脱衣決闘 第一話1
これは、ある一点に関することを除けば、ごく普通の世界の話である。
『創造神は、かく語りき』より抜粋
『時間になりました。これより世界デュエル大会一次予選を始めます。1番から40番の番号札をお持ちのデュエリストの方はデュエル会場にお越し下さい。繰り返します・・・』
事務的なアナウンスが流れ、40人のデュエリスト達が決戦の舞台へと歩き出した。
ここは世界デュエル大会一次予選のB地区会場。初日の今日は一会場につき2000人以上もいる参加者の半分が敗退する。
世界大会の参加資格は『デュエリストである』ということのみ。我こそはと思う猛者が集まる一方、記念の意味合いを込めて軽い気持ちで参加する者まで幅広くいる。そのような玉石混合の一次予選は、世界大会とはいえ注目度は低い。
しかし、今回の一次予選には初日から多くの観客が詰め掛けていた。前年度の世界大会準優勝者であるダンディ岸本が一目を置いている新人が、世界大会に初参加するという情報が流れていたからだ。
その男の名は、ブレイズ
用語解説:ブレイズ熊平
ダンディ岸本に憧れて最近デュエリストとなった若者。岸本への弟子入りを賭けてデュエルを挑むものの敗北。しかし、岸本が去り際に呟いた「世界大会で待っているぞ。」という言葉を受けて、今年の世界大会への参加を決意した。
ダンディ岸本に憧れて最近デュエリストとなった若者。岸本への弟子入りを賭けてデュエルを挑むものの敗北。しかし、岸本が去り際に呟いた「世界大会で待っているぞ。」という言葉を受けて、今年の世界大会への参加を決意した。
観客の多くは興味本位の者達だ。報道関係者も来ていて、新聞や雑誌の記者が会場の色んな場所で目を光らせている。未来のライバルの実力を見ておこう、と来ているデュエリスト達もいた。そんな中、熊平が姿を見せた。会場の空気が変わる。頭に鉢巻、Tシャツと短パンの軽装備。小柄ながら絞り込まれた肉体はボクシングの世界チャンピオンを髣髴とさせるオーラを放っていた。14番の整理券を握り締め、彼は所定の位置に着いて対戦相手を待った。少しして、対戦相手が現れた。
その対戦者が現れた瞬間、会場がざわめいた。それは熊平が現れた時の比ではなかった。熊平は最初、会場が何故ここまでザワついているのか分からなかった。少なくとも自分の登場への反応は先ほど終わっている。何故だ、と思う熊平の心に対する解答はすぐに行われた。熊平の目の前にデュエルディスクを携えた、美しい女性が現れたのだ。
「初めまして。ふふ・・・。」
右手には黒い手袋を嵌め、左手には黒塗りのデュエルディスクを装備し、全身を黒いドレスで覆っている。服装の全てが高貴なイメージの黒で統一されていて、それが長く美しい金髪をより目立たせていた。身長は170前後といったところか。その立ち姿はファッションショーのスーパーモデルを髣髴させる。しなやかな足運びで揺れる豊満な胸。思わず見とれてしまう微笑みは、どこか妖艶な雰囲気を醸し出す。目の前の女性は、美女という言葉に相応しい美貌をも兼ね備えていた。
熊平は面食らっていた。よもや公式大会の場に女性のデュエリストが出てくるとは思っていなかったのだ。
この世界はデュエルを使った犯罪は日常茶飯事だし、警察はデュエルで犯罪者を拘束するし、超能力を使うデュエリストもいるし、デュエルの勝敗で人の命が失われることもあるし、デュエルで世界の運命が左右されることもある、そんな全然普通の世界だ。
だが、この世界は他と明確に違う部分がある。デュエルで負けた場合、服を脱がなければならない。
絶対に、である。
観客の多くは、この妖艶なる女性デュエリストの登場で興奮していた。しかも、その対戦相手がブレイズ熊平となれば尚更である。歓声とも野次とも取れる声援が響く。一次予選の初日は一番対戦数が多いので20組同時にデュエルが始まる。しかし、観客や報道陣の注目は熊平と対戦相手の女性にのみ注がれていた。
(綺麗な人だ・・・。)
熊平は呆けていた。が、すぐに我に返った。
「ッス!熊平ッス!本日はよろしくお願いしまッス!」
整理券をポケットにしまうと熊平は少し緊張しながらも握手を求めた。
熱血かつ爽やか、二つの相反するカッコよさを兼ね備えるダンディ岸本は常に対戦相手への礼儀を怠らない。熊平もまたスポーツマンシップに則り、正々堂々勝負する意志を表明していた。そこに相手の裸が見たいからデュエルを頑張ろう、という気持ちがなかったかどうかは定かではない。しかし、少なくとも熊平の中では、熱く良いデュエルをしようという気持ちの方が明らかに勝っていた。
「加藤よ。よろしく・・・。」
微笑を浮かべて、黒い手袋のまま相手の女性は握手に応じた。
(・・・!)
