いやあ、旧年は忙しかったなあ。と思いながら二年前の記事を見ると「正月から働き過ぎて挨拶記事を書いたのが1月7日だった」ことを思い出しました。
何で年末年始ってこんなに忙しいんだ!?というか、常に忙しいって言ってる気がする・・・。
まあ、そんな話は旧年に置いておくとして、振り返ると遊戯王セブンスの放送が始まったのと、「田宮行方…
気持玉(0)
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3は安定する数だと聞いたことがあります。遊戯王で言えば、三幻神を筆頭に様々。ピラミッドも側面は三角形。ジャンプ漫画では友情・努力・勝利。
前置きが長くなりましたが、今回のタイトルを聞いて頭に浮かんだのがアンパンマン達でした。
夢はデュエルの王を目指すルーク、
勇気は本当の自分を出せるようになったロミン、
友情は第一話から…
戦う者は覚悟が必要である。戦うという重みを背負う覚悟が・・・。
ネタバレ注意。私の予想や想像も多数入っています。
★霧島ロミン・・・ネイルが新たに作ったマキシマム召喚により遊我が敗北したのを見て「そんなのあり!?」と言うが、ありなんですね…
その先に壮大なファンサービスがあると信じて視聴開始・・・!
ネタバレ注意。私の予想や想像も多数入っています。
ついにセツリの門に辿り着いた遊我達を待ち受けていたのは、お祭りの雰囲気そのままなヘイブン参道中店(漢字はこれでいいかな?)通り。…
ドラゴン族を使うルークの能力が封印される、と聞いて上記のカードが浮かびました。これでブルーアイズも怖くないよ(棒読み)。
今回は、闇堕ちした天使の洗井VS正しき道路に戻さんとする悪魔のルーク、という話でした。
まだ視聴していない人からは「お前は何を言っているんだ」と言われそうですが粗筋的には間違ってはいないと思います。
…
タイトルは未知との遭遇から、もじっていると思われる。前回に引き続き、映画タイトル縛りか?
ネタバレ注意。私の予想や想像も多数入っています。
★王道遊我・・・緊急事態だよ、全員集合!な冒頭。運命共同体ということで遊我の元に集い、結束する仲間達。こう…
多分、タイトルは「男はつらいよ」からもじっていると思われる。
ゴーハ社員を動員出来るネイルからすれば、ミミさんも手駒の一人として使えるはず。なれば、ルークの味方をするヨシオとは必然的に激突するという構図か。
バブルVS世紀末という異種格闘技の様相を呈している今回のデュエル、とてもワクワク・ドキドキしながら視聴開始。
結論。…
遊戯王で王座と言えば、このカード(↑)かな、と思う訳ですが皆さんは如何ですか?
ちなみに、こちら(↓)のカードが真っ先に浮かんだ貴方はデュエリストレベルが相当高いとお見受けいたします。
ネタバレ注意。私の予想や想像も多数入っています。
★王道遊我・・・前回に続き、カイゾーに対し素っ気ない態度に見える遊我。ロミンにも…
チャンスと聞くと思い浮かぶのがコレ(上記の画像)。自分に希望をもたらす代わりに相手には・・・。果たして月太は人気者になるチャンスを掴めるのか(そういう話かどうかはまだ分からないけど)、とドキドキしながら視聴開始。
結論から言うと、「友情」の話だった。年を取ると涙腺が緩んで仕方がないわい。
ネタバレ注意。私の予想や想像も多…
「他作品の猫キャラ」で脳内検索したら真っ先に頭に浮かんだのがニャンコ先生(夏目友人帳)だった。(以下、チェシャ猫、猫娘、猫又、長靴をはいた猫、と続く。)
世間的に見れば猫娘(ゲゲゲの鬼太郎)やジバニャン(妖怪ウォッチ)の方が有名なのだろうが、私の脳内ではニャンコ先生が一番だった。
ネタバレ注意。私の予想や想像も多数入っていま…
アライグマの名前の由来は餌を洗うからだと思っていたが、あれは洗っているのではないという話を最近聞いた。
「デュエルを洗う男」も洗っているように見えて実は汚していた、そんな話だったのかもしれない。
ネタバレ注意。私の予想や想像も多数入っています。
…
漁業と学校の組み合わせで真っ先に思い浮かんだのが上の画像。(よくよく考えると漁業とそんなに関係ない内容の漫画のはずなんだが・・・。)
児童達はたくさんいたけど、先生方の姿は見えなかった。(見逃しただけかもしれないけど。)
ネタバレ注意。私の予想や想像も多数入っています。
…
ネタバレ注意。私の予想や想像も多数入っています。
上のような画像が頭をよぎりつつ視聴を開始。・・・カオスでした。
★王道遊我・・・ロミンの自発的な行動を促しつつも、求められればアドバイス(名付けるなら、食いしん…
ネタバレ注意。私の予想や想像も多数入っています。
1クール目の最後を飾る素晴らしい話でした。
★王道遊我・・・ついに《セブンスロード・マジシャン》を引いてしまったが、最高のタイミングで遺跡が出現。この展開は遊我の予想通りといった感じ。
既に…
ネタバレ注意。私の予想や想像も多数入っています。
ロアのジャッジキル大作戦が発動!
★王道遊我・・・ロアの度重なる挑発、もといコケオドシを平然と受け流す。ミミさんにも「大人な意見」と感心されている。
《セブンスロード・マジシャン》…
ネタバレ注意。私の予想や想像も多数入っています。
ついにロア登場。兄ではなく、いとこ(従兄)であった。
★王道遊我・・・冒頭で何やら前回のギターをいじっているかと思えば、ロミンにプレゼントするためにデュエルギターに改造中だった。ロミンの音楽を…
第10話は8月8日放送予定、だと・・・?(感想と題してはいますが、一度見たので「面白かった」以外、コレと言って書くことが見当たらない・・・。考察や推測も大体済んでいるので、新しい情報待ち状態。まあ、見落としがあるかもしれないけれども、今のところは何も思い付かない・・・。)
コビット19(新型コロナ)の影響もあって、制作現場が大変な…
ネタバレ注意。私の予想や想像も多数入っています。
メインは恐竜でジュラシック。
★王道遊我・・・今回の騒動の犯人。ゴッシーが登場した瞬間、妙に四角いので生き物ではないと思っていたけれども、お前が作ったんかーい!
遊我なら作れるのは分かるけれ…
ネタバレ注意。私の予想や想像も多数入っています。
前回の予想の答え合わせも兼ねて視聴。
★冒頭
突然の荒廃した世界からスタート。デュエルシステムの暴走でゴーハ市がこんな姿になったのかな?と思いました。(←重度のデ…
ネタバレ注意。私の予想や想像も多数入っています。今回は新キャラのファンサービスに全て持っていかれました。
★新キャラ達・・・足立ミミさん(じゅうなな歳)が全て持っていきました。はい、全てです。
前回のラーメンデュエルがハッチャケてたの…
ネタバレ注意。私の予想や想像も多数入っています。
次回予告から随分と待たされたけれども、期待通りの面白い回でありました。
★王道遊我・・・馬井食堂復活を目指し、まずは敵情視察から入る堅実さ。更にロードを使って食堂を盛り上げようとするが…
ネタバレ注意。私の予想や想像も多数入っています。
今回は再びルークのターン。ルークVS新聞部のデュエルが始まる。
どこの誰であってもデュエルする。これぞ遊戯王クオリティ。
★王道遊我・・・ゴーハ社の削除に対する見方、新聞…
ネタバレ注意。私の予想や想像も多数入っています。
当然ながら、お別れ詐欺回ですね。と思っていました。
★王道遊我・・・今回は生徒会長をラッシュデュエルの世界に引き込み・・・じゃなくて、啓蒙しようと・・・。って、もう十分に生徒会…
ネタバレ注意。私の予想や想像も多数入っています。
今回は、ロミンの初デュエルがメイン。
★王道遊我・・・専用のラボを持っていることが判明。これは想定内。面白そうなロードがたくさんありますな。
ロミンに対して嘘発見器を突き…
突然、アイデアが湧いたので、突貫工事でしたが作りました。
その作業に夢中になっていて、まだ遊戯王セブンスの第三話を見れていません(笑)。
中身は完全に架空のデュエルです。
こういうのが苦手な人は再生ボタンを押さないようにお願いします。
【架空デュエル】ルークVSリチャード・ゴート
動画を作るに当たって、
ニコ…
ネタバレ注意。私の予想や想像も多数入っています。
今回は遊我VSルークのデュエルがメイン。
デュエルの揉め事はデュエルで決着を付けるべし。これぞデュエル脳、だよね!
★王道遊我・・・ルーク曰く、「新しいデュエルのルールを作り、それを世界中…
遊戯王新シリーズが始まりました。せっかくなので、感想を書いていこうと思います。
ネタバレ注意。私の予想や想像も多数入っています。
★王道遊我・・・小学五年生の段階でプログラムを自作する天才。自室(もしくは専用のラボを与えられている?)は機械だら…
【注意!】
アニメのネタバレあり!
独自解釈多め!
苦手な人は回れ右!
OKな人だけ続きをどうぞ。
『アニメ視聴は「食事」と同じである。』
これは別の人の言葉を、私が自分自身の利便性のために噛み砕いて短く直した言葉です。
今までは食事をしたらそのままなことが多かったのですが、2020年という節目…
気が付けば1月7日!?
うわっ・・・私、年始から働きすぎ・・・?
まあ言っても仕方ないか。
とにかく、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
もう年末ですね。時が経つのは早いものです。
2019年も残り僅かとなりました。この記事が年内最後となるでしょう。
新しい小説、というか続きは全然出来てないのですが、まあ、年末年始はのんびりしましょうか。
と思ってネットサーフィンしていると遊戯王アニメの最新情報の文字がちらり。ほう、遊戯王セブシスというのか。(カタカナに変換しよ…
という訳で、第三話で世界大会の一次予選が終了しました。
大会の方も一次予選と二次予選の間に期間があるので、二次予選編の掲載は少し時間を空ける予定です。
この脱衣決闘の世界も田宮行方の世界の一つとして、田宮さんが訪れたことがあったりします。もし興味がありましたら、是非どうぞ。時期的には第一話のおよそ一年前になります。
ちなみ…
脱衣決闘 デッキ集
5.ビューティ西園寺のデッキ【影霊衣】
(モンスター13、魔法7、罠0)
●モンスター詳細(下級2、下級儀式3、上級儀式3、最上級儀式5)
影霊衣の術士 シュリット (レベル3)2枚、影霊衣の希望
クラウソラスの影霊衣 (レベル3)2枚、儀式魔法サーチ
ユニコールの影霊衣 (レベル4)1枚、…
5ターン目、西園寺のドローフェイズ前
キャロル・キャロライナ・クリスティーヌ加藤 LP3600
手札:1枚
モンスター:スターダスト・チャージ・ウォリアー(攻2000)、レベル・スティーラー(守0)
魔法&罠:伏せカード×2
ビューティ西園寺 LP1600
手札:0枚
モンスター:なし
魔法&罠:なし
「ボクのター…
3ターン目、西園寺のドローフェイズ前
キャロル・キャロライナ・クリスティーヌ加藤 LP4000
手札:2枚
モンスター:カオス・ソルジャー -開闢の使者-(攻3000)、瑚之龍(コーラル・ドラゴン)(攻2400)
魔法&罠:なし
ビューティ西園寺 LP1600
手札:2枚
モンスター:なし
魔法&罠:なし
「んんっ…
第三決闘(サードデュエル)「アブナい美青年」
うつくしく うつくしく うつくしく うつくしく そして、美しい!!
『ポケットモンスターSPECIAL』より抜粋
三日目に突入した世界デュエル大会の一次予選。一会場につき256人の生き残ったデュエリスト達が、今日の終わりには32人にまで減る。今日が終われば一次予選は終了…
3.リポーターの小波のデッキ【シンクロアンデット】
(モンスター12、魔法2、罠6)
●モンスター詳細(下級チューナー3、下級9)
ゾンビキャリア (レベル2)3枚、自己再生チューナー
ゾンビ・マスター(レベル4)3枚、小波のお気に入り
ゴブリンゾンビ (レベル4)3枚、最高のシンクロ素材
馬頭鬼 (レベル4)3…
小波が引いたカード
ゾンビ・マスター
効果モンスター
星4/闇属性/アンデット族/攻1800/守 0
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、手札のモンスター1体を墓地へ送る事で、自分または相手の墓地のレベル4以下のアンデット族モンスター1体を選択して特殊召喚する。この効果は1ターンに1度しか使用できない。
7タ…
4ターン目、加藤のドローフェイズ前
リポーターの小波 LP4000
手札:3枚(ゾンビ・マスター、?(魔法カード?)、?(詳細不明))
モンスター:神樹の守護獣-牙王(攻3100)
魔法&罠:伏せカード×1(魔法カード?)
