英雄再来 第二十三話 ミッド1

昔に想いを馳せて。

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

現在。
マチネの外壁の上で目を閉じたままの青年ツヲと赤の混じった髪の少女オネは昔のことを回想していた。

「結局、僕とミッドが本気で戦ったのはあれが最初で最後だったね…。」

オネは両手を頭の後ろに組んで空を仰いだ。
「そうだな…。あの時、私も人間の強さを垣間見た。」

「それから母さんに突っ掛かる回数が減ったんだったね。その代わり武者修行で住処を空けることが多くなったけど。」

「今のままじゃ勝てんと思ったからな…。今なら勝ってみせるが、な。」

「それからしばらくして、ツレエが生まれて一気に賑やかになったよね。」

「あー。あいつには随分と手を焼いたな。」

「オ姉さんほどじゃないよ。」

クックと笑うツヲをオネは横目で見た。
「ほう?一試合行くか?」

「ばやっ…口が滑った。」

そう言った後、ツヲとオネはお互いに笑い合った。

「ツレエの次にフォウルが生まれて、フィベが生まれて、最後にゼロが生まれた。そして――――。」



「呼びました?」
ふくよかな胸と整った体形を給仕服に包ませたアールが後ろから声を掛けてきた。

「二人とも、何やってるの?」
腕のない少女フォウルもアールの隣から顔を出す。

「…昔の話か?」
そして、短い袖のヒラヒラした薄い服を纏った少女、飛鳥花も現れた。飛鳥花は自然を装ってツヲの隣に座った。不自然なのは真っ赤な顔だけ。

「そうだね…。随分と昔の話さ。何百年前になるかなあ…?僕の父さんが死んだのは…。」

ツヲは再び記憶の海の中へと潜り始めた。

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この記事へのコメント

2016年08月04日 19:42
ツレエが生まれる前!?
どうりで出てこなかったわけです。ミッド生存は確定的だったのですね・・・。

山田「な、言っただろ。」
佐久間「言ってねえよ。」
八武「老いて猶、盛んなミッド。」
山田「おい。」
八武「大切なことだよ。いつまでも美少女なチュルーリが妻とは、男冥利に尽きるというもの。」
佐久間「私も7,8歳の方がいいか、山田?」
山田「あまり良くない。」
佐久間「それはさておき、ミッドが死んだときの話は興味あるな。かなり。」
神邪「ですね。」
維澄「明かされてない謎もあることだし、それに繋がってくるのかな。」
佐久間「ふくよかな胸に嫉妬しないのか?」
維澄「最近は観賞する方向にシフトしたよ。」
神邪「ミッドさんは、良い父親ですよね・・・。」
八武「思わず見習いたくなるねぃ。」
山田「見習うべきだ。」
2016年08月04日 20:51
>アッキーさん
時間軸的にはツヲさんが生まれた後、ツレエが生まれる前、でした。この事件をきっかけにオネもツヲも親離れをした感じで、一人で過ごす時間が多くなりました。けれども、次々に増える家族に結構てんてこ舞いだったかもしれません。
まあ、父親が別という可能性も微粒子レベルで存在していた訳ですが、チュルーリがミッド以外を夫にするなんて想像出来ませんね。というか、英雄の子孫を書いてた段階ではチュルーリが誰かの妻になることを想像出来てはいませんでしたが。
さて、精霊と違って人は永遠に生きることは出来ない。ミッドも寿命には勝てませんでした。チュルーリの魔法で寿命を延ばすことも出来たのですがミッドはそれを拒否しています。では、ミッドがどんな最後を送ったのか。それと過去話をしながら今までに振り撒いた(?)謎を補完出来ればいいなあとは思っています。

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