テーマ:小説(ダークサイド)

『暴食』 後書き

この作品は、取り合えず頭の中に湧き出てきたので書いたのですが、どうも発表の機会やらタイミングやら中身の精査やらをしている内にお蔵入りになっていたものです。 書いた日付けを確認したら2017年8月17日から書き始めて、27日に完成したようです。今から2年以上前に書いていたとは・・・。時が経つのは早いですなあ・・・。 せっかく書いた…
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『暴食』

『暴食』は罪である。 ただの罪ではない。 大きな罪、大罪だ。 どうしてだろう? それでは語ろう、ある世界のお話を。 その世界は人間達の住む地上、神や天使達の住む天国、悪魔や堕天使達が住む魔界の三つに分かれていた。悪魔達はいつも人間を騙そうとしたり食べようしたりするが、天使達がそれを阻む。悪魔達が人間の世…
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英雄再来 第二十六話 魔女WW(ダブル)3

それで、ここは一体どこだろうか。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 『そうね、どれから話そうかしら。』 魔女WWの黒い体が蠢く。 『まず、貴方と戦っていたペリドットは死んだわ。貴方が気を失う直前、両手王道具『神すら操る人の糸(ゼウス・エクス・マチネ)』で開いた扉に吸い込まれて、あっちの世界…貴方達の言い方だとあの世、かしらね。そっちに…
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英雄再来 第二十六話 魔女WW(ダブル)2

敵なのか、味方なのか、それが問題だ。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 全身は真っ黒。輪郭だけは白。目の前の奇怪な存在、魔女WW。今のエクスにとって一番重要なのは、魔女を名乗る奇妙な生命体が自分の敵なのか、それとも味方なのか、ということだ。 判断しなければならない。それがエクスの生死を分ける。 相手が敵か味方か即座に判…
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英雄再来 第二十六話 魔女WW(ダブル)1

いらっしゃい。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 時間を少し遡る。それはマチネ特務隊のエクス達と化け物との死闘の後の話。 辺りに歯車の回る音が響く。鉄の鎖を巻き上げる音がどこからか聞こえる。金属が擦れ、ぶつかり合う音が聞こえる。蒸気の吹き出す音が鳴る。 小さい頃からずっと聞いていた音達だ。マチネは国土全体が工業地帯。常…
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英雄再来 第二十五話 ツヲの覚醒3

さあ、迎えに行こう。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 「ただいま。」 マチネの巨大防壁の頂上に戻ってきたツヲは目を開けてオネ、フォウル、アール、飛鳥花の顔を見た。 (久々に皆の顔を見たなあ。飛鳥花ちゃんの顔は初めて。) 「愚弟、目が戻ったのか!…かかかっ、ようやく先に進めるようになったか。」 「おめでとう、ツヲ兄…
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英雄再来 第二十五話 ツヲの覚醒2

そして得たもの。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ マチネの巨大防壁から飛び降りたツヲは地面に華麗に着地して、槍持つ女性の前に現れた。 「この魔力…。やっぱりアクアちゃんなのかい?」 ツヲの言葉に対し、女性は腐臭と共に声を発した。 『死ねえ…!マチネの鬼畜共…!民を皆殺しにした鬼畜共…!!皆殺し…!皆殺しだ…!!』 …
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英雄再来 第二十五話 ツヲの覚醒1

再会は突然に。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 現在。 「ツヲ兄ちゃんが中々帰ってこなかったから、オ姉ちゃんが迎えに行って…。そしたら、ツヲ兄ちゃんの目がなくなってて…。」 フォウルの呟きでツヲは記憶の海の底から浮かび上がってきた。 「…ああ、そうだったね。」 「結局、オ姉ちゃんは自業自得って言うだけで、ツヲ兄ち…
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英雄再来 第二十四話 ツヲ放浪記11

マドロミの中で。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 雨が降る。雨が降る。いつまでもいつまでも雨が降る。雨音が周りのことを教えてくれる。滴る雨水が周りのことを教えてくれる。音と水を感知すれば、何がどこにあるのか手に取るように分かる。目がなくても、目で見るよりもたくさんのことが分かる。 僕が仰向けに倒れている場所からどういう形で地面が広がっ…
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英雄再来 第二十四話 ツヲ放浪記10

このまま渇いてしまおう。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 水精霊(アクアリウス)達を吹き飛ばした後、オ姉さんは大きく息を吐いた。 「…何があったのか詳しくは分からんが状況だけ見れば大体の察しは付く…。守れなかったんだな?」 オ姉さんの言葉に対し、僕は静かに頷いた。 「…。…帰るぞ愚弟。話は道中で聞いてやる。お前が喋りた…
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英雄再来 第二十四話 ツヲ放浪記9