キャロル・キャロライナ・クリスティーヌ加藤 LP900
手札:3枚
モンスター:なし
魔法&罠…
加藤と小波、二人の間には独特の空気が流れていた。微笑んではいるものの、加藤の目付きは獲物を狙う蛇そのもの。纏わり付くような視線が痛い。プレッシャー、緊張感、空気が重い、そんな言葉がよく似合う。
「私の負けが確定していた・・・?報道関係者がいい加減なことを言うのはよろしくない、と言いながら随分と突飛なことを言うわね。」
小波は…
「はーい、こちら世界デュエル大会一次予選B地区会場です。二日目の今日は前半と後半に分かれて二回のデュエルが行われます。今、前半の試合が終わりまして選手の皆さんが続々とお昼休憩に入っています。前半では注目の加藤選手が4000対0で勝利を収めました。後半のデュエルでは、いかなる活躍を見せてくれるのでしょうか?それではスタジオにお返しします。…
第二決闘(セカンドデュエル)「アブナいリポーター」
つまり加藤という女性デュエリストは公式記録上、無敗なのです。
『週刊デュエルジャーナル』より抜粋
ここは世界デュエル大会一次予選のB地区会場。二日目の今日は1000人ほどの参加者が4分の1になる。前半で半分、後半で更に半分のデュエリストが敗退するのだ。
世界大会…
1. ブレイズ熊平のデッキ【ラヴァル】
(モンスター11、魔法8、罠1)
●モンスター詳細(下級チューナー6、下級4、上級1)
ラヴァル炎火山の侍女 (レベル1)3枚、墓地肥やし要員
ラヴァル炎湖畔の淑女 (レベル3)3枚、伏せカード対策
虹クリボー (レベル1)1枚、絆のカード
ラヴァル・キャノン (レ…
8ターン目、熊平のドローフェイズ前
キャロル・キャロライナ・クリスティーヌ加藤 LP1900
手札:1枚
モンスター:カオス・ソルジャー -開闢の使者-(攻3000)
魔法&罠:なし
ペンデュラム:EM(エンタメイト)ラクダウン(スケール2)
ブレイズ熊平 LP100
手札:1枚(ラヴァル炎湖畔の淑女)
モンスター:…
熊平が引いたカード
ブラック・ホール
通常魔法
(1):フィールドのモンスターを全て破壊する。
6ターン目、熊平のメインフェイズ1
キャロル・キャロライナ・クリスティーヌ加藤 LP4000
手札:2枚
モンスター:スターダスト・チャージ・ウォリアーA(攻2000、虹クリボーを装備)、スターダスト・チャージ・ウォリアーB(攻…
熊平が引いたカード
炎熱伝導場
通常魔法
デッキから「ラヴァル」と名のついたモンスター2体を墓地へ送る。
2ターン目、熊平のメインフェイズ1
キャロル・キャロライナ・クリスティーヌ加藤 LP4000
手札:3枚
モンスター:なし
魔法&罠:伏せカード×1
ブレイズ熊平 LP4000
手札:5枚(真炎の爆発、ラヴァ…
第一決闘(ファーストデュエル)「アブナい女」
これは、ある一点に関することを除けば、ごく普通の世界の話である。
『創造神は、かく語りき』より抜粋
『時間になりました。これより世界デュエル大会一次予選を始めます。1番から40番の番号札をお持ちのデュエリストの方はデュエル会場にお越し下さい。繰り返します・・・』
…
田宮行方の世界を知っている人なら、最後の一文で「なるほど」と思える作品です。
逆に言えば、知らない人にとっては「ふ~ん」ぐらいになるのかな、と思います。
これは2019年9月15日から19日の四日間で完成させました。
ぶっちゃけると、田宮行方の世界の『死神』書いてるついでに出来た作品になります。
今は、どのお蔵入り作品を掲載…
「勇者!」
女の悲痛な叫び声が荒野に響いた。男は振り返らず、ただ右手に持つ聖剣を高く掲げる。
それは誓いの証。必ずやこの戦いに勝利して戻ってくるという約束の合図。
「いいのか?声を掛けてやらなくて。」
男の目の前には黒いマントに身を包む巨漢。巨漢は敵に塩を送るが如く、男と女の仲を心配して声を掛けた。
それは余裕なの…
この作品は、取り合えず頭の中に湧き出てきたので書いたのですが、どうも発表の機会やらタイミングやら中身の精査やらをしている内にお蔵入りになっていたものです。
書いた日付けを確認したら2017年8月17日から書き始めて、27日に完成したようです。今から2年以上前に書いていたとは・・・。時が経つのは早いですなあ・・・。
せっかく書いた…
『暴食』は罪である。
ただの罪ではない。
大きな罪、大罪だ。
どうしてだろう?
それでは語ろう、ある世界のお話を。
その世界は人間達の住む地上、神や天使達の住む天国、悪魔や堕天使達が住む魔界の三つに分かれていた。悪魔達はいつも人間を騙そうとしたり食べようしたりするが、天使達がそれを阻む。悪魔達が人間の世…
今、田宮行方の世界に関する小説を書いているので、英雄再来の続きが全然書けてません。
頭の中では出来ているんですぅ!(←誰に言い訳しているんだ、こいつは。)
なので、続きを書くのはしばらくストップして、短編でも載せようと思います。
あと、田宮行方の世界に投稿しているデュエル小説は四話まで載っています。もしよろしければ、そ…
現在、田宮行方の世界にデュエル小説を投稿しています。
第1話
第2話
『死神』というキャラを中心とした話になります。
ちなみに、『死神』の姿はこんな感じ↓
この絵を見て、おはぎが食べたくなったらリンク先へレッツゴー(笑)
それで、ここは一体どこだろうか。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
『そうね、どれから話そうかしら。』
魔女WWの黒い体が蠢く。
『まず、貴方と戦っていたペリドットは死んだわ。貴方が気を失う直前、両手王道具『神すら操る人の糸(ゼウス・エクス・マチネ)』で開いた扉に吸い込まれて、あっちの世界…貴方達の言い方だとあの世、かしらね。そっちに…
皆さんはリチャード・ゴートを覚えていますか(二回目)?
遊戯王デュエルモンスターズのKCグランプリ編では、城之内VS双六という好カードな対戦の裏番組としてリチャードVSレオンが存在していました。まことに残念ながら、城之内VS双六のデュエルをメインに据える(主に主人公視点で物語が進む)以上、裏番組のデュエルシーンをカットせざるを得な…
敵なのか、味方なのか、それが問題だ。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
全身は真っ黒。輪郭だけは白。目の前の奇怪な存在、魔女WW。今のエクスにとって一番重要なのは、魔女を名乗る奇妙な生命体が自分の敵なのか、それとも味方なのか、ということだ。
判断しなければならない。それがエクスの生死を分ける。
相手が敵か味方か即座に判…
突然ですが、皆さんはリチャード・ゴートを覚えていますか?
アニメ遊戯王デュエルモンスターズのKCグランプリ編にて、一回戦でレオン君に敗北した医者のデュエリストです。
リチャードさんの実力は不明ですが、この大会に参加しているので一定以上の実力はあるでしょう。
そして、レオン君が初代KCグランプリ王者に輝き、武藤遊戯への挑…
先週の日曜日、私は森に居ました。
深くて暗い森でした。目の前は暗いし、その奥はもっと暗い。上を見上げても木々の枝で覆われていて暗い。木の根元には大きなキノコも生えている。
不意に、森の奥に何かの気配を感じました。物音がします。大きくなってきています。こちらに向かってきています。
私は、背にしていた、まだ明るい方へ振り向…
いらっしゃい。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
時間を少し遡る。それはマチネ特務隊のエクス達と化け物との死闘の後の話。
辺りに歯車の回る音が響く。鉄の鎖を巻き上げる音がどこからか聞こえる。金属が擦れ、ぶつかり合う音が聞こえる。蒸気の吹き出す音が鳴る。
小さい頃からずっと聞いていた音達だ。マチネは国土全体が工業地帯。常…
さあ、迎えに行こう。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「ただいま。」
マチネの巨大防壁の頂上に戻ってきたツヲは目を開けてオネ、フォウル、アール、飛鳥花の顔を見た。
(久々に皆の顔を見たなあ。飛鳥花ちゃんの顔は初めて。)
「愚弟、目が戻ったのか!…かかかっ、ようやく先に進めるようになったか。」
「おめでとう、ツヲ兄…
そして得たもの。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
マチネの巨大防壁から飛び降りたツヲは地面に華麗に着地して、槍持つ女性の前に現れた。
「この魔力…。やっぱりアクアちゃんなのかい?」
ツヲの言葉に対し、女性は腐臭と共に声を発した。
『死ねえ…!マチネの鬼畜共…!民を皆殺しにした鬼畜共…!!皆殺し…!皆殺しだ…!!』
…
再会は突然に。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
現在。
「ツヲ兄ちゃんが中々帰ってこなかったから、オ姉ちゃんが迎えに行って…。そしたら、ツヲ兄ちゃんの目がなくなってて…。」
フォウルの呟きでツヲは記憶の海の底から浮かび上がってきた。
「…ああ、そうだったね。」
「結局、オ姉ちゃんは自業自得って言うだけで、ツヲ兄ち…
マドロミの中で。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
雨が降る。雨が降る。いつまでもいつまでも雨が降る。雨音が周りのことを教えてくれる。滴る雨水が周りのことを教えてくれる。音と水を感知すれば、何がどこにあるのか手に取るように分かる。目がなくても、目で見るよりもたくさんのことが分かる。
僕が仰向けに倒れている場所からどういう形で地面が広がっ…
このまま渇いてしまおう。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
水精霊(アクアリウス)達を吹き飛ばした後、オ姉さんは大きく息を吐いた。
「…何があったのか詳しくは分からんが状況だけ見れば大体の察しは付く…。守れなかったんだな?」
オ姉さんの言葉に対し、僕は静かに頷いた。
「…。…帰るぞ愚弟。話は道中で聞いてやる。お前が喋りた…
シアワセの朝。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
『ツヲ…。ツヲ…。』
聞いた覚えのある声がする。
『ツヲ、ツヲ…。』
誰の声だったか。
『ツーヲ!起きるけんね。いつまで寝てるんよ。』
「んん…。ルアル…?」
真っ暗な中、ツヲは感覚を頼りに体を起こした。
『もう朝だべ。いつまでも寝てるのは健康に悪…
この世界は、理不尽だ。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ツヲは気が付くと人間の姿で海の上に浮かんでいた。
(…あれ?)
空を見れば太陽は随分と高く昇っており、海に入り始めた時から随分と時間が経っているのが分かった。ツヲが起き上がると、そこは足が海の底に付くぐらいの浅さだった。
(僕は大海原へ向かったはず…。夢だった…?…
ここは魔女の(ザー)よ。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
『初め(ザー)てだね、ワー(ザー)ヲ・チュル(ピー)。私は(ガガッ)の魔女WW(ダブル)。わざ(ガガッ)来てくれ(ピー)とう。』
それは奇怪な声だった。澄んだ女性の生身の声と機械の合成音を掛け合わせたような、今までに聞いたことのない声。無論、ツヲは機械の合成音を聞いたことはない…
海の果てはどこにある?
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
その日の夜、ツヲはルアルの集落で小さな子ども達と共に夕飯を囲んでいた。ツヲはルアルと他愛もない話を楽しみ、ツヲの作り出した水精霊(アクアリウス)や水神霊(ウンディーネ)はご飯を食べた後の子ども達と一緒に遊んだ。穏やかで、温かく、そして掛け替えのない時間だった。そして、その穏やかな時…
「人間」に出会った。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「もう二度と来んなー!」
逃げていく盗賊に向かって彼女はそう叫んで更なる大風を呼び寄せた。そして、完全に盗賊達が見えなくなってから僕の方を向いた。
「あんた、あんがとーね!おかげであいつらを追っ払えたよ!」
その感謝の言葉を述べる笑顔は、とても眩しかった。
「…
少し道を尋ねるか。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ボロボロの、村と呼ぶには余りにも朽ち果てた集落の前で向かい合う若き女性と盗賊達。盗賊の頭が女性に交渉という名の脅迫を仕掛け、女性がそれに屈するか否かのその時に一人の少年が現れた。
「…ん?」
最初に少年の存在に気が付いたのは後ろの方にいた盗賊の下っ端だった。誰かの足音がする…
せめて海を見に行こう。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
それでも旅を続けた。まだ大陸全土を巡ったとは言い難かったし、どこかにミッドのような「人間」がいるかもしれないという小さな期待も残っていた。何より僕はまだ海を見ていなかった。
大陸の果てには海というものがあり、どこまでも広がる水の塊だそうだ。知識としては知っているし、精霊として感知…
そうだ、旅に出よう。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ミッドが死んだ後、母さんの最後の子どものゼロが生まれた。その後から母さんは少し長い眠りに就いた。それまでもしばしば眠ることが多かった母さんだが、ゼロを生んでからの眠りは冬眠に近かった。
本来なら精霊は人間と違って眠りを必要としない。眠るのは人間の要素が残っている証拠でもあり、僕…
父の死の果てに。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
現在。
両腕のない少女フォウルが腕の代わりの土神霊(グノメ)を背に、ポツリと言った。
「ミッドが死んだ日のことは、よく覚えてる。空が壊れたかと思うぐらいの音で目が覚めたの。」
少女の瞳は今現在の光景に当時の光景を重ねていた。
「外に出たらオ姉ちゃんもツヲ兄ちゃんもいて…
遊戯王ARC-Vが終了して約五ヶ月。最初のワクワクドキドキと最後辺りの駆け足具合の落差を考えるとどうにもやるせない気持ちになります。しかし、文句を言うだけなら容易い訳で、どうすればよかったのか、どうなっていれば少なくとも私はOKと言えるのか。それを妄想し、文字にするのが作家であり、二次創作なんですね。
という訳で、いつもお世話にな…
昔出来たことが出来なくなるのは退化したからだろうか。
猿の祖先から人間の祖先が生まれ、今現在の人間には尻尾がない。これは退化なのか。
尻尾の有無だけで見れば退化である。しかし、尻尾を失った代わりにより大きなものを得たから人間はここまで反映したのではないだろうか。
以前のようなペースで小説が書けなくなったのは、小説家の端…
突然ですが、私は口下手です。
言いたいことはたくさんあっても、それを上手く言葉にするのが苦手です。
言おうかどうか迷っている間に、タイミングを逃して何も言えなくなることばかりです。
コメントや感想は、深夜のハイテンションとその場の勢いを借りて文章を書いて送っていますが、後で言い過ぎた、余計な事を書いたと思うことが多々あります。…
遊戯王ARC-Vの放送が終了して、思ったことがあります。
あのアニメで、できたこととできなかったことが一つずつある、と。
できたことは、ペンデュラム召喚。
できなかったことは、みんなを笑顔にすること。
私は遊戯王ARC-Vが放送されてよかったと思っています。ペンデュラム召喚がなければ北村君はきっと強くなれ…
リンクモンスターが世間を騒がせている。まだ全容が判明した訳ではないが、今までのエクストラデッキからの大量展開は出来なくなったと考えていいだろう。ここまで大きく変わるとなると戸惑いや不満の声も相当あるだろう。
そんな時、ふと頭を過ぎったのは初めてシンクロ召喚を見た時のことだ。正確には遊戯王5D’sが始まるという番組宣伝を見た時のこと…
2017年2月20日
最近、何度も悪夢を見る。仕事で失敗する夢。ブログで失敗する夢。
それなりの時間眠っているのに、眠った気にならない。
…困ったものだ。何かの形で創作に活かせればいいのだが。
2017年2月19日
今日は翼ちゃんが会いに来てくれた。
「調子はどうですか?白龍さん。」
ぼちぼちといった感じかな。
「一日一記事を復活させようと気合を入れ直してから二週間経ちましたね。時間が経つのは早いものです。」
そうだね。やっぱり、速い。どうにも世界の速さについていくのがしんどいなあ。昔はそうで…
2017年2月18日
前回の続き的な。
「あら、パルナちゃん。新作ゲームですか?」
パルナ「つばさー!このゲーム、クソだよー!どこ行っても、どの選択肢でも強制負けバトルでゲームオーバーだよー!」
「なるほど。もう止めようと思っても悔しさが頭の中をよぎって、また初めからを選んでしまう、という訳ですね?」
パル…
2017年2月17日
遊戯王の新しい召喚法はリンク召喚!ゼルダの伝説で活躍した緑の勇者を呼び出せるぞ!
