英雄再来 第十四話 エクス13

『化け物』、吐き出す。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

「ああああああああああ!!!」
エクスは叫び声を上げながら落下する化け物の元へと向かっていった。空から降ってくる赤い液体が体にかかるのにも構わず、地面に落ちた化け物に向けて機械の左手を向ける。

「アタシの部下達を、返せえええええ!!!」
エクスは両腕王道具『神すら操る人の糸(ゼウス・エクス・マチネ)』から剣を取り出して、化け物の表面を斬り裂いた。
『ギギギゲエエエエ!!』

「ビィ!キュウ!アイ!オウ!ユウ!ティイ!」
エクスは化け物の体内に手を突っ込んだ。体液に触れた皮膚が溶け始めるのも構わずにエクスは必死で化け物の内部を探った。
『ゲビエ!ゲビエ!』

「どこだ!?どこにいる!?返事をしてくれ!!」
その時、エクスは何か腕のようなものを掴んだ感触を得た。
(居たっ!)

『ギギギギギギギ!!!』
同時に化け物は痛みで暴れ、のたうち回り、エクスを振り払った。それでもエクスは掴んだ手を離さなかった。化け物の傷口からエクスは引っ張り出した――――――。



片方だけの人間の腕を。



「あ…。ああああああ!?!?」
一瞬、何が起こったのか理解したくなかった。しかし、理解出来てしまった。エクスは再度、化け物に向かおうとした。だが――――――。


『ギギャギャギャギャギャギャアアアアアアア!!!』
化け物の一つの口から唾液と共に何かが吐き出された。骨、骨、骨!次々と骨が吐き出され、時には金属の塊も吐き出された。吐き出された骨は六人分。そして金属の塊は紛れもなく王道具だった。

「う…あ…。あああ…。うわああああああああああ!!!!」

エクスは叫んだ。気が狂ったかのように叫んだ。それは断末魔の叫びに等しかった。

「あああああああ!!!!うあああああああ!!!」
エクスは怒りと悲しみが混在した心のまま化け物に突撃した。何もしなければ心が壊れてしまう。エクスは自分の中のどうしようもなく激しい感情に突き動かされていた。


『ギギギギギギギ!』
化け物は笑い声を上げて、全ての口を大きく開けた。

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この記事へのコメント

2015年07月23日 20:35
火剣「まさか」
コング「むごい」
ゴリーレッド「無念」
コング「僕がいかに紳士かがこれでわかったろう」
ゴリーレッド「シャラップ」
火剣「エクス以外、6人とも全滅とは」
ゴリーレッド「心がない化け物は何でもありだからな」
火剣「それこそ人間が害虫を迷わず殺すのと一緒の感覚なんだろう」
コング「僕はティッシュに包み、草むらに返す」
火剣「蚊は殺す」
ゴリーレッド「何の話をしている」
コング「今後どうなるのか」
ゴリーレッド「やはり正しい戦争など存在しないんだ」
火剣「まずエクスは、この化け物を葬る以外にない」
コング「ゼロはいなくて良かったが」
ゴリーレッド「いたら6人は守られたか?」
コング「人生にネタバレはない」
火剣「タラレバだろ」
2015年07月24日 23:23
いやああああ!!?
巨人ほどの猶予もなく、速攻で溶かされているじゃないですか!!

山田「嘘・・・だろ・・・?」
佐久間「だがグロテスクな美を感じる。」
八武「うむ。」
山田「お前ら・・・!」
佐久間「食われた時点で、これは覚悟していた。」
八武「服だけ溶ける液体だったら良かったんだがねぃ・・・。」
維澄「骨と王道具は残ってるというのが、何とも惨たらしい。」
八武「それが美しいとも言えるがねぃ。しかし、おお・・・女の子たちが、憐れな姿に・・・」
山田「最初から素直に悲しめよ・・・。」
神邪「デスチル・ジュールの存在していた時期から考えると、やっぱりアルドンパカの一部なのでしょうか。それを取り込んだ魔法使いが、例の黒い魔法使いになった、とか。」
山田「だとしたらエクスに勝ち目が無い・・・。マジで佐久間の悪い予想が当たってしまった。」
佐久間「うん、でも予想を超えていたな。ここまで強くなるとは思わなんだ。」
2015年07月25日 12:08
>火剣獣三郎さん
惨たらしい結末…。特務隊の班長六人ともが助かりませんでした…。既に人の心のない化け物と化したペリドット。人の心も相手の心も解さない。その上、人間を餌だと言わんばかりに六人を食って消化してしまいました。
戦争が正しければ人殺しが正しいことになってしまう。やはり、戦争は絶対に間違っています。こんな悲劇が生まれるのだから。
一人残ったエクスは残りの力を振り絞ってこの化け物を退治しなければならない。もし、ゼロがいれば戦況に変化はあったでしょう。ただ、副隊長の立場としては疲弊した新人をこの戦場から一刻も早く遠ざけたかった。それにゼロがいたとしても、誰も死なない結末には恐らくならなかったと思われます。
いよいよ、エクスと化け物の一騎打ち。勝つのは果たして…。
2015年07月25日 12:08
>アッキーさん
超強力な消化液で食べられた六人はあっと言う間に…。我が目を疑いたくなるような凄惨な光景です。食べられても丸呑みならまだ僅かに希望があるのかもしれませんが、ほとんどの場合は助からない。悲しいことですが、ここでは奇跡は起こらなかった。残ったのは骨と王道具のみ。後は全て化け物の中へ…。
デスチル・ジュールは『英雄の子孫』段階では存在は確認されていますが、失われて世界のどこかにはあるという状態。梅花さんがチュルーリを生み出す時に溢れた魔力の塊と言われていますが真相は闇の中。ペリドットがどういう経緯で手に入れたのかはいずれ明かされるかと思います。
アルドンパカならばそれは闇大神霊の力を得たということ。つまりは光大神霊(チュルーリ)と同等の力。エクスに勝ち目はないのか…?

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