シアワセの朝。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 『ツヲ…。ツヲ…。』 聞いた覚えのある声がする。 『ツヲ、ツヲ…。』 誰の声だったか。 『ツーヲ!起きるけんね。いつまで寝てるんよ。』 「んん…。ルアル…?」 真っ暗な中、ツヲは感覚を頼りに体を起こした。 『もう朝だべ。いつまでも寝てるのは健康に悪…
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英雄再来 第二十四話 ツヲ放浪記8

この世界は、理不尽だ。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ツヲは気が付くと人間の姿で海の上に浮かんでいた。 (…あれ?) 空を見れば太陽は随分と高く昇っており、海に入り始めた時から随分と時間が経っているのが分かった。ツヲが起き上がると、そこは足が海の底に付くぐらいの浅さだった。 (僕は大海原へ向かったはず…。夢だった…?…
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英雄再来 第二十四話 ツヲ放浪記7

ここは魔女の(ザー)よ。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 『初め(ザー)てだね、ワー(ザー)ヲ・チュル(ピー)。私は(ガガッ)の魔女WW(ダブル)。わざ(ガガッ)来てくれ(ピー)とう。』 それは奇怪な声だった。澄んだ女性の生身の声と機械の合成音を掛け合わせたような、今までに聞いたことのない声。無論、ツヲは機械の合成音を聞いたことはない…
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英雄再来 第二十四話 ツヲ放浪記6

海の果てはどこにある? ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ その日の夜、ツヲはルアルの集落で小さな子ども達と共に夕飯を囲んでいた。ツヲはルアルと他愛もない話を楽しみ、ツヲの作り出した水精霊(アクアリウス)や水神霊(ウンディーネ)はご飯を食べた後の子ども達と一緒に遊んだ。穏やかで、温かく、そして掛け替えのない時間だった。そして、その穏やかな時…
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英雄再来 第二十四話 ツヲ放浪記5

「人間」に出会った。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 「もう二度と来んなー!」 逃げていく盗賊に向かって彼女はそう叫んで更なる大風を呼び寄せた。そして、完全に盗賊達が見えなくなってから僕の方を向いた。 「あんた、あんがとーね!おかげであいつらを追っ払えたよ!」 その感謝の言葉を述べる笑顔は、とても眩しかった。 「…
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英雄再来 第二十四話 ツヲ放浪記4

少し道を尋ねるか。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ボロボロの、村と呼ぶには余りにも朽ち果てた集落の前で向かい合う若き女性と盗賊達。盗賊の頭が女性に交渉という名の脅迫を仕掛け、女性がそれに屈するか否かのその時に一人の少年が現れた。 「…ん?」 最初に少年の存在に気が付いたのは後ろの方にいた盗賊の下っ端だった。誰かの足音がする…
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英雄再来 第二十四話 ツヲ放浪記3

せめて海を見に行こう。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ それでも旅を続けた。まだ大陸全土を巡ったとは言い難かったし、どこかにミッドのような「人間」がいるかもしれないという小さな期待も残っていた。何より僕はまだ海を見ていなかった。 大陸の果てには海というものがあり、どこまでも広がる水の塊だそうだ。知識としては知っているし、精霊として感知…
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英雄再来 第二十四話 ツヲ放浪記2

そうだ、旅に出よう。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ミッドが死んだ後、母さんの最後の子どものゼロが生まれた。その後から母さんは少し長い眠りに就いた。それまでもしばしば眠ることが多かった母さんだが、ゼロを生んでからの眠りは冬眠に近かった。 本来なら精霊は人間と違って眠りを必要としない。眠るのは人間の要素が残っている証拠でもあり、僕…
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英雄再来 第二十四話 ツヲ放浪記1

父の死の果てに。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 現在。 両腕のない少女フォウルが腕の代わりの土神霊(グノメ)を背に、ポツリと言った。 「ミッドが死んだ日のことは、よく覚えてる。空が壊れたかと思うぐらいの音で目が覚めたの。」 少女の瞳は今現在の光景に当時の光景を重ねていた。 「外に出たらオ姉ちゃんもツヲ兄ちゃんもいて…
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英雄再来 第二十三話 ミッド5

振り返って。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 走馬灯というものがあると聞いた。人が死ぬ直前に、生まれてから今までの記憶が瞬間的に蘇る現象だ。おそらく、この時間も現実では一瞬の出来事なのだろう。わたしはミッド。チュルーリ様に仕える者だ。 わたしの生まれはウエリストのとある貴族の次男坊。長男は家督を継ぐために必要な教育を受け、次男以下…
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英雄再来 第二十三話 ミッド4