後に熊平は、握手をした時に相手が何者かを悟った、と語ったという。
『時間です。デュエルを開始してください。』
アナウンスと共にデュエリスト達が一斉にデュエルディスクを展開する。加藤は笑みを浮かべて、熊平は真剣な表情でデュエルディスクを展開する。
「「デュエル!!」」
絶対に負けられない、戦いが始まる。
一次予選ルール【変則スピード脱衣デュエル】
~ルールを守って、しっかり脱衣~
●服装に関すること
1.デュエル開始時に着用している衣類は4つまでとする。
2.1000ライフ分減る度に衣類を1つ脱がなければならない。
3.1000ライフ分得る度に衣類を1つ着てもよい。
●デュエルに関すること
1.初期ライフは4000ポイントとする。
2.デッキは20枚とする。
3.エクストラデッキは5枚までとする。
4.初期手札は4枚とする。
5.モンスターゾーンは3つとする。
6.魔法・罠ゾーンは3つとする。
7.ペンデュラムゾーンは魔法・罠ゾーンとは別に左右1つずつ存在する。
8.フィールドゾーンは、魔法・罠ゾーンとは別に1つ存在する。また、相手フィールドにフィールドカードがあるときに自分がフィールドカードを発動した場合、何も起こらない。(フィールドカードはお互いのフィールドゾーンに1枚ずつ存在出来る。)
9.先攻後攻はコンピュータで決定する。
10.先攻1ターン目のプレイヤーは、そのターンのドローフェイズでドロー出来できないものとする。
11.メインフェイズ2はないものとする。
●デュエルの勝敗に関すること
1.着用している衣類がないプレイヤーは敗北する。
2.ライフポイントが0になったプレイヤーは敗北する。
3.デッキが0枚で、カードをドローしなければならない時にドローが出来ないプレイヤーが出た場合、残りライフポイントが少ない方のプレイヤーが敗北する。ライフポイントが同じ場合、再度デュエルを行う。
4.特殊勝利は禁止とする。
5.互いのプレイヤーが同時に異なる敗北条件を満たした場合、1.の条件を満たしたプレイヤーがいればそのプレイヤーの敗北とする。
6.互いのプレイヤーが同時に同じ敗北条件を満たした場合、再度デュエルを行う。
●その他に関すること
1.審判のジャッジには従うものとする。
2.デッキ、エクストラデッキは、一次予選終了まで変更出来ないものとする。
3.禁止カード、制限カードに関しては今年度の世界決闘法に準じるものとする。
4.服装、デュエルに関することで、ここに書かれていないことは世界決闘法に準じるものとする。
~ルールを守って、しっかり脱衣~
●服装に関すること
1.デュエル開始時に着用している衣類は4つまでとする。
2.1000ライフ分減る度に衣類を1つ脱がなければならない。
3.1000ライフ分得る度に衣類を1つ着てもよい。
●デュエルに関すること
1.初期ライフは4000ポイントとする。
2.デッキは20枚とする。
3.エクストラデッキは5枚までとする。
4.初期手札は4枚とする。
5.モンスターゾーンは3つとする。
6.魔法・罠ゾーンは3つとする。
7.ペンデュラムゾーンは魔法・罠ゾーンとは別に左右1つずつ存在する。
8.フィールドゾーンは、魔法・罠ゾーンとは別に1つ存在する。また、相手フィールドにフィールドカードがあるときに自分がフィールドカードを発動した場合、何も起こらない。(フィールドカードはお互いのフィールドゾーンに1枚ずつ存在出来る。)
9.先攻後攻はコンピュータで決定する。
10.先攻1ターン目のプレイヤーは、そのターンのドローフェイズでドロー出来できないものとする。
11.メインフェイズ2はないものとする。
●デュエルの勝敗に関すること
1.着用している衣類がないプレイヤーは敗北する。
2.ライフポイントが0になったプレイヤーは敗北する。
3.デッキが0枚で、カードをドローしなければならない時にドローが出来ないプレイヤーが出た場合、残りライフポイントが少ない方のプレイヤーが敗北する。ライフポイントが同じ場合、再度デュエルを行う。
4.特殊勝利は禁止とする。
5.互いのプレイヤーが同時に異なる敗北条件を満たした場合、1.の条件を満たしたプレイヤーがいればそのプレイヤーの敗北とする。
6.互いのプレイヤーが同時に同じ敗北条件を満たした場合、再度デュエルを行う。
●その他に関すること
1.審判のジャッジには従うものとする。
2.デッキ、エクストラデッキは、一次予選終了まで変更出来ないものとする。
3.禁止カード、制限カードに関しては今年度の世界決闘法に準じるものとする。
4.服装、デュエルに関することで、ここに書かれていないことは世界決闘法に準じるものとする。
キャロル・キャロライナ・クリスティーヌ加藤 LP4000
ブレイズ熊平 LP4000
お互いが初期手札4枚を引いたところでデュエルディスクに先攻後攻が表示された。
●デュエルに関すること
9.先攻後攻はコンピュータで決定する。
9.先攻後攻はコンピュータで決定する。
先攻は加藤だった。
「ふふ、お先に。」
加藤は4枚の手札から瞬時に1枚を取り出した。
「カードを1枚伏せてターンエンドよ。」
(速い・・・。迷いのない、力強いプレイングだ・・・。)
熊平は唾を飲み込んだ。
(しかし、出せるモンスターがいなかったのか・・・?とにかく、あの伏せカードを除去すれば一気に畳み掛けられる。目指すは後攻ワンターンキルだ!)