パルナ「それ、リンク違い。」
また大きくルールが変わるようです。この前、マスタールール3になったばかりのような気がしていたのですが月日が経つのは早いものです。今回はフィールドも大きく変更される模様。
私はつ…
2017年2月16日
適当に作ったゲームをパルナちゃんがプレイしていた。
ふうっ…。適当にゲームを造ったら糞ゲーになってしまった…。これは後で廃棄だな…。お腹空いた…。何か食べに行こ。
「ふっふっふ~。はくりゅーはどこかへ行った。つまり、この新作ゲームはパルナのものだー!早速プレイっと。ほほう。今回はRPGかな…
2017年2月15日
頭が空っぽになる。
朝起きて、いつものように職場に行こうと駅へ向かう。そして、椅子に腰掛けて電車を待つ。ここまではいつもの出来事だ。しかし、いつものように頭の中にネタが浮かんでこない。何も上映されない。
何と言うことだ。久々に来たぞ。頭が空っぽになる状態。私はついに今書くことの出来る全てのネタや話…
2017年2月14日
訳の分からん伯爵にデュエルを申し込まれた。
「やあ。君が千花白龍だね?ワタシは伯爵。希望伯爵さ。」
ああ、どうも。
また新キャラか…。唐突に登場したなぁ…。
「この世界にはたくさんの希望が、可能性が満ち溢れている!光り輝きすぎて真っ直ぐに歩けないほどに…。まさに世界は素晴らしい!君もそ…
2017年2月13日
再びプリスターに遭遇する。
「そろ~り、そろり。」
プリスターがいる。私の後ろ上辺りに。
「ティシヒヒヒ…。」
多分、気付いてないと思ってるんだろうな。
「てめえの頭を丸かじりだよ!」
はい、尻尾で突く。
「ぐべえ!」
私の不意を突けると思っていたんですか?
…
2017年2月12日
とんだ探偵風茶番劇の目撃者となる。
キャー子「キャー!」
悪井(わるい)「どうした!?キャー子!」
キャー子「カーペットに…たくさんの唾が…!」
不通野人(ふつうのひと)「これは酷い…。徹夜で作業しないとこんなことは出来ないぞ。」
私も言いたい。声を大にして言いたい。これは酷…
2017年2月11日
新しいデュエルの形を思いついたので翼ちゃんと模擬戦してみた。
「新しいデュエルの形態を考えたんですか?」
そう。これこれしかじか。
「かくかくうまうまですか。なるほど、ターンも手札もデッキすらもない、カード調達式のリアルタイムデュエルですか。どんなデュエルになるのか予想もつきませんね。し…
2017年2月10日
新キャラに出会った。
「やあ、お早う。ボクの名前は飯田 飯男(めしだ めしお)。フリーのカメラマンさ。」
これは偽名かな…?
「君はカメラマンに必要なものが何か分かるかな?」
え?偽名?
「飯だ、飯。腹が減っては何とやらだよ。」
そう言って男は去っていった。何だったんだ、一…
2017年2月9日
今日はパルナちゃんに全力頭突きされた。
「はっくりゅ~。」
はっ!
気が付いた時にはもう遅い。頭突き+ノーマルZ=ウルトラダッシュアタックが私に命中。
うべろっ!
「元気になったって、つばさから聞いたよ。」
今の攻撃もかなり効きましたが…。
「これがはくりゅーとパルナの絆の…
2017年2月8日
駅の階段を降りていたら天井と壁の角にへばり付いているプリスターと目が合った。全長6、7メートルぐらいの大きさ。
「ちょっと!どうしてこの姿なのよ!もっと可愛い娘の姿で出しなさいよ!」
そんなことでキレられても困るし。プリスターの本体はやっぱりその姿な訳だし。
「ムッキィー!唾吐…
2017年2月7日
ドアを開けると、そこには翼ちゃんがいた。
「白龍さん、そろそろ来る頃だと思っていましたよ。」
白いテーブルの上には紅茶セット。椅子は私と翼ちゃんの二人分が用意されている。私はにょろりと体を動かして椅子に座った。翼ちゃんが丁度いい温度の紅茶を入れてくれた。
「第一歩、おめでとうございます。」
…
次の遊戯王アニメに関して現在分かっていること
・主人公の名前は藤木 遊作(ふじき ゆうさく)
・主人公は目立ちたくない性格(目立たないとは違うかもしれない)
・作品テーマは「一歩を踏み出し、トライしよう!」
・デュエルはスケボーに乗って行う(5D’sであったやつの進化系か?)
これらの情報を元に展開を妄想してみたのがこちら…
2017年2月5日
今日、ルビデがやって来た。
「やあやあ、千花白龍さんよ。久しぶり、と言うのは変な気もするが、久しぶりは久しぶりだ。ブレインチャイルドであるが故にいつでも会えるというのにな。」
ルビデは通常モードの、悪魔らしい不敵な笑みを浮かべている。
「小説を書けなくなったんだってな。更新も随分と滞っているぞ…
あけましておめでとうございます。千花白龍です。
お正月はいかがお過ごしでしょうか。私は「なまける」で体力を回復中です。え?ハクリューは「なまける」を覚えない?ふふふ。
それは置いておいて、いつもお世話になっているサーナイトさんから年賀イラストを頂きました。いつもありがとうございます。
掲載してくださいということだっ…
<場面6、魔王と秘伝の妙薬>
猫魔神「モンスターの出没する山道を超え、一行はついにご隠居の住む山の山頂に到着しました。役目を終えた《降雷皇ハモン》と《皇帝神龍》はカードになり、デッキに戻っていきました。一行が辺りを見渡すと、前方500メートルほど先に一軒の木造の家がありました。」
龍明「あそこにご隠居がいるのか…。」
ゴドール…
<場面1、コタツでみかん>
果てしなく広大な空間を彷徨っていた。暗く冷たい闇の空間。
彼は生まれたままの姿で漂いながら、不思議と羞恥心は無かった。
突如として光の洪水が渦を巻き、その中心にコタツがあった。
コタツは神々しい光を放っている。生まれたての宇宙のようだ。
そこに吸い込まれるようにして、無垢なる裸身は産道を通る。
…
パルナ「ジングルベ~ル♪ジングルベ~ル♪鈴が鳴る~♪」
白龍「もうクリスマスですか。月日が経つのは早いものです。思えば今年は仕事に追われて、九月以降は小説活動がほとんど出来ていなかったなあ…。昨日でようやく仕事も一段落したし、ゆっくり再開したいところです。」
パルナ「そだね~。まずはゆっくり休むといいよ。仕事頑張ってたはくりゅー…
白龍「気が付けばもう10月も最後か…。」
パルナ「しゅーかく、しゅーかく。」
白龍「ハロウィンと言えばカボチャにお菓子。よし、買い込んでいたお菓子の封印を今、解く時だ。」
パルナ「しゅーかく、しゅーかく!」
白龍「ん?何だか外が騒がしい…?パルナちゃんは何をして…。」
パルナ「しゅーかくさい、しゅーかくさい…
サーナイトさんからポケモン絵と設定をもらいました。いつもありがとうございます。折角ですので、ミニ小説書きました。
出電鼠(デデンネ)「…要するに僕達若者チームとどっちがちゅよいかって言ったんでちゅ…。」(オス、陽気でお調子者)
封出印(フーディン)「なるほどのう…。それで口糸(クチート)共々やって来た、と…
前書き
kunaiさんところで私とパルナちゃんがスマイル化した絵が出たのを記念(?)して何か書こうと思っていたら、不思議なことに小説が出来上がっていました。ただし、内容は適当です。それと、kunaiさんの絵を使わせていただきます(事後承諾)。
「触れて~い~いかい~♪見えぬ…
白龍「ふう…。今日で私の『夏休み』はおしまいか…。」
パルナ「はくりゅー!山に行こうよ!」
白龍「おや、パルナちゃん。どうしました?そんな唐突に。」
パルナ「だって今日は山の日だもん。」
白龍「おお、そうですね。休みが一日増える。って、服装が気合入ってるー!ヒュー♪カッコイー!」
画像提供:サーナイトさ…
振り返って。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
走馬灯というものがあると聞いた。人が死ぬ直前に、生まれてから今までの記憶が瞬間的に蘇る現象だ。おそらく、この時間も現実では一瞬の出来事なのだろう。わたしはミッド。チュルーリ様に仕える者だ。
わたしの生まれはウエリストのとある貴族の次男坊。長男は家督を継ぐために必要な教育を受け、次男以下…
永訣の朝。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
窓の外から日の光がやって来る。
「…ああ、ミッド。朝だぞ…。」
長い黒髪の少女、チュルーリは小さな手を大きく伸ばした。
「んんー…。」
そして、伸ばしたついでに窓を開けた。外からは暖かな空気が入り込んでくる。
「昨日はどこまで話したっけな…。無様にも私が捕まった頃の話だっ…
ゆっくりと変わる世界。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「受けませんね。」
これまたミッドは即答した。
「オネ様はもう十分に強くなられましたから。」
「ちっ。勝ち逃げか~。」
オ姉さんから殺気が消えた。
「あの時のツヲとお前の戦いっぷりを見て燃えたんだがな~。」
「え?ミッドはツヲ兄ちゃんと戦ったの?」
フォウルは…
最後の晩餐。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
母さんがゼロを身篭ってから少しして、今まで一言も言わなかったことを言ったのが始まりだった。
「この二、三日はミッドと一緒にいる。お前ら、ミッドに言いたいことがあるなら今の内に言っとけよ。」
フォウルとフィベは何のことだか分かっていないような顔をして肉を頬張るミッドの方を見た。ツレ…
昔に想いを馳せて。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
現在。
マチネの外壁の上で目を閉じたままの青年ツヲと赤の混じった髪の少女オネは昔のことを回想していた。
「結局、僕とミッドが本気で戦ったのはあれが最初で最後だったね…。」
オネは両手を頭の後ろに組んで空を仰いだ。
「そうだな…。あの時、私も人間の強さを垣間見た。」
…
戦いの果てで得たもの。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
勝った。ツヲがそう確信した瞬間だった。ミッドの腕がツヲの水針(ワーエドレ)を脇に挟むようにして掴んだ。
水針(ワーエドレ)は確かにミッドを貫いた。だが、貫いたのは脇腹。即死ではない。ミッドはツヲの一部である水針(ワーエドレ)を捕らえるためにあえて攻撃を受けたのだ。
「勁…
最後の最後まで足掻く。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
残り19秒。大量の水と化したツヲは完全にミッドを飲み込んだ。このままでも溺死は免れない。しかし、今のツヲがそんな時間のかかることをするはずがない。一気に収束し、内部の水圧を鉄と同等の強度まで上げる。それでミッドは潰れて死ぬ。この勝負、あと一秒あればツヲが勝っていた。
バチンッ…
なりふり構わず。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
戦いが始まって少ししてチュルーリは、とある音に気が付き隣のオネを横目で見た。
カリッ。カリッ。
オネは自分の爪を噛みながら食い入るようにツヲとミッドの戦いを見つめていたのだ。そしてポツリと呟いた。
「強い…。」
「かかっ。私のミッドは強いだろう?」
チュルー…
全身で、全開で。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
『水剣(ワーオルド)!』
残り44秒。巨大な水の塊と化したツヲの体から無数の水の剣が飛び出し、動けないミッドに向かって様々な方向から斬り付ける。その斬撃は地面をも深く斬り裂いた。だが、ミッドは斬り裂けなかった。何故なら、その瞬間ミッドは脱出していたのだから。
無数の水剣(ワー…
全力で、全霊で。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「水(ワーテル)!」
残り59秒。僕は地面も簡単に穿つほどに圧縮された水の塊を何十個と出して高速で撃ち出した。当時、銃など存在しなかったが、それよりも殺傷力が圧倒的に高い技だった。
ミッドは僕が水(ワーテル)を放つや否や一気に向かってきた。身を屈め、ほとんどないはずの水(ワー…
決戦の時。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「まあ、戦えば絶対にお前が勝つだろうな。」
僕が、目標――ミッドを超える――についてオ姉さんに相談したら、即座に返答が来た。
「ツヲ、考えてもみろ。お前はほぼ不死の半精霊で魔法使い。ミッドは人間で全盛期をとうに過ぎた老人。勝負の結果は火を見るよりも明らかだ。」
オ姉さんの言う…
必ず、ミッドを超える。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「申し訳ありませんがそれは出来ません。」
チュルーリが何かを言おうとするよりも前に、ミッドはそう言って僕に向かい深々と頭を下げた。
「何故ですか。」
「チュルーリ様より、ツヲ様の教育を命じられております。死んでは使命が果たせません。」
「勝てない、ということ…
目標が、出来た。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ある日のことだった。いつものように母さんはオ姉さんを連れて住処を離れ、戦いに適した遠くの場所へと向かっていった。二人の戦いは、住処の近くで行えばこの辺り一帯が住めなくなるほどの激しさを持っていたからだ。留守番の僕はいつものように彼と一緒に畑を耕していた。
その時だった。遠くの茂…
少し、昔の話さ。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
僕の記憶がはっきりしてくるのは生れ落ちてから数日が経ってからだった。人間からすれば驚異的だが半分精霊である僕は半分既にこの世界に生まれていたようなものだから、その日は僕が人間という形を得た日ということになるだろう。
はっきりしない部分、薄ぼんやりとした記憶の中で覚えているのは生…
黄昏て物思い。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
大陸中央にあった機械大国マチネは滅びた。外敵の侵入を阻むための巨大防壁だけがマチネの面影を残している。その壁の内側の中央には貯水兼生簀の巨大な池が出来て、その周囲には畑や林や貯蔵庫や家などが建てられていた。
マチネ崩壊から数週間が経っていた。これらの施設や地面の整備、壁の補修などは炎の魔…