永訣の朝。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 窓の外から日の光がやって来る。 「…ああ、ミッド。朝だぞ…。」 長い黒髪の少女、チュルーリは小さな手を大きく伸ばした。 「んんー…。」 そして、伸ばしたついでに窓を開けた。外からは暖かな空気が入り込んでくる。 「昨日はどこまで話したっけな…。無様にも私が捕まった頃の話だっ…
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英雄再来 第二十三話 ミッド3

ゆっくりと変わる世界。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 「受けませんね。」 これまたミッドは即答した。 「オネ様はもう十分に強くなられましたから。」 「ちっ。勝ち逃げか~。」 オ姉さんから殺気が消えた。 「あの時のツヲとお前の戦いっぷりを見て燃えたんだがな~。」 「え?ミッドはツヲ兄ちゃんと戦ったの?」 フォウルは…
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英雄再来 第二十三話 ミッド2

最後の晩餐。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 母さんがゼロを身篭ってから少しして、今まで一言も言わなかったことを言ったのが始まりだった。 「この二、三日はミッドと一緒にいる。お前ら、ミッドに言いたいことがあるなら今の内に言っとけよ。」 フォウルとフィベは何のことだか分かっていないような顔をして肉を頬張るミッドの方を見た。ツレ…
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英雄再来 第二十三話 ミッド1

昔に想いを馳せて。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 現在。 マチネの外壁の上で目を閉じたままの青年ツヲと赤の混じった髪の少女オネは昔のことを回想していた。 「結局、僕とミッドが本気で戦ったのはあれが最初で最後だったね…。」 オネは両手を頭の後ろに組んで空を仰いだ。 「そうだな…。あの時、私も人間の強さを垣間見た。」 …
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英雄再来 第二十二話 過去のツヲ10

戦いの果てで得たもの。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 勝った。ツヲがそう確信した瞬間だった。ミッドの腕がツヲの水針(ワーエドレ)を脇に挟むようにして掴んだ。 水針(ワーエドレ)は確かにミッドを貫いた。だが、貫いたのは脇腹。即死ではない。ミッドはツヲの一部である水針(ワーエドレ)を捕らえるためにあえて攻撃を受けたのだ。 「勁…
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英雄再来 第二十二話 過去のツヲ9

最後の最後まで足掻く。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 残り19秒。大量の水と化したツヲは完全にミッドを飲み込んだ。このままでも溺死は免れない。しかし、今のツヲがそんな時間のかかることをするはずがない。一気に収束し、内部の水圧を鉄と同等の強度まで上げる。それでミッドは潰れて死ぬ。この勝負、あと一秒あればツヲが勝っていた。 バチンッ…
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英雄再来 第二十二話 過去のツヲ8

なりふり構わず。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 戦いが始まって少ししてチュルーリは、とある音に気が付き隣のオネを横目で見た。 カリッ。カリッ。 オネは自分の爪を噛みながら食い入るようにツヲとミッドの戦いを見つめていたのだ。そしてポツリと呟いた。 「強い…。」 「かかっ。私のミッドは強いだろう?」 チュルー…
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英雄再来 第二十二話 過去のツヲ7

全身で、全開で。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 『水剣(ワーオルド)!』 残り44秒。巨大な水の塊と化したツヲの体から無数の水の剣が飛び出し、動けないミッドに向かって様々な方向から斬り付ける。その斬撃は地面をも深く斬り裂いた。だが、ミッドは斬り裂けなかった。何故なら、その瞬間ミッドは脱出していたのだから。 無数の水剣(ワー…
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英雄再来 第二十二話 過去のツヲ6

全力で、全霊で。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 「水(ワーテル)!」 残り59秒。僕は地面も簡単に穿つほどに圧縮された水の塊を何十個と出して高速で撃ち出した。当時、銃など存在しなかったが、それよりも殺傷力が圧倒的に高い技だった。 ミッドは僕が水(ワーテル)を放つや否や一気に向かってきた。身を屈め、ほとんどないはずの水(ワー…
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英雄再来 第二十二話 過去のツヲ5

決戦の時。 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 「まあ、戦えば絶対にお前が勝つだろうな。」 僕が、目標――ミッドを超える――についてオ姉さんに相談したら、即座に返答が来た。 「ツヲ、考えてもみろ。お前はほぼ不死の半精霊で魔法使い。ミッドは人間で全盛期をとうに過ぎた老人。勝負の結果は火を見るよりも明らかだ。」 オ姉さんの言う…
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