がった。



「あら、ちょうど良い所に人が来てくれたわ。」

曲がり角の先から黒いドレスに身を包んだ、金髪美女のデュエリストが現れた。二人の男性スタッフは驚き、戸惑う。

「ええ!?」
「あ、あなたは加藤選手!?」

「あら、私のことを知っているの?」

「もも、もちろんですとも!オレ達ファンですから!」
「でも、どうしてこんなところに?」

「恥ずかしい話なんだけど、しつこい報道記者から逃げてたら道に迷ってしまったのよ。デュエル会場まで案内してくれると嬉しいなあ・・・。」

少し困った顔で微笑む加藤。二人は心の中で思った。全力で応えねば、と。

「もも、もちろんご案内します!」
「会場はこっちですよ!」

「うふ・・・二人とも親切なのね。」

その後、談笑しながら加藤はスタッフ二人の案内でデュエル会場に向かった。二人は多少緊張していたが何だかんだで会話は弾み、気が付けばデュエル会場の入り口まで戻ってきていた。その時、アナウンスが響いた。

『これより一次予選二日目の後半の部を開始します。デュエリストの皆さんは―――――。』

「あら、ちょうどいい時間ね。二人とも、ありがとう。」

加藤は二人の手を交互に握った。

「い、いえ!こちらこそ!」
「参加者のサポートは我々の仕事ですから!」

微笑みながらデュエル会場へと向かう加藤の背中をスタッフ二人は名残惜しそうに見つめていた。

「・・・やべえ、オレ、今日、もう、手、洗えねえ。」
「ああ、オレも。っていうか、すげえタコだったよな。右手のデュエルダコ。」
「やっぱプロは違うよなあ。」

用語解説:デュエルダコ
デュエリストがドローを行う際、カードとの摩擦によって出来るタコ。人差し指、中指、親指の腹に出来やすい。



この日、後半の試合でも加藤は4000対0で勝利を収めた。

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