白龍「おっと、帽子がずれとる…。直し、直し…。」
翼「二人とも似合ってますよ。」
パルナ「つばさもね。」
左から白木翼(三月兎)、千花白龍(マッドハッター)、パルナ(アリス)
画像提供:サーナイトさん。いつもありがとうございます。
白龍「今回のテーマは不思議の国のアリス!お客さんをティー・パーティで迎え…
パルナ「さあ、今~だ~、かざせよ切り札~♪」
ここは世界のどこかにあるという憩いの湖。その湖の畔の家の中で、看板娘のパルナちゃんは畳の部屋で寝転がりながら本を読んでいた。
白龍「おや、パルナちゃん。何を読んでいるんです?」
パルナ「ゆーぎおーのモンスター図鑑だよ。」
…
白龍「今日も暑かった…。」
パルナ「はくりゅー、今日は七夕だよ。しかも晴れたんだよ。」
白龍「おや、そう言えばそうですね。」
パルナ「だから願い事を書いて飾るよ~。」
白龍「さて…なんて書こうかな…。」
パルナ「かきかき…。ぺたっ。」
白龍「う~ん…。」
パルナ「かきかき…。ぺたっ。」
白…
パルナ「行くよ…!パルナの…ファイナルターン!!」
パルナちゃんは勢いよくカードを引いた。その瞬間、辺りは一瞬だけ静寂に包まれた。
パルナ「…。」
白龍「…。」
そして、パルナちゃんは引いたカードを高らかに発動した。
パルナ「パルナは…魔法カード、強欲な壺を発動するよ!」
強欲な壺
通常魔法(禁…
白龍「私のターン。この瞬間、未来融合により二体目のF・G・Dがフィールドに出る。そして、ドロー。」
攻撃力5000のモンスターが二体、その迫力は圧巻であった。だが、攻撃の手が止まる。パルナちゃんの裏側守備表示モンスターが何か分からないからだ。
白龍(さっき、タイダルで攻撃して反射ダメージを受けたからなぁ…。もし、あのモンスタ…
白龍「私のターン、ドロー。」
ドローカード:焔征竜-ブラスター
白龍「クククッ。来て欲しい時に来て欲しいカードが来るというのは気分がいい。」
パルナ「なーんか、いやーな、よかーん…。」
白龍「手札のブラスターの効果発動。もう一枚のブラスターを捨てて、お前の魔法・罠ゾーンのカードを破壊する。」
魔法の筒(破壊…
※最初にkunaiさんに謝っておきます。深夜のテンションで書き上げました。事後報告&なんか色々間違ってるだろうから、ごめんなさい。アレでしたら消します。
ここはどこかの世界にある憩いの湖。その湖の看板娘のパルナちゃんは今日も元気です。
パルナ「はくりゅ…
白龍「よし、この前の土曜日に朝寝、昼寝、夜寝をしたから後一ヶ月は頑張れるぞ。」
パルナ「…。ルナ(パルナちゃんのルナトーンのニックネーム)、はくりゅーにさいみんじゅつ。」
白龍「うっ!急に眠気が…!」
―
―――
――――――
―――――――――――
(鳴り響くサイレンの音)
艦内アナ…
彼女が僕のご主人様。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
初めまして、皆様。僕の名前はトルです。ご主人様からは愛称のトールで呼ばれています。
実は僕には記憶がありません。数日前にこの浜辺に打ち上げられてからの記憶はありますが、それ以前のことは何も覚えていません。最初に僕が奴隷だって聞かされた時はびっくりしました。しかも、ご主人様は魔法…
嗚呼…ちょっと嬉しいだけ…。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「く、くく…。」
海岸に鎧を着た女性が一人佇んでいる。
「あっはははははは!!」
そして、周囲には雷撃で砕け散った鉄の塊や岩の塊が転がっていた。
「出来た…出来た…!出来たあ!!」
突如としてツレエの周りに電撃が迸る。一つや二つではない。何十、何…
勝者の権利。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
破動弾によって半分になったツレエの顔の傷口から見えているのは電気と魔力の混合物。それはツレエが「魔物」と呼ばれている理由を雄弁に物語っていた。しかも、そこから溢れ出る電気と魔力によってツレエの顔は簡単に元に戻ったのである。
見た目は人間だが、その中身は化け物。スハドゥは恐怖した。ツレエ…
勝った…。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ツレエの顔を直撃した破動弾は、スハドゥの極限の集中力と表人格であるトルの日頃からの絶え間ない脳内訓練があってこそ出せた代物だった。
魔法の発動条件である呪文の詠唱を短くする技術を詠唱破棄と言う。その場合でも何かしらの予備動作や技名を言うなどで魔法を意識化して使っている。頭の中で思い浮かべ…
嗚呼…大分とスッキリ…。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
(嗚呼…苛々した…。本当に苛々した…。けれども、これでスッキリした…。)
スハドゥの叫び声が響き渡る中、ツレエは達成感を覚えていた。今まで封印されて窮屈な思いを強いられていたことを清算出来た気がしたからだ。そしてそれは次第に高揚感へと変わっていった。
(嗚呼…何だか興…
嗚呼…ちょっとはスッキリ…。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
グチャリという音と共にスハドゥの脇腹を貫通した鉄の槍はそのまま地面を突き刺して、彼を完全に大地に縫い付けた。同時に致死量に届かない程度の電撃が地面に倒れたスハドゥを襲った。
『がああああああああああああああああああ!!!!!!!!ああああああああああああああ!!!!!!…
白龍「ぐー・・・。ぐー・・・。」
―
―――
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―――――――――――
(電車の音)
シズカ「さあ、始まりました。第二十三回目になります、ザ電車バトル。実況と解説は私、シズカとショウスケ君です。」
ショウスケ「いや、訳が分からないんだが。」
シズカ「今回の乗客はカズヤ選…
やべえ、けど…。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
(『やべえなあ…。』)
奪った魔力も底を付き始めているボロボロなスハドゥ。それに対するは鉄の鎧を身に付け、鉄の剣を構えるツレエ。
(『絶体絶命か…。』)
言霊と言う言葉がある。自分自身が吐き出した言葉に自分や周囲が影響を受けるという考え方だ。強い言葉や激励の言葉を唱えれ…
やべえなあ…!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
海岸線に巨大な鉄の山がある。これだけの建造物がつい先ほどまでは影も形もなかったなどと言っても、この場にいなかった人間は信じないだろう。戦場に散っていた鉄を磁力で集め、ツレエが作り出した鉄の檻。その中にスハドゥは生き埋めとなっていた。
(『やばかった…。』)
その…
魔法を多彩に操る者を天才と呼ぶ。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
飛んでくる鉄の塊はどれもこれも当たれば即死。そんな鉄の雨が降り注ぐ中、スハドゥは必死にそれらを交わし続けていた。どこに反撃の糸口があるか分からない。しかし、生き残らなければ反撃すら出来ない。スハドゥはとにかく鉄の塊を交わし尽くすことを最優先に考えた。
右に左に上に下…
嗚呼…この糞野郎が…!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ツレエの連続攻撃の一瞬の間隙を狙ってスハドゥは彼女の懐に飛び込んだ。
(『狙うは心臓!超至近距離の密着状態から、さっき吸収した魔力で破動弾を食らわせる!』)
本来なら手馴れている雷(スンデル)の方が速く撃つことは出来た。しかし、雷の宝玉から出現し、かつ魔物とまで呼ばれていた…
嗚呼…ようやく戦える…!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「雷(スンデル)!」
ツレエは雷撃をスハドゥに向かって放った。
(『速い!だが!』)
スハドゥはその雷(スンデル)を、糸を手繰るように魔力に分解して自身に吸収し始めた。魔法使い相手の技としてこれほど強力なものもそうはないだろう。スハドゥは相手の魔力を分解して自分…
嗚呼…言い分け過ぎて苛々する…!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
『あまりトルを苛めないでくれないか?』
トルの雰囲気が一瞬にして変わった。先ほどのオドオドした態度が消えたのだ。それと同時にトルに向かってきていた電気鞭と雷精霊(デンリュウ)が魔力に分解され、トルの体へと吸収されていった。
「ああ!?」
ツレエは顔を歪める。姿形…
春のうららの中、湖の主である千花白龍はうとうとしていた。
白龍「うつら、うつら…こっくり、こっくり…。」
――――――――――――――――――――
ケンジ「カズヤ…!お前、隠れクツシタンだったのか!?」
カズヤ「へへ…。ばれちまったか…。」
カズヤ「ばれちまった以上、俺はここにはいられない。あば…
嗚呼…やっぱり苛々する…。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「ん…。」
朝の日差しが照りつける中、トルは自然と目を覚ました。柔らかい感触と妙に硬い感触が体の側面にあり、何やら温かい風が顔に当たっていた。
「ん?」
トルはまだ寝ぼけているのかと思って目を二、三度パチパチと瞬きをした。何故なら自分は裸で、しかも鉄の鎧を着て…
嗚呼…面倒臭くて苛々する…!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
マチネ軍を全滅させたツレエは次なる標的をトルに定めて歩き始めた。
(トルめ…どこにいるの…!?必ず殺してやるわ…。)
驚くべきことにツレエは無意識的に微弱なトルの魔力を感知して彼のいる場所に真っ直ぐ向かっていた。
無意識なので本人に何かしらの確信がある訳でもないのに…
嗚呼…まだ苛々する…!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ある日、飛鳥花はまだ見ぬツヲの妹二人のことを尋ねてみた。
「ああ、ツレエとフィベだね?ツレエは一言で言うと意地っ張り、フィベは陽気って感じかな。」
そこにオネが首を突っ込んできた。
「かかかっ。当てにならん情報だ。愚弟は色眼鏡で見てるからな。ツレエは情緒不安定で私でも手を…
この程度とか、苛々する…!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
鉄で厳重に覆われているため雷の宝玉の異変は目に見えない。しかし、バチバチという音は外にまで響き、すぐに隊長のシンに報告が走った。
「進軍停止だ!すぐに雷の宝玉のところへ集結せよ!」
報告を聞いてシンが真っ先に考えたのは、生き残っていた魔法使いの襲撃の可能性だった。生…
嗚呼…苛々が止まらない…!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
雷の国の魔法使いを一人残らず殺し、雷の宝玉を手に入れて大陸中央のマチネへと引き上げるはずだった雷の国討伐部隊が何故消息を絶ったのか。彼らは知らなかったのだ、魔法使い達が守っていた雷の宝玉が何であったのかを。
「シン隊長!ついにやりましたね!」
「我らマチネの悲願…
嗚呼…本当に苛々する…!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
時間を少し巻き戻す。マチネが滅びる少し前に…。
マチネ軍の主力部隊の一つがジュールズの国の一つ、雷の国に攻め込んだ時の話をしよう。
マチネがジュールズを滅ぼすために結成した五つの大部隊の内の一つ、雷の国討伐部隊の隊長はシンという見かけが中年の男であった。本来の…
白龍「グー…グー…。」
千花白龍は眠っている。
ダークライが現れた。ダークライの特性はナイトメア。眠っている者に悪夢を見せるぞ。
白龍「ん…むむむ…。」
――――――――――――――――――――
ケンジ「カズヤ!?」
カズヤ「来るな!くそっ!こっちもパンダ虫だらけだ!」
ケンジ「畜生…
オネの感想。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
(うむ、いい戦いだった…。やはり、死力を尽くした戦いというものはどのような結末を迎えようともいいものだ…。)
心の中でそう思いながらオネは本の続きをめくろうとした。が、本は破れていて続きはなかった。
「何?これで終わりだと?魔王との戦いはどうなったのだ?」
オネは不満を口にした…
オネの読書その4。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
続きを読みますか?
⇒【はい】
(うんうん、それで――――。)
オネは本の続きをめくった。
特技も対策され、魔法も使えない状況に追い込まれたスライマに打つ手など残っているはずもない―――――。
だが、それはスライマが全ての手の…
パルナ「混ぜて、こねて、焼いて~♪切って、溶かして、盛り付け~♪」
白龍「おや?パルナちゃんが台所で何かを作っている…?」
パルナ「で~きたっと!受け取れ、はくりゅー!パルナちゃん謹製のバレンタインチョコ乗せクッキーだー!」
パルナちゃんはクッキーをブン投げた!
白龍は素早くキャッチした!…
オネの読書その3。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
続きを読みますか?
⇒【はい】
(それから、どうなった――――。)
オネは本の続きをめくった。
【スライマの まぶしいひかり!スライマの 体から まぶしいひかりが ほとばしる!
しかし 戦士は 目をつぶってかわした!】
…
それは二月三日の節分の日の出来事でした。ポケモン界で「福」を担当するハピナス達と「鬼」を担当するオニゴーリ達との間で喧嘩が始まったのです。
いえ、それは喧嘩と呼ぶにはあまりにも激しい戦いでした。最早、それは戦と呼んでも差し支えありませんでした。そう、ポケモンバトルというなの戦…。
オニゴーリ『毎度毎度節分になると鬼のオレ…
オネの読書その2。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
続きを読みますか?