「オレのターン・・・!」
熊平の手札は以下の4枚だった。
真炎の爆発
通常魔法
自分の墓地から守備力200の炎属性モンスターを可能な限り特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはこのターンのエンドフェイズ時にゲームから除外される。
通常魔法
自分の墓地から守備力200の炎属性モンスターを可能な限り特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはこのターンのエンドフェイズ時にゲームから除外される。
ラヴァル・キャノン
効果モンスター
星4/炎属性/戦士族/攻1600/守 900
このカードが召喚・反転召喚に成功した時、ゲームから除外されている自分の「ラヴァル」と名のついたモンスター1体を選択して特殊召喚できる。
効果モンスター
星4/炎属性/戦士族/攻1600/守 900
このカードが召喚・反転召喚に成功した時、ゲームから除外されている自分の「ラヴァル」と名のついたモンスター1体を選択して特殊召喚できる。
ラヴァル・ランスロッド
効果モンスター
星6/炎属性/戦士族/攻2100/守 200
このカードはリリースなしで召喚できる。この方法で召喚したこのカードは、エンドフェイズ時に墓地へ送られる。
フィールド上のこのカードが破壊され墓地へ送られた時、ゲームから除外されている自分の炎属性モンスター1体を選択して手札に加える事ができる。
効果モンスター
星6/炎属性/戦士族/攻2100/守 200
このカードはリリースなしで召喚できる。この方法で召喚したこのカードは、エンドフェイズ時に墓地へ送られる。
フィールド上のこのカードが破壊され墓地へ送られた時、ゲームから除外されている自分の炎属性モンスター1体を選択して手札に加える事ができる。
業炎のバリア -ファイヤー・フォース-
通常罠
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊し、自分はこの効果で破壊したモンスターの元々の攻撃力を合計した数値の半分のダメージを受ける。その後、自分が受けたダメージと同じ数値分のダメージを相手に与える。
通常罠
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊し、自分はこの効果で破壊したモンスターの元々の攻撃力を合計した数値の半分のダメージを受ける。その後、自分が受けたダメージと同じ数値分のダメージを相手に与える。
(バランスのいい手札だ。後はあのカードが来てくれれば文句なし・・・。)
「ドロー!」
熊平が引いたカード
炎熱伝導場
通常魔法
デッキから「ラヴァル」と名のついたモンスター2体を墓地へ送る。
通常魔法
デッキから「ラヴァル」と名のついたモンスター2体を墓地へ送る。
(・・・!)
創造神からの出題1
このターンで熊平が勝利する(加藤を脱衣させる)ことは可能か。
直感で構わないので画面に向かって「はい」か「いいえ」か、を叫んでみよう。
叫んだ君も叫ばなかった君も、今日から脱衣決闘だ!
(この出題はお遊び程度のものとする。)
このターンで熊平が勝利する(加藤を脱衣させる)ことは可能か。
直感で構わないので画面に向かって「はい」か「いいえ」か、を叫んでみよう。
叫んだ君も叫ばなかった君も、今日から脱衣決闘だ!
(この出題はお遊び程度のものとする。)
2ターン目(熊平のメインフェイズ1)
キャロル・キャロライナ・クリスティーヌ加藤 LP4000
手札:3枚
モンスター:なし
魔法&罠:伏せカード×1
ブレイズ熊平 LP4000
手札:5枚(真炎の爆発、ラヴァル・キャノン、ラヴァル・ランスロッド、業炎のバリア -ファイヤー・フォース-、炎熱伝導場)
モンスター:なし
魔法&罠:なし
キャロル・キャロライナ・クリスティーヌ加藤 LP4000
手札:3枚
モンスター:なし
魔法&罠:伏せカード×1
ブレイズ熊平 LP4000
手札:5枚(真炎の爆発、ラヴァル・キャノン、ラヴァル・ランスロッド、業炎のバリア -ファイヤー・フォース-、炎熱伝導場)
モンスター:なし
魔法&罠:なし
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