⇒【はい】
(いよいよ戦闘か。どれどれ――――。)
オネは本の続きをめくった。
【スライマが 現れた!】
先手必勝とばかりに戦士は構えた剣に魔力を込めて切り放つ。
【戦士の 先制攻撃!戦士は…
オネの読書。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
小説『魔王の死んだ日』を読みますか?
⇒【はい】
(こうして手に取って本を読むなど、封印されて以来か…。)
オネはたまたま手に取った小説『魔王の死んだ日』を開いた。
(何々…。その日、魔王が―――――――。)
…
オネの選択。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「…おっと!」
オネはハッと我に返った。
(危ない、危ない…。)
もう少しばかりオネが物思いに耽っていれば、昂ぶった感情により高温の熱源と化した自身の体が発火原となって隠し部屋は全焼していただろう。オネは深呼吸をして、温度を下げた。
「やらぬぞ?かかかっ。」
オネは乾き…
オネの回想。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
(あの日も結局は…。)
オネの脳裏には昔の出来事がつい昨日のことのように浮かんでいた。
―――――――――――――――――――――――――――――――
「黙れクソババア!やってみなければ分からんだろうがあ!」
悪態を吐きながらオネは立ち上がり、呪文を唱えた。
…
オネの探索。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「…取り敢えず、ツヲ兄ちゃん達に隠し部屋があったって言ってくる。」
「ああ、そうしてくれ。ツヲやアールは本好きだしな。」
フォウルは腕の形の土神霊(グノメ)に乗って隠し部屋から立ち去った。
一人になったオネはもう一度、隠し部屋の中を見回した。
「炎(ブラーゼ)…
オネの主張。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
壁の中にあった空洞へとオネは一歩踏み込んだ。それだけで視界は先ほどまで太陽の下の光溢れる世界から全てを拒むような薄暗い世界へと変わった。
壁の中の空洞には光を取り込むような窓がなかった。その存在を隠すために外部との接触を極力避けるための工夫だったのだろう。その代わり、オネが上を見ると、そこ…
新発見。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ガリゴリガリゴリ。巨大な炎の蜥蜴達が瓦礫を噛み砕いて大地を更地に変えていく。そして、尻尾で地面を掘り返し柔らかくしていく。これら、炎の化け物達は炎精霊(アフレエテ)の一形態であり、召喚した魔法使いであるオネの命令に従い大地を耕していた。
「ん~。もう、十体、二十体は増やそうかなあ…。」
…
姉の考え。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
(さて、いよいよ次か…。)
ツヲは無意識に唾を飲み込んだ。
(確率は半々ってところだろうけれど…。)
「で。」
ツヲはクルリと振り向く。その向きの先には腕組みしているオネがいた。
「オ姉さんはどうなんだい?」
「ん?いいんじゃないか?かか…
兄なりの説得。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
(さて、どうしたものか…。)
ツヲは少しばかり手を顎に当てた。
(ゼロも飛鳥花ちゃんもフォウルにどう声をかけていいか分からない感じだね…。ゼロは自分のことで一杯一杯だし、飛鳥花ちゃんはフォウルと長い付き合いではないから仕方ない。今のところはオ姉さんが介入してくる気配はない。けど…
パルナ「みんなー!あけましておめでとー!湖の看板娘、パルナだよ。」
白龍「昨年の最後は少々停滞していました千花白龍です。今年は昨年に勝る(まサル)よい年にしていきたいと思います。」
パルナ「良い心掛けだよ、はくりゅー。…
過去掲載リンク
魔法ツ会議(一回目)
魔法ツ会議(二回目)
場所:会議室
参加メンバー:湖の魔法使い達とか
白木翼「今年も後、僅かですね。」
☆白木 翼(しらき つばさ):『ルビデVS白木 翼』などに登場。ミス・パーフェクトなど多数の異名を持つ少女。千花白龍の憩いの湖の超重要キャラクタ…
どうも皆さん、私は千花白龍。そう、私はハクリューのはずだったんですが、朝起きて鏡を見たらカイリューになっていました。この手紙を読んでいる貴方。どうか、この事件の真相を暴いてください。それだけが、私の望みです。
白龍「って、ちがーう!驚きのあまり訳の分からない置き手紙を書いてしまった…。ってカイリューになったとかナレーシ…
結果が全て。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
――――――――――――――――――
チュルーリが精霊界へと還った後、カトレーアは真ん中の土地に新しい国を作った。センテル国王の娘という立場と、強力な魔法が使えるようになったこと、そして戦の終結宣言と夏の国の女王筒姫の後ろ盾によって人々を集め、カトレーアは新しい国作りを成功させた。
…
人間を信じることは出来るのか。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
フォウルは濁った目をアールとツヲに向けて、喋り始めた。
「封印されていても少しだけ外のことは分かる。最初はよかった。人間達は再び真ん中の土地に集まり、助け合って国を作り直し、今までと同じ平和な国を取り戻そうとしていた。でも、ワタシ達がいなくなった後、方針を示す者がいな…
期待はあった。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「フォウルはどうだい?」
ツヲはフォウルにも話を振った。
「ワタシは…。」
フォウルは少し俯いて言った。
「正直、もう人間には期待したくない。ツヲ兄ちゃん、それにアール。ワタシ達が作った国の結末は覚えてる?」
フォウルにそう言われてアールとツヲの顔から明るさが消えた。
…
毒と薬は紙一重。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「うん、いい答えだ。」
ツヲは微笑んだ。
「僕も同じ気持ちだよ、ゼロ。あの時、途中になってしまった理想の世界を作るための第一歩としての理想の国作り、もう一度始めよう。」
その言葉を聞いてアールの表情がパッと明るくなった。
「…はい!」
「で、飛鳥花ちゃんはどう思う?…
ゼロからの始まり。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「逆に聞こう。ゼロ。」
ツヲはアールに言葉を投げかけた。
「この世界は未だに英雄ハイジマバイカの目指した世界になっていない。では、どうする?ゼロは、どうしたい?」
「わたしは…。わたしは――――――。」
アールは自分の心が思ったことをそのまま口にした。
「新しい国を作りた…
白龍「忙しくて掲載が飛び飛びにはなりましたが、取り敢えずは詰めデュエル編をちゃんと最後まで発表出来ました。」
「白木翼「そうですね。良かったです。」
白龍「深夜のハイテンションで作ったので、細かいところはあれかもしれませんが、大鳥獣-ポッポゥでジャストキルをする詰めデュエル…
「ダブルー!」
次の瞬間、パルナちゃんは飛び起きた。そこは憩いの湖の白龍の家のリビングのソファーだった。
「あ、パルナちゃん。起きたんですか?」
そして、近くには尻尾で器用にキーボードを打っている湖の主、千花白龍がいた。
「…はくりゅー!ねえ、ダブルーは?秘密の部屋は?詰めデュエルマシーンは?」
「え?…
「やったー!パルナの勝ちだー!」
「おめでとう、パルナ。」
パルナちゃんは両手を上げて喜び、WWは軽く拍手をして勝利を祝福していた。
「…。」
喜び切ってから、パルナちゃんは冷静さを取り戻した。そして、小さな疑問が湧いてきた。
(何だろう…。勝ったのになんか変な感じ…。この詰めデュエル、…
問題:このターン内で勝利せよ。(残り挑戦回数二回。)
パルナちゃん LP100
手札5(大鳥獣-ポッポゥ、死者蘇生、『守備』封じ、ハリケーン、心変わり)
墓地34(モウヤンのカレー×3、レッド・ポーション×3、ブルー・ポーション×3、ゴブリンの秘薬×3、天使の生き血×3、治療の神ディアン・ケト×3、恵みの雨×3、盗人ゴブリン×…
魔宮の賄賂の攻略法が見つからない状態で、パルナちゃんは再び同じ詰めデュエルに挑むことになった。いつもは元気なパルナちゃんの表情も、この時ばかりは曇っていた。
「うーん…。ね、ねえ、ダブルー。」
『どうしたの?パルナ。』
「そ、その…。もしも、もしもだよ…。パルナが後二回とも間違えたら、どうなるの…?さっき、世界がどうとか言…
パルナちゃんが扉を開けると小さな空間があった。部屋というより、物置ぐらいが近いかもしれない。ある物と言えば目の前にデカデカとある機械だけである。
「この機械どっかで見たような…。あ、ゲームセンターとかにあるやつだ。」
その巨大な機械は座るところと画面がある。丁度、車のハンドルを操作して一位を目指すレースゲームのようなやつであ…
晴れやかな太陽に見守られ、穏やかな気候を謳歌するこの場所は憩いの湖。龍や少女やたくさんの生き物達が住まう場所である。そんな湖のほとりの家で今日も何やら始まる様子。さてさて、何が起こるのか。それはこの後のお楽しみ…。
「はくりゅ~?はくりゅ~?」
湖のほとりの家の中を歩く少女。彼女の名前はパルナちゃん。この湖の看板娘で…
白龍「皆さん、こんばんは。夏も終わって段々と寒くなってきましたが、時たま暑い時もある、そんな日々を如何お過ごしでしょうか。」
パルナ「やっほー!皆、元気ー?パルナはいつも元気だよ。」
白龍「おうっと!パルナちゃん、なんかいつもと雰囲気違う!」
パルナ「ふっふっふっ~。デュエリストのkunaiさんが描…
答えよう。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
嗚咽と共に涙を流すアールの前で、ツヲはゆっくりと口を開いた。
「…果てしない昔…。まだ、この人間の世界も精霊の世界も誕生していなかった時の話をしよう…。『誰か』が一粒の涙を溢した。それが、世界になる前の材料が混ぜ込ぜになっている場所に落ちた。そこから光と闇が、精霊達が、魔法が、生き物が、…
心の穴。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「アール!」
フォウルが静止するのも聞かずにアールは上半身をはだけさせた。サラシに巻かれた大きな胸と共に柔肌がさらけ出される。そのアールの体を見て、全員が言葉を失った。
フォウルは衝撃で目眩がして足元がふらつく。
飛鳥花は驚きのあまりツヲの胸倉を掴んでいた手を離した。
オネは半ば…
懐かしさを噛み締めるように。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「いかがですか。フォウルお姉様。」
アールは竜の肉を切り分け、フォウルのない腕に代わって食事を口に運ぶ。
「うん、美味しい。」
フォウルは微笑んだ。
「でも…。」
「でも?」
フォウルの微笑みはそのまま苦笑いに変わった。
「今はもう、一人でも食べられるけど……
ヨーコ「白木様、国際宇宙ステーションから撮影された写真の中に偶然あったものです。画像は荒いのですが、まさか…。」
翼「う~ん…。これはどう見ても…。」
サーナイトさんから頂きました「一年の妹達」のIfのワンシーン(?)です。いつも素敵な絵をありがとうございます。
貴重な昼食。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
アールは一度建物の中に入って、肉切り包丁と皿を持って帰って来た。
「今、切り分けますね。」
そう言って建物の外にある物体に近付いていくアール。その時、飛鳥花はそこにあるのが巨大な生物の死体であることに気が付いた。
(そうか…。さっき、オネの奴がどこから骨付き肉を出してきたかと思った…
一休みしよう。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「はあ、はあ、はあ…。」
恥ずかしさのあまり溶解液を撒き散らしていた飛鳥花は、ある程度放出したところで感情の昂ぶりも収まり、それと共に溶解液の放出も止まった。辺りの地面などは多少溶けたが、フォウルはアールを連れて土神霊(グノメ)の影に隠れていたので無事だった。
「ごめん、飛鳥花…
それが彼女の照れ隠し。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ほんの少しだけ時間を遡る。
兄ツヲ、姉フォウルと妹のアールの感動の再会も、ツヲの失言からの姉オネの介入で半ば強制終了してしまった。ただオネがツヲの首根っこを掴んで引っ張っていくが、そこに流れる空気は温かかった。フォウルもアールもクスクスと笑ったり、微笑んだりしていた。…
気になって気になって気になって。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
マチネの壁の外側に見える二つの影。姉のオネと弟のツヲである。
「どどどどどどういうことなんだい!?オ姉さん!?ゼロに好きな人が出来たなんて聞いてないよ!?」
ツヲは動揺の余り、声が激しく震えていた。先程の冷静沈着で大人の振る舞いとは打って変わって、その動きは頭のて…
絆とは。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
生き別れの兄、姉と妹との感動の再会だが、ツヲの手を握っていた飛鳥花は非常にバツの悪い思いをしていた。後ろの方で見ているならともかく部外者の自分が感動の再会の最前線にいるのは非常に気まずかった。その時、飛鳥花は少し遠くに座っているオネが手招きしているのが見えたので、そっとツヲの手を離した。
…
感動の再会。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
『ツヲ様、オネ様、こちらが本日のお召し物になります。』
「ありがとう、水神霊(ウンディーネ)。」
「相変わらず仕事が早いな。かかかっ。」
ツヲが召喚した水神霊(ウンディーネ)がいつもの旅人の服と、小さな可愛らしい服をどこからともなく持ってきて、二人はそれに着替えた。
…
姉弟喧嘩の結末。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「かかかっ!どうした愚弟!動きが鈍いぞ!」
マチネの巨大防壁の外に広がる平原をオネは身軽に動きながら次々と炎(ブラーゼ)を放つ。
「気のせいだよ!オ姉さん!」
ツヲは紙一重で炎(ブラーゼ)を交わしながら、間隙を狙って高水圧の水(ワーテル)を放つ。しかし、オネもまた絶え間なく動き…
まずは殴り合いから始まる。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
姉との感動の再会もどこへやら、口論からついに殴り合いにまで発展したオネとツヲ。オネの腕は短いが瞬発力が尋常ではなく、ツヲの攻撃が当たる前にその拳が顔面を直撃した。瞬間、ツヲの顔は水に変わり、水滴が少々辺りに飛び散ったぐらいですぐに元に戻った。同時にツヲの拳がオネの腹部を直撃。し…
口は口論の元。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「で、フォウル。何か言いたそうだな…。」
先程から一言も声を発さず崩壊したマチネの光景を見ているフォウルに向かってオネが声をかけた。
「…。」
フォウルは何も言わず、唇を噛んだ。元々口数が多い訳ではないが、一言も喋らないという訳ではない。フォウルは複雑な表情を浮かべていた。
…
再会は突然に。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「水(ワーテル)!」
突然飛んできた炎の塊に対してツヲは躊躇することなく前に飛び出し、水の塊をぶつけて相殺する。炎(ブラーぜ)は消えたが、水(ワーテル)も一気に水蒸気になった。
「毒(ポイソン)!」
ツヲが水の塊を放ったすぐ後に、飛鳥花も声のした方に向かって毒の塊を発射する。
…
壁の先で待つ者。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ツヲ、フォウル、飛鳥花の三人は林を抜けてマチネの巨大防壁の近くまでやって来た。
「改めて見るととんでもないデカさだな。これを作るためにどんだけ土を運んだんだか…。」
飛鳥花は首を思いっきり反らして上を見た。真近くから見るマチネの巨大防壁は天まで届いているような錯覚まで起こさせるぐ…
マチネ、到着。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
大陸中央に存在する機械大国マチネに向かうための林道を三人の者が進んでいく。男一人と女二人。女の一人は男の手をちょっぴり照れながら握り、横を歩く。もう一人の女は男と歩幅を合わせて横にピッタリと並んでいた。両手に花、そんな言葉がピッタリくる光景だった。
男の名前はツヲ。本名はワーテル・ツ…
白龍「どうも皆さん、千花白龍です。」
パルナ「パルナだよ。」
白龍「今回、初めてデュエルメインの小説を書きましたがいかがでしたでしょうか。」
パルナ「パルナもたくさん頑張ったよね。」
白龍「はい、めっちゃ頑張りましたね。主役お疲れ様でした。」
パル…
「行くよ、パルナのターン!ランニング・ドロー!」
絶体絶命の中でパルナちゃんが引いたカードは!?
ドローカード:龍の鏡(ドラゴンズ・ミラー)
「キター!パルナは魔法カード、龍の鏡(ドラゴンズ・ミラー)を発動!」
パルナちゃんは嬉々としてカードを発動させた。おそらく、このデッキ最強だと思われるあのモンスターを呼…
「パルナのターン!来い、ドラゴンモンスター、ドロー!」
お互いのフィールドが空っぽになった今、一気に形勢逆転出来るかもしれない大チャンスでパルナちゃんが引いたカードは!?
プチリュウ:通常モンスター
星2/風属性/ドラゴン族/攻 600/守 700
とても小さなドラゴン。小さなからだをいっぱいに使い攻撃する。
…
ここは世界のどこかにあると言われている憩いの湖。そこには不思議なドラゴンと可愛い少女が住んでいるという――――――。
「はくりゅ~?」
黒のゴスロリ服を着た緑の髪の少女が綺麗な湖の近くの大きな家の中をキョロキョロしながら歩いている。歩くたびに揺れるポニーテールがチャームポイントの一つである少女の名前はパルナち…
白龍「皆さん、暑い夏をいかがお過ごしでしょうか。千花白龍です。」
パルナ「皆、元気にしてる~?看板娘のパルナだよ~。」
白龍「自分の書いた小説をブログという形で発表し始めて、気が付けばもう3年以上になります。そんな中で『英雄再来』は現在1年以上も発表がかかっているという状態…
これがワシの最後か。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
王道具『表裏皆無(クライ・クライン)』が崩れ、アウトマは暗い地の底へと落ちていった。
(ああ…。これがワシの最後か…。王道具『表裏皆無(クライ・クライン)』が壊れた今、ワシに出来ることは何もない…。このまま地の底に叩き付けられて死ぬか、ただの鉄の塊となった『表裏皆無(クライ・ク…
人間はどこまで私を楽しませる気なのか。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
突然現れた巨大な竜に捕まって、オネは水面に叩き付けられた。
「ごへっ!げぼげぼっ!!」
オネは咳き込みながら水面を飛び出した。
「やってくれたな!アウトマあ!」
その時、オネは周囲が吐き気のする臭いで充満しているのに気が付いた。
(何だこりゃ?)
…
今日は旧のお盆の迎え日。パルナちゃん達はご先祖様の霊を迎えるためにお供え物を作っています。
白龍「ご先祖様の霊が来る時は馬に乗って早く来て、帰る時は牛に乗ってゆっくり帰るようにとの願いを込めて、きゅうり(馬)となすび(牛)のお供え物が考え出されたんですって。」
パルナ「へー。それってポケモンに例えるとこんな感じ?」
…
化け物め…。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
光子力放射によって生み出された光の力は熱に変わり、辺りはとてつもない高温となった。見た目はそこまで代わり映えしないが、その場に生き物が踏み込もうものなら自然発火し、焼き尽くされる程の状況。その中に立っている者が一人いた。
アウトマであった。アウトマはその灼熱の中でも平然と立って…
面白いことをしてくれる。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
迫るオネに対してアウトマは動かなかった。いや、動けなかった。アウトマの身体能力は常人の老人並み。特に体を鍛えていた訳ではないし、戦闘経験がある訳でもない。オネの素早さにはついていけない。
だが、オネの攻撃はアウトマには当たらなかった。
「あ?」
それどころかオネはアウト…
遊びは終わりじゃ。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
オネが建物に飛び込んだ瞬間、そこが地下への入口になっていることに気が付いた。地面に不自然に空いた大穴。周囲の建物はほとんど溶けているのにこの辺りだけ溶け残っていることは、ここが他よりも頑丈に作られている証拠であった。
オネはそのまま穴の中へ落ちた。オネの身体能力や魔法を持ってすれば落…
こんなのはただの遊びだ。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「魔法使いいい!!」
物陰から飛び出した者は即座に持っていた連射銃を乱射した。
ガガガガガガガガッ!!
音は盛大に響いたが弾丸は一発もオネに当たることはなく、全てデタラメな方向に放たれていた。それもそのはずで連射銃を撃った者が反動でその場にずっこけていたのだから…
終わった…。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
本来、魔力を大量放出すれば数秒や数十秒で途切れてしまう。魔法攻撃も同様で、永遠に撃ち続けられる攻撃などない。しかし、アールの放ったエターナル・フォール・ブラストは継続時間が異常に長い魔法攻撃である。その高い威力に加えて継続時間の長さ故に、最強の魔法とまで称されていた。
その長き攻撃が終…
これが最後…。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
オネが再び連続攻撃を仕掛けようとした時、上空から軽石が一つ落ちてきた。先程オネが地面を殴り付けた時に空に上がった物だった。それがちょうどアールの頭の上に降ってきた。
「あてっ!」
アールはそれを交わさなかった。正確には交わせなかった。アールの真実の眼は発動終了したのだった。
…
手の内の読み合いだな。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「かかかかかっ!そうでなくてはな!」
ブッ飛んだオネは即座に跳ね上がるように起き上がった。同時にオネの周囲に粘土のような炎が戻ってきた。先程は攻撃に周囲の炎を使い過ぎたために自分自身を守る炎がなくなってアールの肘打ちを受けてしまったが炎が戻ってきた今のオネに死角はなくなった。
…
反撃開始。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「がはっ!!!」
オネのかかと落としで空中から一気に地面に叩き付けられたアールは、攻撃の衝撃で胃の中の物がひっくり返りそうになった。地面への落下の衝撃は風精霊(シルフィード)が和らげてくれたが、かかと落としの直接的な痛みが尋常ではなかった。
風精霊は自分の主が攻撃されたとあって黙っては…
守らなくちゃ、いけないんだ。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「はあ…!!はあ…!!」
五体の精霊召喚、大・破動弾、極大・破動弾、更には必殺技の破動砲を連続で放ったことでアールは魔力的にも体力的にも一気に疲弊した。母親であるチュルーリの力を受け継いでいるため魔力が切れて死ぬようなことはないがオネやツヲと違って体は基本的に人間寄りであり…
よろしい、ならば戦闘開始だ。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
まず動いたのはアールが召喚した精霊達だった。その中でも先陣を切ったのは女性の姿をした水精霊(アクアリウス)。水の体を武器に変えたり、そのまま包んで溺死させたりする攻撃が一般的な精霊である。
「かかかっ!炎(ブラーゼ)!」
オネは一足飛びで水精霊を迎え撃ち、頭を掴んで炎…
戦うか、折れるか、それが問題だ。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
姉であるオネを前にして、既にゼロは戦意喪失していた。その時、ゼロの脳裏を過ぎったのはマチネで過ごした僅かであっても濃密な時間だった。
ソルディエルに見つかって侵入者として戦わなければならないかと思った瞬間、裸であることを真っ先に心配され、気遣われた。それが本気で…
姉妹であっても言わなければならないことがある。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ゼロは戸惑っていた。その言葉を言うべきか戸惑っていた。しかし、ゼロは言わなければならない使命感を持っていた。他に言う者がいないから、自分が言わなければならないという責任感があった。
「オ、オ姉様。」
「ん?」
「その…。あの…。」
ゼロは…
お楽しみは、これからだ。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「あー。今のは効いたー。」
マチネの巨大壁にめり込んだオネは居眠りから起きるような口調でその場から飛び出すと一直線にマチネの中心部に向かった。
(誰だ?誰だ?誰が、私に攻撃を仕掛けた?私の炎(ブラーゼ)をかき消し、ここまで吹き飛ばせる奴…。そんな奴がまだこの世界にいたのか…
隊長、お許し下さい。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ソルディエルの心は嵐のようにめまぐるしく色々なことを考えていた。それらは全てマチネがどうすれば勝てるのかに繋がっていた。しかし、勝機が何一つ見えてこなかった。
マチネの中枢区画は先程戦った魔法使いの巨大な炎に飲まれた。それ以降、何の連絡も通信機には入っていないし援軍も援護射撃もない…
ごめんなさい、隊長。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「マチネまで最速で運んで!風精霊(シルフィード)!!」
ゼロが呪文を唱えると周囲に風が渦巻き、飛行機のような形となってゼロを包んだ。そして、ゼロはマチネに向かって一気に加速した。
するとすぐに見えてきたのはマチネの上空に浮かぶ巨大な炎。ゼロは加速しながら呪文を唱える。
…
湖に遊びに来ているサーナイトさんが風精霊(シルフィード)を描いてくれました。召喚者によって姿が変わる精霊ですが、皆さんのイメージはどれでしたでしょうか。
おまけ
以下は前回の風精霊(シルフィード)と偽ペリドットの会話全容。つまりはフィベとアルドンパカの会話。ペリドットにはアーウーとしか聞こえていなかった声…
語りましょう。ペリドットの最後を。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
――――――――――――――――――
「『世界を憎め!ペリドット!」』
「ああああああああ――――――!!!!」
どこにあるのか分からない真っ暗な空間で、ペリドットは黒いヘドロに呑み込まれた。そのヘドロに口も鼻も塞がれて呼吸が出来ず、ペリドットの意識は…
『化け物』、叫ぶ。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「ぐっ、がああ…!」
化け物の大きな歯がエクスの肉を押し潰す。
『ゲギャガガガガハハギャアアアア!!!』
化け物は勝利の雄叫びを上げた。
まるで犬が長細い骨を噛むように咥え上げられたエクス。化け物の大きな口がエクスのドテッ腹や腰に食い込む。
「クソっがああ…!」
エクス…
『化け物』、笑う。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
――――――――――――――――――
それは過去の一場面。まだ大博士が生きていた頃の何気ない会話。
「大博士。」
一緒に歩きながら、エクスは隣の大博士に声をかける。
「ん~。何じゃ、エクス。」
エクスは自分の両手をギュッと握った。
「アタシは、この世界が好きだよ…
『化け物』、吐き出す。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「ああああああああああ!!!」
エクスは叫び声を上げながら落下する化け物の元へと向かっていった。空から降ってくる赤い液体が体にかかるのにも構わず、地面に落ちた化け物に向けて機械の左手を向ける。
「アタシの部下達を、返せえええええ!!!」
エクスは両腕王道具『神すら操る人の…
『化け物』、現れる。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「魔法使いという化け物を退治して世界に平和を築こう!行くぞ!!」
「「「「「「はいっ!」」」」」」
エクスは班長六人と共に爆煙の向こうにいるペリドットに戦いを挑んだ。だが、爆煙の先から突如、出現した化け物に全員が面食らった。
『ギャギュガギャギャギャアアアア!!!』…
それは熱い夏の日、いつものように白龍さんが憩いの湖の家でゴロゴロしていた時のこと。パルナちゃんが部屋から出てきました。その姿は何と水着姿だったのです。いつもとは違う大胆な服装でパルナちゃんは白龍さんに声をかけます。
パルナ「ねーねー、はくりゅー。せっかくの休日だし、海、いかない?」
白龍「ヒュー♪いきます!」
…
何かが、変だ。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
――――――――――――――――――
「はあっ…!はあっ…!」
暗闇の中、ペリドットは走っていた。
(何かがおかしい…!何かが変だ…!)
暗闇の先にある小さな光。その光に照らされて微かに見える四つの影を目指してペリドットは走っていた。
『「殺せ…!」』
『「恨め…!…
魔法使いという化け物を退治する。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「アール…!お前、魔法が使えるの、か…?」
ゼロはハッとなって後ろを振り返った。そこには驚きの表情一色のマチネ特務隊副隊長エクスの顔があった。
ゼロはエクスも特務隊の班長達も全員を助けたくて無我夢中で後先考えずに飛び出して魔法を使った。今までなら魔法を使えばそ…
それはまだゼロ達が封印される前の話。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
――――――――――――――――――
肩の下まで伸びた漆黒の髪を垂らし、清楚な白い服に身を包んだ女性が豪華な建物の中を歩いていく。身長は並の女性達よりも少し高く、豊満な体つきは包容力のある大人の女性の姿形であった。女性は建物の中の一つの部屋の前まで来て、その扉を…
守れなくて、ごめんなさい。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ペリドットが古代魔法銃デスチル・ジュールの一撃を放とうという瞬間、一筋の光がエクス達の隣を通り抜けた。
「!」
「っ!」
「!?」
「えっ!?」
「なっ!?」
「!??」
「!!」
その時、光のように駆け抜けたのは特務隊の新人だった。
『消え去れえ…
何かがおかしい。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
(『くそっ…!腹が…苦しい…!喉の中に血が上ってくる…!』)
ペリドットはオウの砲撃とビイの狙撃の連続攻撃から逃げながら、エクスに開けられた腹への損傷を引きずっていた。傷口は何故か塞がっているが、穴を開けられたことには変わりない。さらに他の班長達も連続攻撃に加わろうとしている。数の上で…
陛下の言う通り、人の意志が一番強い。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ペリドットは風の刃をまとった腕をエクスに向かって振り下ろす。その一撃で勝負は決するはずだった。
(『!?』)
ペリドットの一撃は王道具によって止まった。
「副隊長に気安く近付いてんじゃねえぞ、魔法使い!!」
「殺らせはしません!ワタシ達がいる限り!!」…
貴女の笑顔を守りたい。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
マチネから上がった火柱は轟々と燃え上がり、空を赤く染めていた。それを青ざめて、呆然と見ているエクスの耳に奇っ怪な音が聞こえてきた。砂を削り、地を砕く、掘削機のような音が地面の下から聞こえてきたのだ。
(生きてやがった…!?)
既にエクスの王道具『神すら操る人の糸(ゼウス…
『勝利』を掴んだ…!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
エクスの放った光子力放射は至近距離からペリドットに当たった。それはペリドットの腹部を貫通し、致命傷とはいかなくても重傷を負わすことが出来た。ただし、エクスが光子力放射をペリドットに向けた瞬間、ペリドットは激しい頭痛に襲われながらも回避行動に出ていた。結果、エクスの放った光子力放射はペ…
お前の勝機は握り潰そう。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
『が、は!!!』
ペリドットは大爆発の中から少しでも爆発の少ない方へと全力で移動して、爆発に巻き込まれながらも安全圏まで脱出した。煙を飛び出し、新鮮な空気を吸い込んだその時、奇っ怪な眼鏡をかけたエクスの手のひらがこちらに向いているのが見えた。
(『しまった――――――…
全力で『勝利』を掴もう。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
エクスの手のひらから放たれた光子力放射は真っ直ぐに空中のペリドットに向かい、ペリドットの周囲にある風の結界にぶつかった。風の結界を貫くことはなかったが、結界はすぐに光子力放射によって溶け出した。
『っ!!』
おそらくは数秒で貫通するであろう早さで結界が溶解していく。ペ…
『勝利』を掴もう。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
エクスは上空で結界を張っている魔法使いをジッと観察していた。そしておもむろに口を開いた。
「お前、ペリドットか?」
『!』
エクスはペリドットの僅かな反応を見逃さなかった。
「やっぱり風の大魔法使いペリドットか。随分と姿が変わっていたから気が付かなかった。」
『そ…
人の意志は奪わせない。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「そうやってまた奪うか…。」
『…!?』
「そうやってまたオレ達から意志を奪おうってんだな!?魔法使いらしい汚ねえやり口だな!」
地面に倒れたオウが叫びと共に立ち上がった。それに呼応してユウも立ち上がる。
「オレ達を虫ケラ扱いして散々いたぶって自分達の都合の…
魔王とは魔法使いの頂点である。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ペリドットはまず真正面にいたビィに襲いかかった。ペリドットの黒い腕から繰り出される黒い爪の一撃は加速を伴ってビィの王道具『一撃必殺(ハチサシ)』を一発で破壊した。
「!!」
「!!?」
その速さは尋常ではなかった。ビィの反応も、速さに自信のあったキュウの助けも…
なまじっか人の姿をしているせいか絶対に分かり合えない。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
大魔法使いは完全に沈黙した。周囲を風精霊が高速で飛び回っているのでどんな攻撃も防がれてしまうが、大魔法使いが動かないので特務隊はオウやユウを治療する時間が出来た。風精霊が動いている以上まだ魔法使いは死んでいないと考え、特務隊は警戒を怠らなかった。しか…
誰が王に相応しいか。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
暗い…。
ここはどこだ…。
どうして暗闇だけが続くんだ…。
おかしい…。体に力が入らない…。
そうだ、わたしは害虫退治をしていたんだ…。
この世界に巣食う害虫を退治して魔法使いの仇を討つ途中で…。
どうなった…?あの戦いの結末はどうなった…?わたしはどうなってしまったんだ…
化け物め、さっさとくたばれ。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「よくも…!よくも仲間達を…!!死ぬ覚悟は出来ているんだろうな!化け物があああ!!」
ビィは右手の王道具『一撃必殺(ハチサシ)』を構えた。それに対し、黒い鎧に包まれた大魔法使いも叫ぶ。
『かひゃはひゃはあアアアアア!!!がぎゃぎゃぎゃぎゃあアアアアア!!!』
だが、喉が…
憎しみは消えない。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
『グアアアアアア!!!』
炎の中から叫び声が上がる。暴れ、悶える黒い影が見える。炎の中で大魔法使いがのたうち回っているのだ。そのまま大魔法使いは炎に焼き尽くされるかと思われた。だが次の瞬間、天空から巨大な風の柱が降ってきた。その風圧は炎を全て押さえ込んで鎮火させた。
「「「!!…
悲しみは怒りに変えて力とする。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
大魔法使いはオウに向かって突撃してきた。オウの王道具は通常の据え置き砲台よりも小回りは効くが、それでも接近戦は苦手であった。
『害虫がアアアア!!!』
「ぐっ!!」
両腕が機械であるのでオウは腕で一度目の攻撃を防ぎ、二度目以降の攻撃は後ろに下がって回避した…
所詮は魔法使いか。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
『アア…。』
ここで大魔法使いの体勢が整った。先程の苦しんでいた様子がなくなり、黒いヘドロのような鎧が再生し、顔を覆った。
『カーコー…。カヒャー、コヒョー…。ガヒャヒョー…?』
大魔法使いの言葉は隙間風のようなかすれ声だった。風の国での戦いでペリドットは撃ち落とされる時、光子力…
所詮は害虫か。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
他の大魔法使いも生きているということが確定事項となった三人にとって、この戦いはますます厳しいものとなっていた。一刻も早く風の大魔法使いペリドットを倒さなければ、他の大魔法使いも駆け付けて絶対に太刀打ち出来なくなる。かといって三人であっても大魔法使いに勝てるかどうかすら怪しい。とにかく攻撃し…
生きてやがったよ…!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
(奴らは…。)
その場に駆け付けた三人を見て、大魔法使いはかつての戦いを思い出していた。
マチネがジュールズに戦争を仕掛けて何度目かの話。今度はマチネが炎の国に攻め込んだという知らせを聞いて、雷の国と風の国から魔法使い達が間接援軍としてマチネに攻め込んだ。目的は炎の国に攻め込んだ…
害虫共め、痛みを知れ。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
それは一方的で圧倒的な戦いだった。大魔法使いの一方的な勝利だった。マチネの住民のほとんどが地上から消え、立ち向かった特務隊や巡視隊の者達も一方的に戦場の露と消えた。次に大魔法使いの目に映ったのは運良く生き残った少数のマチネの住民達だった。
『精霊召喚、風精霊(シルフィード)!…
ウチが仇を取ったる。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ゼロが発見した二体目の魔法使いの襲来はすぐにマチネ本部にも連絡された。ほぼ同時刻、マチネの司令部でも突如強力な魔力を感知した。それまではマチネ内部に侵入した魔法使いオネの魔力しかなかったのに、急に降って湧いたように新しく強力な魔力反応が出現したのだ。
『こちら司令部!マチネ郊外…
魔法使いの役割を全うする。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
雲と空が広がるだけの天空に黒いシミが一つ。それが空飛ぶ魔法使いだと分かった時、マチネの人々は恐怖した。住み慣れた故郷を後にして魔法使いから命からがら逃げてきたのに、逃げた先にも魔法使いがいたのだから。
風の国の方から現れた魔法使いには、人間にはない大きく広がった黒い翼のよ…
「大切」を守るために。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
時間は少し遡る。
マチネに侵入したオネによって住民達は避難を余儀なくされた。既に通達があったこととはいえ、いざその時になれば人間はそう上手くは動けない。恐怖に怯える者、立ちすくむ者、錯乱する者が相次ぎ、建物の倒壊や爆発によって道が寸断され、避難が難しくなる状況もあった。そんな…
白龍「連休中にやりたいこと色々!なんかやる気出てきたー!」
パルナ「じゃあ、鯉のぼりやって
」
白龍「はい?」
白龍「何故に!?何故に私は鯉のぼりになってるの!?イタズラなの!?イタズラ好きなの!?悪いパルナちゃんなの!?パルナちゃん下ろして~!」
パルナ「にしし~。」
…

ワタシは役立たずでした。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
オネはソルディエルの次の言葉をニマニマしながら待った。ソルディエルが完全に自分の部下になるその一言を発する瞬間を心待ちにしていた。
その時、突然、空中にあったオネの超巨大な炎(ブラーゼ)が消滅した。
「あ?」
(魔法による対消滅?)
オネがそれに気を取られた瞬間だった…
心は既に焼かれて消えていたのか。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ソルディエルの脳裏に灼熱の光景が蘇っていた。かつて、自分の住んでいた場所も親も知り合いも両足も全てを焼き払われたあの幼き日のあの光景が。
あの炎の前にどんな抵抗も無意味だった。あの炎の前に人の意志は無意味だった。両足と共にあの炎に抵抗の意志ごと焼き払われ、何も出…
奪えないものなど存在しない。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ソルディエルの渾身の叫びに対し、オネは一瞬キョトンとした。が、次の瞬間には満面の笑みをこぼしていた。
「へええ~。」
それは飢えた獣が巨大な肉を目の前にしたような、そんな喜びの表情だった。
(そうだ…。そう来なくちゃ面白くない!手も足も視界も王道具も失って、それでも…
この戦いで真の平和を取り戻そう。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ジェゼナが眠ってから数年間、マチネは巨大な心臓と化したジェゼナの力を使い、産業を発展させ、軍備を増強し続けた。そして、戦争をし続けた。それでも、マチネは一度たりともジュールズに『勝った』ことはなかった。局所的にはともかく、魔法使いを滅ぼすところまでは到底たどり着けず、戦争…
ワシは既に赦しておる。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
大博士は装置に入ったまま懐から薬を取り出して飲み込んだ。
「ふうっ…。」
アウトマはそれを止めることが出来なかった。それが何の薬かは分かっていたが止められなかった。それを止めても無意味だと、震えながら自分に言い聞かせていた。
「薬が効くまで少し時間があるなぁ…。どれ……
ジェーはワシが殺した。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「違う!」
アウトマは叫んだが大博士は冷静に言葉を返した。
「違わんよ。ジェーが機械になることを知っててワシは王道具『侵食統一』を移植したのじゃ。」
「違う!両手両足に移植出来るだけの量があったのが『侵食統一』のみだったからでしょう!」
「ではなぜ『侵食統一』のみが…
やっと、死ねる。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「大博士…。」
アウトマは思い詰めた表情を崩さない。その表情に込められているのが殺意なのか決意なのかは分からなかった。
「どうしたんじゃ?ワシが眠る棺桶の準備は出来ておるのかと聞いておるんじゃ。まさか、この期に及んで迷っている訳ではあるまいな?ジェーを殺したワシを殺すこと、そ…
今日はワシの番じゃ。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
時間を少し巻き戻す。ジェゼナの玉座を完成させた後、大博士は技術部の最深部に来ていた。ここに入れるのは技術部の長だけと決まっていた。
大博士はジェゼナと最後に言葉を交わした場面を思い出していた。
――――――――――――――――――
技術部の奥の実験室兼病室にジェ…
機械は必ず勝つ。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
マチネに兵力も戦力も整い、魔法使いと戦えるまでになったが勝利もしくは殲滅となると話は違う。魔法使いの抵抗は激しく、地の利は魔法使いにあり、戦力もまだ魔法の方が上だった。攻撃を行うものの、魔法使いの援軍が来て軍隊は引き上げ。なので戦争は毎回のように痛み分けのような状態。マチネの意思決定機関…
魔法使いとの全面戦争を開始する。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ジェゼナが眠りに就いた後、大博士は彼女のための玉座を用意した。マチネの中心に設置された巨大な装置。その真ん中に金属のように重くなったジェゼナを座らせ、そこからマチネ中に動力を送れるように電線を張り巡らした。それはマチネに巨大な心臓が出来たも同然だった。
その巨大で強…
皆にありがとうと伝えたい。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ジェゼナは少したどたどしい手つきで上半身の服を脱いで肌を見せた。女性特有の柔肌はほとんどなく、火傷の跡が広がっていた。
だが、大火傷に関しては特攻隊の者ならば誰でも知っている話である。魔法使いに襲われた時、両手両足以外を失う他に全身に大火傷を負った。現在、仮面をかぶっているの…
新しい時代が来る。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
技術部の奥にある手術室も兼ねた実験室兼病室にジェゼナはいた。技術部の中でも特に設備の充実した場所で、大きな部屋だったが、その場にはジェゼナと大博士しかいなかった。ジェゼナは大きな寝台にいて、上半身だけ起こしていた。その目線は少し伏せて、下を向いていた。
「ジェー。もうすぐ特攻隊の…
マチネが進むべき道とは。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
更に月日は流れた。
マチネはとうとう大陸の中央に巨大な壁を作り上げ、高らかに自国の場所を宣言出来るまでに巨大化した。技術や機械が発展し、戦うための武器や兵器が大量生産出来るようになった。人口が増加し、戦うための兵士をたくさん集めることが出来るようになった。そして、いよいよ大…
それは、3月3日の出来事。
白龍「ん?前にもこんなことあったような…。デジャヴ?」
パルナ「気にしない、気にしない。」
絵を描いて頂きましたサーナイトさん、ありがとうございます。そして、遅くなって済みません。4月からは少しずつ復帰していきます。
変わるはずがない。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ジェゼナの部屋を後にした二人は廊下を歩きながら見つめ合った。その時、エクスは僅かにソルディエルを見上げた。ソルディエルがマチネに来た時には、エクスの方が背が高かったが、今ではソルディエルの方が少しだけ高い。
「エクスさん、今後共よろしくお願いします。」
ソルディエルは軽く会釈し…
貴女が一番、相応しい。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「決断力です。」
「判断力っすかね。」
二人共が即答したが、ソルディエルの方が少し早かった。
「その訳を聞こう。ソルディエル君はなぜ決断力を選択した?」
「隊長の命令は、それ一つで部下の生死を明確に分けます。判断の難しい場面であっても決断しなければ、その分だけ部下の…
隊を率いる者の資格。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
月日は流れた。その間にマチネはどんどんと巨大になっていった。魔法使いに居場所を奪われた者達は更に増え、その者達の子どもも増えてきた。そして、特攻隊の人数も大分と増えた。
人数が増えればジェゼナといえども把握が難しくなり、伝令や命令が伝わるのが遅くなったり、意見の交流が少なくなったり…
贅沢は敵じゃ。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
エクスと大博士が会話をしているのを他所に、アウトマは白衣を翻した。
「大博士、王道具調整の準備に取り掛かります。」
「うむ。先に準備をしておいてくれ。」
ソルディエルの王道具の調整の準備のためにアウトマは技術部の左手奥へと歩いて行った。それを見送るようにみていた大博士にエクスは声…
深く反省せねばなるまい。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
数日前のことを思い出していたアウトマは、ゆっくりと過去の記憶から現在に帰って来た。そして、気持ちを切り替え、ソルディエルの王道具の整備の準備をしようとした時、新たな訪問者がやって来た。
「ちわーっす。」
「エクスか…。」
エクスはアウトマの頬の傷を見て、二マッと…
ジェゼナは変わらんのう。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ジェゼナはゆっくりと言葉を紡いた。
「…同じ、マチネの仲間じゃないですか。魔法使いに居場所すら奪われ、世界を彷徨いながらようやく一つの場所に辿り着いた者達じゃないですか。確かに彼らの先程の姿はとても見ていられるようなものではなかった。酷く醜い存在だった。ただ、人間は完璧ではない…
小粒ばかりで困るわい。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
老人はしばらく技術部の者達がうろたえ、謝罪の言葉を述べるのを聞いていた。そして、頃合を見て再び喋り出した。
「普通さあ、悪いことしたら謝るのが先だよねぇ?なんでえ~、今頃になって謝罪の言葉が聞けるのぉ?本当に反省してるのぉ?」
「は、はい!もちろんです!大いに反省しています…
パルナ「ふっふっふっ…。」
白龍「おや、パルナちゃん。そんなところで何をしているんですか?というか、何か企んでいる?」
パルナ「はくりゅー、くらえぃ!」
パルナ「節分の時、何もしてなかったからバレンタインデーと混ぜてみたよ
」
白龍「もぎゅもぎゅ、美味しいです。幸せ…。」
…

そろそろ実験したいなあ。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「そんでえ~、さっきから話聞いてたけど、王道具の調整の話が出たよね~。どゆこと?説明。」
老人は再び説明を求めた。それに対し、技術部の者達は誰もが答えられずに黙った。
「説明。誰か。誰でもいいよ。早い者勝ちだよ?」
どんな説明をしても老人の逆鱗に触れることが明らかだ…
技術部には妖怪がいる。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「なあんじゃい、これは~?」
突然、技術部の者達のすぐ後ろからしわがれた声が響いた。技術部の者達が大慌てで後ろを振り向くと一人の白衣を着た小柄な老人が立っていた。その声がするまで誰もその老人の存在にも気配にも気が付けていなかった。
「ひっ!!」
「大博士!!」
「気…
全ては大切なものを守るために。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「出て行け!!今の君達に、ここにいる資格はない!!」
ジェゼナは技術部の者達を一喝した。技術部の者達は十人程いたが、皆がたじろぎ、黙った。滅多に手に入らない研究材料を目の前にした興奮も一気に醒めた。
興奮から、彼らには感情的になってジェゼナに食ってかかる選択肢もあっ…
醜さとは、心で決まる。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ソルディエルの突然の出産は特攻隊隊長のジェゼナの緊急連絡によってマチネの他の人間の知るところとなった。その知らせを聞いて技術部の科学者や研究者達に衝撃が走った。そして、十名近くの技術部の者達が我先にと現場に向かった。
その目的はソルディエルを助けるためではなかった。技術部には…
闇はどこにでも存在する。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ヴィーセが出て行ってから少しして、特攻隊の隊員が何人もソルディエルの見舞いに来た。今まで特攻隊は外へ出かける任務を行っていて、今日が帰還の日だったのだ。しかし、不思議なことに何人かの隊員はヴィーセと同じ場所に怪我を負っていて、聞いても転んだとしか言わなかった。
そして、極めつけ…
ワタシは独りじゃない。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ソルディエルとエクスがしばらく他愛のない話をしていると、部屋の扉を叩く音が聞こえた。
「はい、どうぞ。」
ソルディエルの呼びかけに対して扉が開き、果物を持った一人の少年が入ってきた。
「ソルディエル見舞いに来た。と、エクスさんもいたんですね…。」
「ヴィーセ。」
…
ジェゼナ隊長のようになれるかな?
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
しばらくしてエクスはゆっくり口を開いた。
「…隊長も同じこと言ってたっす。」
ソルディエルは涙で濡れた顔を上げてエクスを見た。
「ちゃんと産んであげたかったって…。」
「ジェゼナ隊長が…?」
「ええ、そうっす。数々の大切なものを奪っていった魔法使…
未だに木鶏足り得ない。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
あの一件から数日が過ぎた。ソルディエルはジェゼナの命令で特攻隊の仕事を休止し、療養生活を送っていた。その療養中のソルディエルの部屋の扉を叩く音がした。
「ソルディエルさーん。エクスっす。入るっすよー?」
特攻隊の同僚であり先輩であるエクスが果物を持ってソルディエルの見舞いに…
これ以上、何を奪うというのか。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「止めろお!!魔法使いいい!!」
ソルディエルは叫びながら寝台から転げ落ちた。
「――――――!!」
「まだ奪うのか!!ワタシからまだ奪うのかああ!!」
「――――――!!」
「まだ奪い足りないのか!!?そうまでして奪いたいのかあああ!!?」
…
夢か、現か、幻か。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
――――――――――――――――――
(ここは…どこだ…?)
ソルディエルが目を覚ますと、そこは真っ暗闇の空間だった。目ははっきりと見えているのに周囲はどこまでも真っ黒で先が見えない。まるで黒くて広い箱の中に入れられて、自分がいる一点だけ上から光で照らされているよう。
…
どんな痛みも耐えてみせる。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
マチネによる魔法使いの拠点壊滅作戦は、その場にいた全ての魔法使いの死をもって終了した。魔法使いの拠点にあったものの中で今後の魔法使い討伐に役立ちそうな武器や道具、食料などは持ち出され、仲間の死体を全て運んだ後に火が放たれて魔法使いの拠点の全ては灰になった。
マチネに戻…
ワタシは、また一つ学んだ。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「はあっ!はあっ!」
その女性は走っていた。
「はあっ!はあっ!」
その魔法使いの女性は自分の五つになったばかりの自分の幼い子どもを抱き抱えたまま走っていた。
「はあっ!はあっ!」
息を切らし、足は悪路のため傷付き、体力の限界を超えていたが、それでもなお強い想いが彼女…
本当に仲間を殺したのは誰か。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ソルディエルは自分の怪我も痛みも忘れて、身を挺して自分を助けた特攻隊隊員のボンの元に駆け付けた。
「ソルディエル…。無事か…?」
ボンは薄目を開けてソルディエルの顔を見た。
「私は大丈夫だ!それよりも自分の心配をしろ!何で…!」
ソルディエルの無事を確認出来て胸を…
魔法使いこそ悪魔の使いだ。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
雷魔法の基本形である『雷(スンデル)』をまともに受けて、ソルディエルの全身に電撃の激痛が走った。
(あああああ!!!)
その痛みに耐え切れずに地面に倒れ込んだが、すぐに戦士としての本能が彼女を立ち上がらせる。それでも、負傷した事実は消えない。
「雷(スンデル)!!」
…
戦場での迷いが導くものとは。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ソルディエルは動く茂みに対して足元の石を蹴りつけた。王道具『世界一蹴』によって蹴り出された石は弾丸のような速さで茂みを直撃した。
「ひいいいぃぃいい!!」
茂みから飛び出してきたのは二人の魔法使いだった。ソルディエルが距離を詰める前に二人の魔法使いの内の一人が叫んだ。…
『大切』は、戦わなければ守れない。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ジェゼナが隊長になってから特攻隊の死亡率は大幅に下がった。それはジェゼナの立てる作戦の精密さが群を抜いて良いことに起因する。ジェゼナの立てる作戦は、とある思想に基づいて、奇襲した時に魔法使いがどう動くかを綿密に想定しているところであった。
しかも、その想定をいくつも立…
『大切』を守るために、生きると誓う。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
特攻隊に入って数ヶ月。数々の特訓に耐え、王道具も体に馴染み、様々な任務をこなして、魔法使いを殺し続けたソルディエル。そんな彼女は、最近になって体調不良が続いていた。
(う…うげええええ…。)
ソルディエルは誰かに心配をかけまいと厠で唾液と胃液の混じった液体…
この『大切』を守りたい。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
会話をしながらジェゼナのことが話題になったので、ソルディエルは思い出したように言った。
「ジェゼナ隊長も王道具使いなんですよね。」
「そうっす。失った両手両足を全部王道具にしたんっす。馴染むまで大分と時間がかかったらしいっすけど、今じゃ特攻隊最強で隊長っすからね。それでい…
『大切』が少しずつ増えていく。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「エクスさん、少し休憩しましょうか。」
「そうっすね。」
ソルディエルは特攻隊に入ってから日々、訓練と実戦を繰り返していた。訓練を行う時によく組む相手の一人にエクスという少女がいた。
「ソルディエルさん、特攻隊には慣れたっすか?」
近場の適当な段差に腰掛けて軍隊…
白龍「ついに2015年に突入か…。月日が経つのは早いものです…。」
パルナ「今年は未年なんだよね。」
白龍「そうですね。ん?パルナちゃん、そんなところに隠れてどうしたんです?」
パルナ「ふっふっふ~。喰らえ!」
パルナ「パルナのかわいさにシビれな!」
白龍「うわー、反則的なかわいさだよ、パルナちゃん…
ここがワタシの生きる場所。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
当時のマチネには特務隊の前身になるマチネ最強の遊撃部隊が存在した。魔法使いに対抗するための少数精鋭で、その所属隊員は全員が仮の名前で呼び合っていた。それは軍隊として個を捨てるという意味合い以上に、名前を捨てた者、名前を奪われた者、自身の本名すら知らぬ者が多かったためである。魔法…
奪えないもの一つだけ。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「!!!」
ジェゼナが部屋に入った時、そこには寝台から落ちて暴れている少女がいた。
「落ち着いて!大丈夫だよ!」
ジェゼナは少女を抱き抱えて体を押さえ、大きな声で大丈夫だ、落ち着いてと叫びながら、暴れるのを止めた。
「はぁー!はぁー!はぁー!はぁー!」
目を血走ら…
生きる気も死ぬ気も失せていた。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
全てを奪われた後、ワタシはどれぐらいその場にいたのだろう。かろうじて命は残ったものの、生きる気力が全く湧かず、ただ時間が過ぎるのを待っていた。時間が過ぎることすらどうでもよかった。このまま時間と共に死ぬのだと思っていた。それでよかった。全てを失い、何をする気力も沸かず、ワタ…
心とは。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「気に入ったぞ!お前が欲しい!タイチョー、私の部下になれ!」
馬乗りになったオネにそう言われた時、ソルディエルの脳内は一つの言葉を捉えて瞬時に過去の記憶を再生させていた。ソルディエルの悪夢の根源となった記憶を――――――。
――――――――――――――――――
その日は晴れ…
鹵獲開始。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
オネは周囲を見回した。周囲の建物は全てドロドロに溶けて地面と一体化して、更地に近い荒野が広がっていた。そうでない場所も、あちこち壊れているか、燃えているかしていて、無事な場所はどこもなかった。
(…少し遊び過ぎたかもしれん。人間はたくさんいるとは言え、殺し過ぎると後がつまらんからな。寝床など…
白龍「メガシンカ…。それはポケモンの新たなる可能性…。今現在、メガシンカが確認されている個体は全て最終進化系のポケモンか、進化しないポケモンばかり…。
しかし、ポケモンには無限の可能性がある。分岐進化もその一つ。イーブイが様々な進化系を持っていたり、キルリアがサーナイトとエルレイドのそれぞれに進化出来るように、メガシンカにも分岐進化が…
?
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ソルディエルの剣がオネの喉を貫いた。それは間違いなく事実だった。普通ならソルディエルの勝利である。ひょっとすると死に際の反撃があるかもしれないが、刺し違えることになってもオネを倒すことが出来ればそれはマチネの勝利と呼んで差し支えないだろう。そもそも、喉を剣で突かれて生きている人間など存在するはずがない…
戦場では一瞬の心の乱れが勝敗を決する時もある。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
ソルディエルの渾身の攻撃。その長剣がオネの背中の炎の羽根に当たった瞬間、あっと言う間に溶けた。金属で出来ているはずの長剣の刃が相手を斬った瞬間に溶けたのだ。
攻撃は最大の防御とはよく言ったもので、オネはまさにそれを体現していた。オネを取り巻く圧倒的な熱…